◆ イラン核合意からの離脱で孤立するアメリカ
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≪ 2018/05/14  VOL462 ≫


先週8日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が「イラン核合意からの離脱」
を発表、それに伴い「対イラン制裁」を復活させる大統領令に署名した。この
発表が「石油ドル体制」を守るためであったことは間違いない。しかし、それは
結局アメリカの立場の弱さを浮き彫りにしただけだった。

言うまでもなく、今回の離脱発表とイランの核開発…云々は何の関連性もない。
本当の理由は、イラン政府がドルからの脱却を狙い「今後は原油取引の決済通貨
をドルからユーロに切り替える」と発表したことだった。そうしてトランプが
「イラン核合意の離脱」を発表したことを受けて、ヨーロッパ各国の首脳らは
前代未聞の反米発言を連発、アメリカとの今後の協力を拒否する考えを明らか
にしている。

まず先週8日、トランプの「イラン核合意離脱」と「イラン制裁」の決定を受け
て欧州委員会委員長のジャン=クロード・ユンケルは「もはやアメリカに世界の
他の地域と協力する気はない」と断じ、「EUが世界の超大国としてアメリカに
取って代わるべきだ」との発言をしている。それと同時に、フランスのマクロン
大統領もアメリカの発表を非難し、ドイツのアンゲラ・メルケル首相においては
「アメリカとの軍事同盟から離れるべき」との考えを強調した。しかも今回は、
アメリカに忠実な同盟国イギリスですらトランプの決定に強い拒否反応を示し
ている。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-5709743/We-replace-United-States-EU-chief-attacks-America-turning-allies.html
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-05-10/merkel-says-europe-can-t-count-on-u-s-military-umbrella-anymore
https://www.theguardian.com/world/2018/may/08/iran-deal-trump-withdraw-us-latest-news-nuclear-agreement

そして、このタイミングでロシアのプーチン大統領は「世界中がドル独占状態の
危険性を認識している」と発言、米ドルから離れて自国の経済主権を強化する
必要性があるとマスコミを通じて世界に呼び掛けた。
https://www.zerohedge.com/news/2018-05-10/putin-whole-world-sees-dangerous-dollar-monopoly


【 ドル脱却の動き 】

もちろん、イラン政府も突発的に「ドルからの脱却」を表明したのではなく、
タイミングとしては「イランと中国を繋ぐ新たな鉄道ルートの開設」が大きく
関係している。ようするに、イラン政府はアメリカが「対イラン制裁」を復活
させても物流が確保できるよう環境を整えていたわけだ。
https://sputniknews.com/business/201805121064379680-china-iran-railway/

さらに今回は、アメリカに従順な日本ですら「リスクヘッジ」を念頭において
動いているように見える。
まず、先週(8日~11日)中国の李克強(り・こくきょう)首相が日本を訪れた
際には、久々に日中友好ムードが見られた。そして何より、「通貨スワップ協定
の再開」や「インフラ開発の協力」など、金融経済協力強化の合意は日本の外交
スタンスの大きな方向修正を意味している。この円と元の通貨スワップが再開
されれば、結果的に日本の米ドル離れが加速するのは間違いない。
http://www.xinhuanet.com/english/2018-05/11/c_137172732.htm
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180511/k10011435111000.html

そうした同盟国の動きを察知してか、米トランプ政権のマヌーチン財務長官は
「アメリカがイラン核合意の離脱を発表したのは、単に条約の条件見直しを
交渉するためだった」と言い出している。ようは、この期に及んで「ちょっと
待って、本気で言ったんじゃないよ!」と世界に言い訳してるようなものだ。
https://www.zerohedge.com/news/2018-05-08/mnuchin-reveals-trumps-iran-deal-gamble-objective-enter-new-agreement


結局、アメリカの「イラン核合意の離脱」を支持している国はハザールマフィア
の奴隷国家イスラエルとサウジアラビアだけ。トランプがこの無謀な発表を
してしまったのは、間違いなくハザールマフィアに弱みを握られているからだ。
しかも、トランプが「イラン核合意の離脱」を発表したのと同時にイスラエルは
偽旗作戦を実施、自作自演の攻撃を敵国のせいにして、イラン軍を標的にシリア
に対する大規模攻撃を開始した。これは、アドルフ・ヒトラーが第二次世界大戦
の開戦時に使った手口と全く同じだ。

しかし今、イスラエルのネタニヤフ政権は国際社会で孤立している。その証拠に、
イスラエルの攻撃に対して支持を表明したのはバーレーンというペルシア湾に
浮かぶ小さな島国だけだった。
https://www.veteranstoday.com/2018/05/11/u-s-withdraws-from-iran-nuclear-deal-israel-conducts-massive-strike-on-syria/
勿論、イスラエルがミサイルを飛ばしたところで世紀末戦争(第三次世界大戦)
は起きないし、アメリカ軍も相変わらずイスラエルに加勢するつもりはない。

イスラエル諜報機関モサド筋によると、今回のイラン軍攻撃にはネタニヤフの
「自分に対する汚職捜査から国民の目を逸らしたい」という意図が多分に含ま
れているようだ。しかしイスラエル国内全体が、既にその彼の思惑に感づいて
いるという。


【 マレーシアの政変 】

さらに先週9日、マレーシア総選挙でマハティール元首相が再選を果たした
ことにより、今後ネタニヤフを含むハザールマフィアらは致命的な打撃を受け
ることになりそうだ。

まず、マハティール新首相はナジブ・ラザク前首相による政府系ファンド「ワン・
マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の不正資金流用疑惑を追及する、と
選挙後早々に明言している。
これはマレーシアの政府系ファンド「1MDB」を出どころとする巨額資金が
ナジブ個人の銀行口座に流れていたことが明るみとなった事件で、以前から
アメリカを含む多くの政府当局が捜査を進めていた。その結果、その事件の背景
には「サウジアラビア王族」や「ゴールドマン・サックス」、「エドモンド・ド・
ロスチャイルド銀行」「JPモルガン・チェース」、…等々、かなりの大物や大手
金融機関が絡んでいたことが既に分かっている。

この汚職事件により、マレーシア国内の基金から莫大な資金が盗まれた。
マハティールは、既にナジブに対する出国禁止命令を出し、これから警察内で
機密扱いとなっていた1MDB関連の報告書の調査を始めるとしている。
https://www.wsj.com/articles/in-defeat-defiance-malaysias-najib-has-reason-to-fear-losing-office-1525943311?mod=article_inline
http://www.scmp.com/topics/malaysia-1mdb-scandal
また、アジア駐在のCIA筋は「1MDBを巡る汚職」や「消息不明のマレーシア
航空370便」などの事件と「イスラエル」の繋がりも今後マハティールの下で
解明されていくと伝えている。

ちなみに、マハティールは「反ユダヤ主義」と評される人物である。彼の発言を
みると、まだ「ハザールマフィア」と「ユダヤ人」の違いをよく分かっていない
ようだが、それらの事件を調査していくうちに段々と理解するようになるだ
ろう。いずれにせよ、これまでは罪を犯しても決して罰せられることの無かった
ハザールマフィアらが、これでようやく法の裁きを受けることになりそうだ。
https://www.timesofisrael.com/malaysias-new-92-year-old-prime-minister-is-a-proud-anti-semite/


最後に、先週の気なるニュースとして「スペースX」と「テスラ」のCEOで
あるイーロン・マスクに関する話題を紹介したい。
先週11日、イーロン・マスクがカリフォルニア州ロサンゼルスで掘削を進めて
いる超高速交通システムの実験用地下トンネルについてツイッターに書き込み、
画像や映像を公開した。
https://www.nbcnews.com/video/elon-musk-reveals-underground-tunnel-to-remedy-los-angeles-traffic-1231002179960

イーロン・マスクは「数か月以内に一般試乗する機会を設ける」と約束している
のだが、それが軍産複合体の機密事項として封印されてきた「時速3000キロに
達する地下高速鉄道網」の技術の公開である可能性は高い(その技術は、基本的
にトンネル内をほぼ真空状態にして空気抵抗を無くすことによって達成される
と言われている)。

このように古い体制が衰退していく一方で、新たな体制が世界に誕生しようと
している。