Hiroshi と 時々エステ

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ゆるーりゆらーり、男性エステティシャンの日常をお伝えします♪
たまに良いこと書いたり書かなかったり、キレイになるための知識をさりげなーく皆様にお届けします。ほんとさりげなーくね…

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先日、検事の方に呼ばれていたため、名古屋地方検察庁に行ってきた。



まさか自分がここに呼ばれるとは思ってもみなかったけど、事件から13日間。迷いや葛藤が心を支配し、まだ残る腕の痛みがあの日の壮絶さを思い出させてくれる。



正面玄関には警備員が立っており、まずは金属探知のゲートをくぐり、手荷物検査を受けたあとバッジを渡され3階へと向かう。物音しない静かなところに待合室があり、青いベンチに目を閉じて座る。暫くすると秘書官の女性が現れ、検事のいる部屋へと連れていかれた。

中に入るとそこには担当の検事がおり、「本日は天気が悪い中、わざわざお越し下さりありがとうございます」と丁寧な口調で名刺を渡され着席する。とても真面目で優しそうな人だ。

事件のあった日の状況についてお聞きしますと言われ、記憶を辿りながら話していく。既に状況証拠となる映像は確認しているということで、足りない部分を捕捉していく。内容的には警察署で聴かれたことと変わらないが、「犯人がこの人に殺される!と叫んでいたため、私が周りの人だかりに助けを求めても、誰も手助けしてくれる人はいませんでした。どちらが犯人なのか分かりにくかったんだと思います。」ということを付け加えた。

そして、検事がメモしたものを清書する形で、秘書官がパソコンに打ち込んでいく。秘書官も被疑者と被害者の話を客観的に聞くことになるが、普通の人では務まるような仕事ではないなと感じた。

出来上がった調書を検事が読み上げていき、間違いがないかを確認していく。調書全てに目を通し判子を押すと、「お疲れさまでした」と、調書作成が終了したことを知らされた。
そして最後に、「何かお困りのことがあれば、こちらにご連絡下さい」と言われ、今日は本当にありがとうございましたと一礼して部屋をあとにする。エレベーターまで秘書官が見送って下さり一階へと降りる。警備員さんにバッジを渡し、来た道を戻った。

これから起訴になって刑事裁判になるのだろうか。

罰金刑や執行猶予が付かないということは知っているため、このままいけば犯人は最低でも6年以上の懲役刑となるのだろう。
相手の家族、犯人、そして自分自身の生活は"あの日"から一変して、いつまでも消えることの無い記憶となってしまった。残されたわずかな勾留期間に、相手側の弁護士から示談の話があるだろう。

最善の選択肢はなにか?示談をすると犯人はどうなるのか?

正直わからない。

厳しい処罰を望む自分と、本当にそれを望んでいるのか?という自分が存在する。どちらにせよ裁くのは自分ではない。
ただやはり、罪を犯すことに対しての代償は払うべきだし、したことに対して悔いるべきだとも思う。誰しもが時に間違いを起こすことはあるが、それが今回は許される行為ではなかったというだけだ。

きっと犯人は、こんなことになるだろうとは思ってもみなかっただろう。

今までたくさんの万引き犯を捕まえてきたけれど、窃盗という行為は繰り返し行われるのが現状で支払うお金があるのにもかかわらずやってしまう人が多い。
罪の意識は極端に低く、いざ捕まると、「払えば良いんでしょ?」と簡単に許してもらえると思っている。警察を呼ぶと言うと嘘泣きをし、無意味だと分かると次第に暴言を吐き始める者もいる。そんな人ばかり見ていると、万引きという行為が如何に愚かで、許す気さえ無くなるのもわかるだろう。

それでも、今回のように相手がどれだけ悪事を働いたとしても、罪を償い、早く更正してほしいと願う気持ちも少なからずある。客観的に観れば、こんな目にあって相手のことを気にするのはおかしな話だとは分かってはいるが。。。

"あの日"起きた光景を犯人の家族が見ることはできないし、自分と犯人の中で生き続け消えることはないだろう。それが重い枷となって、一生心を縛り続けるかもしれない。

まだ腕の痛みは消えないが、自分自身の気持ちに折り合いをつけ、これからもさまざまな人間模様に触れながら人生を歩んでいこうと思う。



追記
これを書き終えた時には示談が成立しました。