地震予測サマリ- 
〇警戒レベルアップ地域
北海道中央部は釧路・根室・えりも周辺に統合(レベル1→3)
北海道道南・青森県(レベル1→2)
琵琶湖周辺(レベル1、新規)
〇警戒レベルダウン地域
なし

地震予測サマリー
〇概況
・週間変動(H)で4cm超の異常が見られた点は先週に続いて多数点の55点 。その内5cm超の点は8点。 今回まとまって異常変動(H)が見られた地域は北海道のえりも周辺と中央部(15点)、北海道の道南および青森県(7点)、 伊豆半島および伊豆諸島(10点)、滋賀県の琵琶湖周辺(4点)
・X,Y,Zの4cm超の週間異常変動を示した点はなし。
・隆起・沈降は、R3データでは全国的に隆起。

〇レベル5
(震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある)

南関東周辺

〇レベル4
(震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高い)

九州
東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
南海・東南海地方
鳥取県・島根県周辺
北信越地方・岐阜県

〇レベル3
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い)

釧路・根室・えりも・中央部周辺
南西諸島

〇レベル2
(震度5以上の地震が発生する可能性がある)

山口県・福岡県・大分県・愛媛県の周防灘、伊予灘、豊後水道に面する地域
北海道道南・青森県

〇レベル1
(何らかの異常変動があり、今後の推移を監視する)

琵琶湖周辺

※X,Y,Z,Hの解説はこちら
http://www.jesea.co.jp/xyzh/

・JESEAは、国土交通省国土地理院の電子基準点データを解析し、 1週間の短期的な高さの変動を表す「週間変動図(H)」と約2~3年間にわたる長期の異常変動の傾向を示す 「隆起沈降図(H)」を毎週掲載し、同じく約2~3年間にわたる長期の傾向を示す 「東西変動図」、「北南変動図」、「水平変動図」の3種類を週替わりで1つずつ掲載しています。
そして垂直方向と水平方向の4週前との変動を矢線と色で表した「水平ベクトル図」も毎週掲載し 多角的に地殻の変動を示します。
・短期的な変動である「週間変動図(H)」と「水平ベクトル図」は毎週変動しますが、 そのほかの図は長期の傾向なので、1週間では変化は少ないですが3週間くらい経つと異常変動が変化していくのが分かります。


 

【目次】
1.お知らせ
2.地震予測
3.地震情報一口メモ
4.皆様の街の電子基準点


 

1.お知らせ
1.今回の最終解(F3データ)について
 以下の理由により、今回、国土地理院より公開される最終解(F3データ)は更新されませんでした。
そのため、東西変動図と隆起沈降図(H)は前回と同じ7月31日~8月6日のデータを使用しております。
ご了承ください。
なお、速報解(R3データ)は更新されたデータを使用しております。

(以下は国土地理院HPより)
「解析に必要なデータのひとつである、国際GNSS事業(International GNSS Service:IGS)が作成している 暦が提供されていないため、解析が実施できておりません。提供され次第、解析を実施いたします。」

2.ユーザー大会の実施について
 いつも週刊MEGA地震予測をご購読いただきましてありがとうございます。
昨年に続き、「週刊MEGA地震予測」のユーザー大会を開催いたします。 村井俊治東京大学名誉教授の講演やゲストの方々のお話等盛りだくさんです。 是非下記URLからお申し込みください。
日時:9月25日(日) 14:00~16:30(受付13:30)
場所:日本科学未来館 未来館ホール
詳細・応募は以下のURLよりお願いします。
http://www.jesea.co.jp/user大会2016/

よろしくお願いいたします。


 

2.地震予測
 
レベル5:南関東周辺
 8月26日に鳥島近海で震度は2ですがM6.1の地震が起きました。 また、茨城県南部、新島・神津島近海でも震度3の地震が起きています。
今回4cm超の異常変動(H)が見られた点は、東京都の御蔵島で5.5cm、神津島1Aで4.9cm、三宅3で4.3cm、三宅2で4.0cm、 新島で4.3cm、千葉県の富津で4.2cm、静岡県の賀茂で4.1cm、伊東八幡野で5.2cm、南伊豆2で4.3cm、下田で4.1cmでした。 全体的に隆起傾向の中で式根島、利島、神津島および駿河湾沿いは沈降しています。 伊豆半島および伊豆諸島にひずみが貯まっています。
隆起沈降図を見ますと駿河湾沿いの地域が沈降しています。
東西変動図を見ますと房総半島南部、大島、八丈島は西変位に対し他の地域は東変位をしています。 境目にひずみが貯まっています。
水平ベクトル図を見ますと、千葉県、神奈川県および伊豆半島は南西変位に対し伊豆諸島は西変位をしています。 また、富士山が西北西、静岡県の島田が南南東に大きな変位をしています。
ひずみが貯まっていますので要注意です。
異常が激しいですのでレベル5を続けます。
(参照 図1、図2、図3、図4)

レベル4:九州
 依然として熊本地方には余震が続いています。
今回4cm超の異常変動(H)は見られませんでした。
隆起沈降図を見ますと大分県東部以外沈降しています。山口県西部も沈降しています。
水平ベクトル図を見ますと九州はまだ不安定な動きをしています。
東西変動図を見ますと熊本県東部、大分県南部および宮崎県北部は大きく西変位に対し他の地域は東変位。 色の境目に注意が必要です。
九州は熊本地震による余震や新たなひずみの発生などのため、しばらく期限を設けません。
(参照 図2、図3、図4)

レベル4:東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
 この地域は地震常襲地帯になっています。 今回秋田県の象潟で4.2cm、八森で4.1cmの週間異常変動(H)がありました。
隆起沈降図を見ますと東北・北関東の太平洋岸が隆起しているのに対し、秋田県および山形県を中心とする奥羽山脈は沈降しています。 隆起・沈降の境目および隆起エリアおよび沈降エリアが急減する地域はひずみが貯まっていますので要注意です。
水平ベクトル図を見ますと、岩手県、宮城県、秋田県、山形県および福島県は大きく南東方向に変位をしております。
9月までレベル4とします。
(参照 図1、図2、図4)

レベル4:南海・東南海地方
 今回高知県の窪川で4.3cm、愛媛県の津島で4.0cmの週間異常変動(H)がありました。
隆起沈降図を見ますと、高知県の足摺岬、室戸岬、徳島県南部、和歌山県の潮岬が沈降しています。 愛媛県を中心に四国西部は隆起しています。
水平ベクトル図を見ますと異なる方向の変位が混在していて不安定です。
東西変動図を見ますと高知県の足摺岬および室戸岬は西変位に対し、他の地域は東変位をしています。 室戸岬は特に大きく西変位をしています。色の境目はひずみが貯まっていますので要注意です。
10月ごろまでレベル4とします。
(参照 図1、図2、図3、図4)

レベル4:鳥取県・島根県周辺
 鳥取県中部で複数回、小さな地震が起きています。
今回4cm超の週間異常変動(H)はありませんでした。
隆起沈降図を見ますと鳥取県、島根県周辺は広く沈降しています。
水平ベクトル図を見ますとこの地域はほぼ南東変位をしています。
10月ごろまでレベル4とします。
(参照 図2、図4)

レベル4:北信越地方・岐阜県
 今回長野県の長野栄で4.1cm、白馬で4.1cmの週間異常変動(H)が見られました。
隆起沈降図を見ますと、隆起と沈降が混在しています。
この地域はまだ不安定ですので注意が必要です。
10月ごろまでレベル4とします。
(参照 図1、図4)

レベル3:釧路・根室・えりも・中央部周辺
 今回、釧路、根室、えりもからさらに中央部にまとまって週間異常変動(H)が17点も見られました。 5cm超の点は、えりも2で5.6cm、大樹2で5.4cm、です。 根室周辺で小さな地震が起きています。 隆起沈降図を見ますと依然として根室・釧路周辺には沈降が残っています。 東西変動図を見ますと青色から緑色に色が変わる周辺はひずみが貯まっていると考えられます。 水平ベクトル図を見ますとおおむね南西変位ですが中に西変位をしている点があります。
今回、多数点同時異常変動がありましたので、11月ごろまでレベル3とします。
(参照 図1、図2、図3、図4)

レベル3:南西諸島
 奄美大島近海、宮古島近海などで小さな地震が起きています。
隆起沈降図を見ますと奄美大島以外の沖縄県は沈降しています。
水平ベクトル図を見ますと奄美大島は南西変位、沖縄は南東変位、大東島は北西変位。
南西諸島にひずみが貯まっています。
10月ごろまでレベル3とします。
(参照 図2、図4)

レベル2:山口県・福岡県・大分県・愛媛県の周防灘、伊予灘、豊後水道に面する地域
 隆起沈降図を見ますと、福岡県および山口県の西部が沈降しているのに対し、大分県の東部、 山口県東部および愛媛県は隆起しています。 沈降と隆起の狭間はひずみが貯まっています。
水平ベクトル図を見ますと、九州側、四国側および中国地方側のベクトルはそれぞれ異なる方向に向いていて不安定です。
レベル2とし、今後の監視を継続します。
(参照 図2、図4)

レベル2:北海道道南・青森県
 今回、道南および青森に4cm超の週間異常変動(H)が多数点現れました。 道南の木古内で5.2cm、青森県側は西目屋Aで5.0cm、むつで4.5cm、弘前で4.3cm、小泊で4.1cm、風間浦で4.0cm、P浅虫で4.0cmです。
レベル2とし、今後の監視を継続します。
(参照 図1、図2、図3)

レベル1:琵琶湖周辺
 今回滋賀県の彦根で4.0cm、水口で4.4cm、野州で4.5cm、三重県の楠で5.3cmの週間異常変動(H)が琵琶湖周辺で見られました。 レベル1として監視を続けます。
(参照 図1)



 

図1.週間変動図(H) 
  計測期間:8月21日~8月27日 速報解(R3データ)使用
hensa
 
  週間変動図(H)の拡大図はこちら
http://www.jesea.co.jp/0831001/



 

図2.水平ベクトル図 
  計測期間:8月21日~8月27日 速報解(R3データ)使用
vec
 
 図の見方は、水平方向の動きを矢線で、垂直方向の動きを色で表します。 背景画像は4週前の週平均値を基点としたH(高さ、正式には楕円体高)の隆起沈降段彩図(色別の等高図)です。
その背景画像の上に4週前と比べてどの方向に水平変動したかを矢印の向きと長さ(変動の大きさ)で表しています。 短期的な動きを捉えることができます。
矢印の向きが異なるエリアはひずみが貯まっていることを意味します。

1:道南・青森:北海道の南西変位が東北地方では南または南東変位に移行しており、その狭間であるこのエリアは注意が必要。
2:東北地方:大きく南東に変位しており注意が必要。
3:南関東周辺:千葉県、神奈川県および伊豆半島は南西変位に対し伊豆諸島は西変位で注意が必要。
4:四国周辺:異なる方向の変位が混在しており注意が必要。
5:九州:まだ不安定な変位で注意が必要。
6:南西諸島:奄美大島は南西変位、沖縄は南東変位、大東島は北西変位。ひずみが貯まっているので注意が必要。
  水平ベクトル図の拡大図はこちら
http://www.jesea.co.jp/0831004/



 

図3.東西変動図 
  計測期間:7月31日~8月6日 最終解(F3データ)使用
touzai
 
 図の見方は、緑色、黄色、橙色、赤色、茶色はプラスで東方向に変動していることを表しています。 薄青色、濃青色はマイナスで西方向に変動していることを表しています。 プラスとマイナスが正反対方向に変動する境目や変動が急変している境目の場所はひずみが貯まっていて 地震の時に大きく揺れる可能性が高いです。

1:釧路・根室・えりも:青色の急減する地帯に注意が必要。
2:道南・青森:色の急変部に注意が必要。
3:中央東西帯:色が急変している帯は注意が必要。
4:南関東周辺:房総半島南部、大島、八丈島は西変位に対し他の地域は東変位。境目にひずみが貯まっており注意が必要。
5:四国:高知県の足摺岬および室戸岬は西変位に対し、他の地域は東変位。特に室戸岬は大きく西変位をしており注意が必要。
6:九州:熊本県東部、大分県南部および宮崎県北部は大きく西変位に対し他の地域は東変位。色の境目に注意が必要。
  東西変動図の拡大図はこちら
http://www.jesea.co.jp/0831003/



 

図4.隆起沈降図(H) 
  計測期間:7月31日~8月6日 最終解(F3データ)使用
ryuuki
 
 2014年1月を基点としたH(高さ、正式には楕円体高)の隆起沈降段彩図(色別の等高図)です。
黄緑・黄色・赤・茶色は数値がプラス(隆起)、青色系統の色はマイナス(沈降)を意味します。 濃い色ほど値が大きいです。地域ごとにどのような傾向があるかを見てください。

1:根室・釧路周辺:沈降があり注意が必要。
2:東北:隆起と沈降の境目および色の末端部に注意が必要。
3:南関東:駿河湾沿いが大きく沈降。また三宅島は隆起に対し八丈島は沈降しており注意が必要。
4:北信越・岐阜:隆起と沈降が混在しており注意が必要。
5:四国:徳島県が沈降、四国西部は隆起しており注意が必要。
6:鳥取・島根:沈降が広く分布しており注意が必要。
7:九州:大分県東部以外沈降。また山口県西部も沈降しており注意が必要。
8:南西諸島:沖縄は沈降しており注意が必要。
  隆起沈降図(H)の拡大図はこちら
http://www.jesea.co.jp/0831002/


 

3.地震情報一口メモ
 
  [No.180:東日本大震災から5年No.11~帰宅難民]
  東日本大震災では、首都圏で515万人が帰宅困難となり渋滞の一因になりました。 首都直下地震では800万人の帰宅難民が出ると想定されています
 食料5300万食、毛布34万枚、粉ミルク20トン、子供用おむつ346万枚、大人用おむつ71万枚、 携帯・簡易トイレ3150万回分を国が調達する計画です。 帰宅困難者は自治体や民間の一時滞在施設へ行くことになりますが、行き場のない人は92万人と推計され、 約3割の約25万5000人分のみしか滞在施設は確保できていません。 勤務先の社屋や通学先の校舎などに難を逃れる人が多いでしょうが、70万人弱の多くの方が途方に暮れる羽目になると予想されます
 人命を救助できる限界の72時間(3日間)は緊急車両を優先するために帰宅を諦め、道を塞がないことが大切です。 企業へのアンケートで一時滞在施設として協力を申し出た企業はわずかに6%でした。 理由は受け入れ後にケガをされた責任を恐れていると言われています。
 東日本大震災の時には帰宅困難者を快く受け入れた企業がある一方で、冷たくシャットアウトした企業も見られました。 助け合いの精神が欲しいですね。


 

4.皆様の街の電子基準点
 
kizyunten
 
今週の電子基準点:大阪府の交野

撮影者の琢磨千恵子様からコメントをいただいております。
「いつも買い物に行くスーパー近くの小学校の校庭に不思議な鉄塔があり、何かなと思っていました。 最近MEGA地震予測のメルマガを購読してようやく鉄塔の正体が電子基準点だと分かりました。 こんなに身近にあったんですね。 場所は大阪府交野市岩船小学校です。」
ありがとうございました。
電子基準点の写真募集
 電子基準点の写真を撮影し、下記メールアドレスにお送りください。 写真を送信する際には、お名前の他に電子基準点を撮影した場所や探すまでの方法や苦労話などをお書きください。
※学校などの敷地内への無断での立ち入り、撮影などは行わないでください
※車道からの撮影など、危険な行動は避けてください

contact@jesea.co.jp
お送りいただいた写真は、こちらで選ばせていただき、 「週刊MEGA地震予測」、「nexi地震予測」にお名前入りで掲載させていただきます。 採用された方には粗品を贈呈いたします。
(送付いただいた写真の使用権はJESEAに帰属いたします)

 

ご購読、ありがとうございます。 ホームページでも詳しい技術的な説明など、情報発信しております。 よろしければ、チェックしてみて下さい。よろしくお願いいたします。
http://www.jesea.co.jp
※「週刊MEGA地震予測」では、国土地理院のGNSS連続観測点データを元に導き出した地盤の変動情報と過去の地震の震源、震度、 マグニチュード、被害の程度などとの相関分析をして、地震の前兆現象として捉え地震予測を提供しています。 だいたい、震度5以上の地震を想定しております。
JESEAの地震予測は震源地やマグニチュードを予測するものではありません。揺れる地域と震度を予測します。
※データは欠測値の有無および上空視野障害や受信ノイズ等による受信障害 の程度により信頼性を評価した上で棄却する場合があります。
※地震は複雑な自然現象です。本情報はあらゆる地震をすべて予測できるものではありません。 また、予測が外れる場合もあります。

※解約について
ご加入いただいている各配信会社にて解約をお願いします。
まぐまぐ
http://help.mag2.com/000007.html
niconico
http://faq.nicovideo.jp/EokpControl?&tid=12583&event=FE0006&searchToken=1437445676140
フーミー
http://foomii.com/files/information/help.html

掲載された情報に起因するトラブル、損害等に関しては責任を負いかねます。
個人の責任においてご利用ください。