話題になっていた漫画「式の前日」を読んでみました。中でも「あずさ2号で再会」は良かったです。
さあさあ、今回はデュマ・フィス著「椿姫」です。愛と金と自尊心と家名(世間体)。
娼婦という存在にあなたはどのようなイメージを持たれるでしょうか?卑しく醜い存在だと思うでしょうか?その肩書き、職業だけでその人間性までをも容易に、誤解をもって判断してしまう世間。
世間は直接、個人の手に触れる事はないのに、暗闇の中で眼を光らせながら蠢き、知れずに多大な影響を与える。そんなものはくだらないとなげうつことも出来るだろうが、「正しく」生きていくには、それの眼に清らかに写らねばならない。これが現実というやつだろうか。
男と女という平行線が遂に交わり、1つの直線になる。それも束の間、2つの線に再び切り離され平面上には最早1つの線だけが虚しく横たわる。平面上から消えた方も残された方も辛く悲しい。本人達にしか分からない苦しみ。
いくら愛しあっていても、時が、世間が、金が肉体を引き離す。それでもなお、マルグリットとアルマンの愛は!証は!目には見えなくとも、きっと永遠に生き続けることだろう。
