背格好で判る
歩き方で判る
ずっと見てきたから判る
今は年老いて
ゆっくり ゆっくり
ただ真っ直ぐ歩く
87歳だというのに
杖も使わずにしっかり歩く
見送りに出てきただけなのに
なぜだか動けなくなる
心の中で振り返ってと願うが
母はただ前だけ見て歩く
背格好で判る
歩き方で判る
ずっと見てきたから判る
今は年老いて
ゆっくり ゆっくり
ただ真っ直ぐ歩く
87歳だというのに
杖も使わずにしっかり歩く
見送りに出てきただけなのに
なぜだか動けなくなる
心の中で振り返ってと願うが
母はただ前だけ見て歩く
カーネーションの花を咲いた
去年の母の日に贈った
赤いカーネーションの鉢植えに
一年間、母が世話をしてきた鉢だ
花が枯れた後も
水をあげ
肥料をあげ
冬を越し四月の末頃に蕾をつけた
だんだんと続いが多くなり
膨らんだ蕾は先に赤い花びらが見えている
母と「今年も咲くね」と話していた
去年、鉢を贈った時はとても喜んで
思い切りの笑顔を見せてくれた
何度も「ありがとう」と言ってくれた
あの笑顔を思い出す
五月になって
ひとつ、ふたつ、と咲き出した
中頃にはたくさんの赤いカーネーションが
実家は玄関を飾ってくれた
私も毎日実家に行くのが楽しみだった
母は、2、3本切って部屋の飾っていた
来年も咲くだろうか
たぶん母はまた一年世話をするだろう
来年は母も89歳
また元気で赤いカーネーションを見たい
そう願っている
終』
毎年の事ですが
「しずく」と言う詩のサークルのしめきりがやってきた。現代詩とエッセイだ。
忙しくてなかなか作品が出来ないけど、取り合えず頑張っています‼️