地震予測サマリ-
〇今週のポイント
北海道胆振東部地震の後に大きく地殻変動した水平ベクトルに注目。「門別」、「苫小牧」、「白老」、「平取」などが大変動。

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・伊豆半島および伊豆諸島はほぼ北方向に活発な水平変動があり、要警戒。
太平洋南方にある硫黄島に10cmを超える大きな週間高さ変動あり。硫黄島は水平変動も極めて大きく、火山活動の影響あり。
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〇概況
定時に最終解データが届かなかったので速報解データで週間高さ変動および水平変動の解析を実施。 隆起・沈降図は先週のものを使用。
・2018年9月6日に起きた北海道胆振東部地震(M6.7 最大震度7)の余震が続発。引き続き注意が必要。
・今回4cm超の週間高さ変動があった点は8点。ある場所に集中して起きる一斉異常変動はなし。
・隆起・沈降は全国的に隆起傾向。ただし南西諸島は沈降。
・水平変動は東北地方、北信越地方、南関東周辺、四国西部、熊本県、南西諸島が活発。 

〇要警戒
(震度5以上の地震が発生する可能性が非常に高い) 

北海道釧路・根室・えりも周辺
東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
南関東周辺
北信越地方・岐阜県
南海・東南海地方
九州南部

〇要注意
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い) 

北海道道南・青森県
九州北部

〇要注視
(震度5以上の地震が発生する可能性がある) 

北海道北部
鳥取県・島根県周辺
南西諸島


【目次】
1.お詫びとお知らせ
2.地震予測
3.読者とのQ&A
4.皆様の街の電子基準点


1.お詫びとお知らせ
1.先週号における水平変動の方向の間違いに関する訂正とお詫び
 先週号の九州北部の説明文で、「福岡県および長崎県はほぼ西北西の水平変動が多数点出ています」 とありましたが、正しくは東北東でした。
訂正し、お詫び申し上げます。 誠に申し訳ございませんでした。 

2.レベルアップ・ダウンの掲載について
 地震予測サマリ-に毎号掲載しておりました 「警戒レベルアップ地域」「警戒レベルダウン地域」をアップ・ダウンがあった時のみ 掲載するように変更させていただきます。


2.地震予測
北海道・青森県
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要注視:北海道北部
(9月ごろまで注視) 

「中川」はまだ隆起していて、「中川」と「稚内2」の高さの差は5.4cmとかなり大きいです。 今後の変動を監視します。 

要警戒:北海道釧路・根室・えりも周辺
(11月ごろまで警戒) 

十勝地方南部で小地震が起きています。
根室・釧路地方の沈降は依然として大きいです。 「根室3」と「阿寒2」の高さの差は12.6cm、「根室3」と「えりも1」の差は5.9cmと依然大きい値です。 
えりものPv観測点に異常が現れています。 

要注意:北海道道南・青森県
(9月ごろまで注意) 

9月12、14、17日に胆振地方中東部を震源とする震度4の地震が発生しました
9月6日に起きた北海道胆振東部地震の余震が頻発しています。
水平変動を表わす矢印を見ると、門別は南南東方向に大きく変動し、白老および苫小牧は東北東方向と門別の動きに対し ほぼ直角方向の異なる方向に大きく変動していたことが分かります。道南および青森県はほぼ東北東方向に水平変動をしていました。 
むつのPv観測点に異常が現れています。


東北地方・北関東
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要警戒:東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
(10月ごろまで警戒) 

福島県沖、茨城県北部、宮城県沖、茨城県沖で震度3の地震が起きました。
東北地方は東方向の水平変動が活発です。水平変動が途切れる岩手県および茨城県北部はひずみが貯まっています。
約ひと月前から3週間程、水平変動が以前と異なる動きをしておりました。 ひずみが貯まっております。
気仙沼のPv観測点に異常が現れています。


南関東・北信越地方・中部地方
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要警戒:南関東周辺
(11月ごろまで警戒) 

9月18日に茨城県南部を震源とする地震(M4.3、震度4)が発生しました。
4cm超の週間高さ変動は太平洋にある「硫黄島1」で10.1cm、「硫黄島2」で5.9cmです。 水平ベクトルも大きく出ています。火山活動の影響と考えられます。
駿河湾沿い、伊豆半島および伊豆諸島にほぼ北方向の水平変動が見られます。ひずみが貯まっています。
最近このエリアに異常変動が繰り返し現われていますので危険な状態と言えます。 

要警戒:北信越地方・岐阜県
(9月ごろまで警戒) 

長野県中部、栃木県北部で小地震が起きています。
4cm超の週間高さ変動は福島県との県境にある新潟県の「湯之谷」で4.1cm、岐阜県の「板取」で5.1cmが出ています。 
新潟県、富山県、石川県および福井県に東方向の水平変動が広く出ています。 矢印が途切れる境界周辺は沈降をしていてひずみが貯まっています


近畿地方・中国地方・四国
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要警戒:南海・東南海地方
(10月ごろまで警戒) 

大阪府北部で小地震が起きています。2018年6月18日に起きた大阪府北部地震(M6.1、震度6弱)の余震です。
4cm超の週間高さ変動は三重県の「大台」、高知県の「中村」で出ています。
愛媛県および高知県の四国西部に4点まとまってほぼ北方向の水平変動がみられます。不安定です。
徳島県は過去6か月間に5cm以上の週間高さ変動が多数ありました。ひずみが貯まっています。 

要注視:鳥取県・島根県周辺
(10月ごろまで注視) 

島根県および広島県北部に東方向の水平変動が現れています。 
隆起と沈降がまだら模様ですので不安定です。監視を続けます。


九州
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要注意:九州北部
(10月ごろまで注意) 

福岡県は沈降しています。
熊本地震で甚大な被害が出たエリアの周辺で水平変動が出ています。熊本地震の影響はまだ続いています。 

要警戒:九州南部
(9月ごろまで警戒) 

4cm超の週間高さ変動が宮崎県の「西都」で出ました。
鹿児島県の屋久島にやや乱れた水平変動が見られます。口永良部島の火山の影響も考えられます。
宮崎県南部は沈降しています。


南西諸島
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要注視:南西諸島
(10月ごろまで注視) 

沖縄本島近海、トカラ列島近海で小地震が起きています。
4cm超の週間高さ変動は、奄美大島の東にある喜界島の「喜界2」でありました。 南西諸島は広く沈降が見られます。
西表島の水平変動がやや大きいです。監視を続けます。