さて、今回はご老人、いや失礼、お年を召された紳士淑女のお客様について。
Case.1
その日、知人Sはいつも通りお仕事に励んでおりました。品出しご案内レジ打ち商品のご予約もろもろ、ホムセンの仕事は右へ走り左へ走り息つく暇もないくらい忙しいものです。そこへ現れた老婦人、「ちょっとおにーちゃん」とSを呼び止めます。
ここで言っておきたいのが、「おにーちゃん」「おねーちゃん」と店員を呼ぶのは、店員のテンションを下げることになるということです。だぁれがいつテメーの兄貴(姉貴)になったよバァカ!と心の中で罵倒されます。穏やかに対応してもらいたいならば、「すみません、店員さん」と声をかけてください。こちらも笑顔で振り向きます。
話が逸れましたが、Sは優しい人間です。にーちゃんと呼ばれても笑顔で振り向きます。何でしょうか?とお客様に視線を合わせます。そこで、頭のネジが数本どっかに飛んで行ってらっしゃるお婆様はこうおっしゃるわけです。
「あのー、あれあれ。あたし何を買いに来たかね?」
知るかボケ。さすがのSの笑顔も引きつります。ババアの生活スタイルなんか知ったこっちゃないんです。食器洗剤がなくなったとか柔軟剤の匂いが気にくわないから買い換えようとか、テラスにカラスがくるからカラス除けを買おうとか、そんなパーソナルすぎる情報、思考なんてアリの頭ほども知らなくたっていーんでございます。
Case.2
女性もののシャンプーというものの種類は豊富で、サラサラタイプしっとりタイプ、ダメージケアタイプ、スカルプオフタイプ、そらもうより取り見取りですので、奥さまにお買い物を頼まれたご主人さまが困ってしまうのはよくあること。そんな時は近くにいる店員に聞いていただければすぐにお答えいたします、が。
「サンプー」
と書かれた紙切れ一枚見せて、これが欲しいなんて言われた暁には、こちらも対応のしようがありません。まずサンプーって何ですか?シャンプーですらないのですか?
TSU○KIとかパン○ーンとか、メ○ットとか!商品名が!ないと!どうにも!
だから、もし奥さま、ご主人さまにお買い物を頼まれる際には、商品名をしっかりメモした紙か、今お使いのもののパッケージをそのまま持たせてあげてください。じゃないとご主人さまは見当違いのものを買って帰ってきます。
Case.3
ご老人によくあるのが、メモ紙をいきなり突きつけてきて、これ!と一言雄叫びを上げるパターンです。多分長年生きてきていらっしゃるので、言語というものを忘れてしまっておられるのだと思います。でも中には、「お忙しいところすみません、この商品を探しています」と言って両手でメモを差し出してくれる優雅で上品な老婦人さまもいらっしゃいます。見習え!
その時のお客様は、なんといいますか、言語を忘れてらっしゃる方でした。冬場でお肌が乾燥するということで、ボディーローションをお探しだというところまでなんとか解読、商品の場所までご案内。大抵のお客様は、商品の場所までご案内すると、もう店員は用済み、あとはセレクトタイムを楽しまれることが多いのですが、このお客様は違った。
客「500円くらいのー、あー」
わたし「だいたいお値段はそのくらいですよ。1000円前後するのは、こちらと、こちらと、こちらで、あとは500円前後でお買い求めいただけます」
客「あー、まって、あー」
何やらガサガサと巾着を漁って、取り出したるはくっしゃくしゃのレシート。の、裏に文字。
「ボデーローション ○○(店の名前)」
お友達が、当店でお買い物してくださったということで、えぇわかります。○○でこれ買ったよー!安かったよー!なんてよく友人とやる会話です。しかしどうやらお友達がどんなものを持っているのかは知らないご様子。困ります。わたしまだ20代ですもの、80代のお肌の悩みなんてまだ知らないし知りたくもない。どれがいいの?なんて聞かれても、個人差がありますので、どれが良いとは一概に申し上げることはできません、としか答えられない。だって勧めてダメだったらクレームじゃん。
ホムセンの店員って、捕まえにくいと思う方が多いと思います。聞きたいことがあるのに店員が見当たらない…ってこと、ありませんか?あのですね、店員は逃げます。やっば何か聞きそうやあの人!と思ったら、華麗にターンを決めて明後日の方向に早足で歩きます。特にお年を召した少しめんど…いえ、お時間がかかりそうなお尋ねをされそうなお客様からは全力で逃げます。どこの店でも、店員がなかなか見つからないのは、そういうわけです。
