成名在望の MV が公開されてから、これを訳しておこうかなぁ…とぼんやり思っておりました。
MVでは主人公がレコード会社に一人でデモテープを持ってきて、受付嬢が捨てたテープを五月天が拾う、というシチュエーションでしたけど。実際の彼らは確か瑪莎と阿信でデモテープ持ってレコード会社回ったんだよなぁ………。
どこに書いてあったんだっけ？←

てことで、探してほんの一部ですが抜粋で訳してみました。

以下。
2005年発行の五月天のスコア本より抜粋。瑪莎の文章です。

不要光坐在原地等待機會
待っているだけじゃチャンスはやってこない

1998 的那年，我們有了幾次不錯的演出，我們還用心地把我們挺得意的 Demo 請怪獸帶去給他的朋友燒成了兩張CD，設計師阿信還把它包裝得漂漂亮亮，看起來好像是一個很有想法的樂團一樣。我們一樣在怪獸的房間練團，雖然半夜的時候還是常常接到鄰居的抗議電話。我們一樣要到各自的學校上課，雖然常常是熬夜練團聊音樂直到各自的上課時間，然後我們就回到各自學校的座位上乖乖坐下並試著盡量不要打瞌睡。

1998 年のあの年、僕らは何度も素晴らしい演出をした。そして心を込め、満足のいく Demo を怪獸の友人にお願いして二枚の CD に焼いた。デザイナーの阿信がそれを更に美しく包装すると、見た目にも素晴らしいコンセプトのあるバンドのように見えた。
僕らは一緒に怪獸の部屋で練習をして、真夜中ぐらいになるとしょっちゅう隣近所からの苦情の電話をもらった。
僕らは各自学校に通わなくてはならなかったけど、しょっちゅう徹夜で練習したり、それぞれ学校に行く時間まで音楽について語り合ったりしていて、それから自分の学校の自分の席に戻り、大人しく座って睡魔に負けぬよう戦っていた。

一直到有一天我們決定不要光坐在原地等待機會。如果我們覺得音樂好玩，為什麼不讓人家知道我們玩出了什麼好玩的音樂！?

そしてある日、僕らは決めたんだ。待ってるだけじゃチャンスはやってこないって。
音楽が好きなら、どうして人に、僕らがどんなにいい音楽を演ってるのかってことをアピールしないんだ！？

所以有一天的下午我翹了課，開車從新莊的輔大到大直的實踐去載還在上課準備點完名後就要翹課的阿信。等阿信翹了課後，我們就開著我那台隨時可能解體的小白車準備前進唱片公司。

だから、ある日の午後、僕は授業をサボり、車を運転して新莊の輔仁大学（瑪莎の通っていた大学）から大直の實踐大学（阿信の通っていた大学）に行った。授業の出欠がとられるのを待って授業をサボるつもりの阿信を拾うためだ。
阿信が授業を抜け出した後僕らは、今にも解体してしまいそうな僕の白い小型の自動車で、レコード会社に向かった。

第一間拜訪的就是滾石唱片，那時候我們循著錄音帶背面所寫的地址找到了光復南路（後來才知道那是滾石的總公司，而發行唱片的部門其實是在南港）。我跟阿信兩個人戰戰兢兢地坐了電梯到了滾石的門口，在門口的小姐很可愛地微笑著跟我們問：請問有什麼事嗎？！

最初に訪問したのは滾石唱片（ロックレコード）だった。その時僕らは辺りをぐるぐる回ってカセットテープの裏に書いてあった住所を光復南路に見つけた。（後になって、そこは滾石の本社で、レコードを作っている部門は南港にあったのだと知った）僕と阿信はおそるおそるエレベーターに乗って滾石の受付に辿り着いた。受付のお姉さんは、可愛い微笑みを浮かべて僕らに尋ねた。
「なにか御用でしょうか？」

千萬要聽過再丟掉
絶対に聴いてから捨ててください

我們很不好意思地拿出了我們的 Demo 帶，並說明我們的來意，而且還跟她說如果要丟的話請千萬要聽過再丟掉。因為印象中唱片公司好像總會有個部門是專門整天都是在聽 Demo 帶或是壓根沒聽過就把它丟到垃圾桶去的部門，所以我們當然不願意自己辛苦的結晶被別人冷漠地對待。最後還跟它叮嚀盒子的背面印有我們團員的 B.B Call、E-mail 以及家裡電話（是的，那個年代有手機的學生實在是寥寥可數，B.B Call就已經等於是現在的手提電腦般高級了），如果聽了後有任何建議的話，請一定跟我們連絡唷！

僕らはとてもきまり悪く自分たちの Demo テープを差し出した。そして自分達の来意を告げ、さらに彼女に、もし捨てるのなら、一度聴いてからにしてくれと頼んだ。
何故かといえば、レコード会社というものは、一日中 Demo テープを聴いている部署があって、放っぽったまま聞かずにゴミ箱に捨ててしまうところもあると思っていたからだ。
だから当然、僕らは自分達の努力の結晶を他人に冷たくあしらわれたくないと考えた。
最後に、僕らはもう一度、ケースの裏に僕らのメンバーのポケベルと、E-mail それに家の電話番号（そう、この年代は携帯を持てる学生なんてほんの一握りだった。ポケベルだって今のノートパソコンくらい高級だったんだ）が書いてあるからと彼女に念を押した。もし聴いて何かアドバイスがあったら、どうか絶対に僕らに連絡をしてくれ！と。

後來我們鞠個躬，說了聲拜拜，就繼續往下一間唱片公司前進。幾年過去的後來我們當然也認識了那個我們接觸到滾石的第一個人，她叫 Ruby，後來她有一陣子也成了我們的宣傳。當初應該感謝她沒有聽了後就直接把它給丟了，而是把它交給了那時候正在樓上辦公的李宗盛大哥。我跟阿信後來也才知道那天到滾石送 Demo帶給她的時候她是站著跟我們講話的，雖然我們一直都以為她那天是坐著的。

そのあと、僕らはお辞儀をし、バイバイと言って、次のレコード会社へと向かった。
何年か過ぎてから、当然、僕らはその滾石で初めて接触をしたその人と知り合う事になった。彼女は Rubyといってその後しばらく僕らの広報をやってくれた。
まずは彼女が、テープを聴いてすぐに捨ててしまわなかったことに感謝しなくちゃならないな。それどころか、その時上のオフィスにいた李宗盛さんに渡してくれたんだ。
僕と阿信は後になって、あの日、滾石に行って彼女に Demo テープを渡した時に、彼女が立って僕らと話していことを知った。僕らはずっと、彼女が座っていたものだと思い込んでいたんだ。

後來當然也送了一些 Demo 到別的唱片公司，有的公司收了下來，當然也有碰了一鼻子灰給了一些理由藉口叫我們改天再來的。不知道是不是唱片公司都對學生送來的 Demo 感到恐懼，可是其實他們都不知道想玩音樂的學生最緊張的事就是踏入唱片公司。

それから当然僕らは、他のレコード会社にも Demoを持ち込んだ。ある会社は受け取ってくれた。勿論、鼻先であしらわれ、適当な理由をつけて僕らを追い払うところもあった。
レコード会社が、学生が送ってくる Demo が恐いのかどうかは知らないけど、彼らも、音楽をやりたい学生にとっていちばん緊張する事がレコード会社に踏み込む事だってことは知らないんだ。

以上、『下課後っ！怪獸家點名』の瑪莎の吃到飽的音樂之旅から中の二章ほど抜粋しました。
ちなみに “最後還跟它叮嚀盒子的背面印有我們團員的～”のところの它は、たぶん她の間違いだろうと訳では勝手に直してますが、中文の方は原文ママです。ここは私が打ち間違えてる訳ではありません(¯―¯٥) （手打ちなので打ち間違いはあるかもですが）

この瑪莎の文章、個人的に好きな話は、滾石と契約して任賢齊大哥のツアーを一緒に回ってて、
花蓮の表演終わってみんな車に乗ってる時に阿信にお母さんから電話かかってきた話かな。
当時まだ、レコード会社と契約した事を親に告白出来ていなかった面々。

「もしもし、え、母さん！？いや別に何でもないよ！」
「ううん、そうじゃないよ、……士林夜市に友達とご飯食べにきてるんだ」
「そうそう、宿題半分くらいやったらお腹すいちゃってさ！」
「違うって！サボってないよ！うん！学校行ってるよ！」
「うん！わかった！うん、うん、食べ終わったら帰るよ！うん、じゃあね！」

で電話終わった後に小齊哥に「ここ士林夜市だったんだ！？」って突っ込まれたという。(笑)

当時の彼らの心境とか、環境とか、色々想像させる話ですね。

何だかとても長いエントリーになってしまいましたが、そろそろこのあたりで。

デモテープのお話。