米国原子力規制委員会(NRC)は水曜、損傷が以前考えられていたよりさらに悪化していることをほのめかした。損傷した日本の原子炉核燃料の一部はおそらくスチール製の圧力容器から出て格納容器の底部へと漏れていたと語った。


福島第一原発の事業主である東電が可能な爆発を妨ぐために第1基の原子炉格納容器に窒素を注入し始めた際にNRCの声明が出た。NRCの声明は2号機に関するもので、その解釈が憶測に過ぎず、東電が2号機の主たる格納容器(ドライウェル)の低い位置で測定したとされる高い放射線量データに基づいていると強調している。声明によればNRCは「格納容器が崩壊しているとは考えられず、全ての核燃料は原子炉内にとどまっていると考えられる」という。


NRCの声明が発表される前に、マサチューセッツ州民主党員であるエドワード・J・マーキー下院議員は水曜日の朝、下院の公聴会においてNRCから核は原子炉格納容器から溶け出していると聞いたとした。


議員が聞いたのは彼のスタッフがNRCに出した質問を基にした情報であった。しかしNRCが火曜日に電子メールで回答した際には溶解の可能性については直接触れられておらず、「2号基の核燃料の一部は原子炉圧力容器から外に出ており、ドライウェルの低い位置にあるかもしれない」と推測されるとの回答にとどまっている。公聴会の後、NRCは多数の質問に答える中で、「ドライウェルの中におそらく原子炉圧力容器からの漏れ道がある」とした。


しかし燃料が溶解しているのか、それとも固形のままであるかは明言していない。もし溶けた燃料が圧力容器から外に出ており、相当な量がドライウェルに達した場合、燃料が外側の格納容器から外に出て、さらに大規模な放射性物質が放散される可能性が高くなる。


このタイプの原子炉を扱う会社が開発した2009年の研修マニュアルでは、溶解した核燃料が格納容器の穴から漏れ出し始め、さらに大きな穴を作るという「クリープ決裂」の可能性に言及している。この資料によれば溶解した核燃料はさらに大きな穴を開けることが出来るという。 それはドライウェルの底で過熱してスチールを通りぬけ、コンクリートと反応して一酸化炭素と水素を生成し、さらなる爆発を起こしうる。


技術者の中には、核燃料が溶けて格納容器の底にたまった場合、格納容器を溶かして外に漏れ出し、過熱して基地のコンクリートを溶かして外に出る可能性について理論化している。このような事態を起こす要素の一つはおそらく核分裂連鎖反応の再開であり、それは配列された燃料の束の間に順調に滑りこませる制御棒がないために溶解した核燃料が制御不可能になった場合に起こる。


連鎖反応の再開は福島第一で使われている燃料タイプでは困難または不可能だろう、という専門家もいる。

NRCのマーキー氏に対する回答も、公的声明も、その日のうちに事態がそれほどまで深刻に変化するとは言っていない。


NRCの広報官スコット・バーネルは、電子メールで、原子炉圧力容器からドライウェルへと核燃料が流れ出たからといって、圧力容器が溶けているとは限らないと語った。彼によれば圧力容器には制御棒が入っているため、そのうちの周りの覆いの部分が破損したのであろうとしている。


NRCは流出がいつ起こったと考えられるかを述べていない。火曜日にNRCがマーキー氏に対して送った電子メールでは、ドライウェルの放射線量が既に数分内に死亡するほど高レベルであることを示す数値を提示している。


NRCの声明によれば原子炉圧力容器が崩壊しているとは考えられないため、「2号機に新しい水を注入して核燃料を冷却し続けるためにあらゆる方法が用いられるべきである」とした。


東電の報道官であるリンダ・L・ギュンダーは木曜日の朝、「我々は2号機の原子炉容器は健全であると考えるが、サプレッション・プールへの損傷が放射線の放出源であるかもしれない」とし、NRCの分析を退けた。


しかし日本の原子力安全保安院の報道官は、NRCの声明に精通しており、核燃料が外側の格納容器の中に漏れ出ていた可能性について認めている。 日本政府もまた、増加した可能性のある水素ガスによる爆発のリスクを減らすために、1号機への窒素注射が始まっていたことを確認している。 日本政府はこの処置は予防的に行われており、爆発が差し迫っているとみなされたからではないとしている。


「ユニットの中に水素が充満しているとは考えない」、原子力安全保安院の審議官である西山英彦は水曜日に報道官に話した。これは初めての原子炉への窒素注入である。 2号機と3号機の原子炉に対しても同じ方略が取られるかもしれない。


3月11日の地震、そして原子力発電所に損傷を与えた津波のあと数日後に、いくつかの原子炉で水素爆発が起こった。その爆発によって外側の建物が損害した。 水素は、燃料棒から出るジルコニウムが蒸気に反応した際に生産されたと考えられている。


西山氏は現在の懸念は、原子炉が次第に冷却されるにつれて、格納容器の中の蒸気が少なくなると酸素が入り、それが水素と反応して爆発することであると述べた。 窒素注入により水素と酸素の量を減らすことができる。

窒素注入は3月26日付の機密査定によりNRCが推奨した手順の一つであった。 西山氏はこの「実証されかつ強化された」推奨は日本当局が既に議論していたアイディアであると述べた。