国会議員に100円の旧文通費 使い道公開、使用返還が先送りに「国民への背信行為」

 国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の見直しを巡り、自民党の高木毅国対委員長は14日、使途公開や未使用分の返還についての法改正に関し、今国会は先送りすると明らかにした。野党は自民党が法改正に消極的だったとし、「国民に対する背信行為だ」(立憲民主党の泉健太代表)と批判した。(井上峻輔)

 昨年の臨時国会でも法改正は先送りされた。そのため、与野党6党は今国会で文通費のあり方を巡る協議会を立ち上げ、「日割り支給への変更」「使途の限定」「使途公開」「未使用分の返還」の4つの論点について議論を開始。「今国会中に結論を得る」と合意した。

 しかし、実現したのは文通費を月ごとでなく、日割りで支給する法改正だけ。国会会期末が近づいてきたことも踏まえ、与野党は協議を国対委員長レベルに格上げして結論を得ようとしたが、自民党が会談に応じなかった。

 高木氏は国会内で記者団に「結論を得ることができなかった」と語り、参院選後に協議を再開する方針を示した。物価高騰で国民生活が苦しくなる中、国会議員は使わなくても返還する必要がなく、使途を公開しなくてよい部分は手つかずのままとなった。

◆自民に加え野党の一部も及び腰 良識はどこへ

 国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の公開を巡り、与野党は半年間も議論したにもかかわらず合意できなかった。党内に消極的な声が根強い自民党に加え、野党の一部も及び腰だったからだ。国民の税金をどのように使っているのかを公開しない国会議員の良識が問われている。

 与野党6党は4月に日割り支給の改正法を成立させたが、その後の使途限定や使途公開を巡る議論は難航。選挙活動への使用を認めない点は一致したものの、具体的にどんな支出を認めるかの議論はまとまらず、政党・政治団体への寄付を認めるかどうかさえ意見が分かれるありさまだった。

 自民党は、野党が求めた国対委員長会談にさえ応じなかった。いずれも国対委員長で立憲民主党の馬淵澄夫氏は「全く承知できない」と反発。日本維新の会の遠藤敬氏も「自民党にやる気がなかったんだろう」と批判した。

 使徒の限定や公開は先送りされたが、4月の法改正で文通費の名称変更に加え、目的を「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため」から「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行うため」に変えることについては、与野党はすんなり合意した。名称が変更されたことで、使途の範囲が事実上拡大されたと指摘されたことを踏まえ、与野党の議員は「これからの議論で使途を制限する」と強調していたが、実現しなかった。

 名称・目的の改正に反対した共産党の穀田恵二国対委員長は「名称や目的の変更を先行させるのは議論が逆さまだと言っていたら、案の定そうなった」と批判した。(井上峻輔)

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