最短・早期卒業は凄いことなのか?(3) | 『鈴太のノート』慶應通信を卒業した日記(経済学部編)

『鈴太のノート』慶應通信を卒業した日記(経済学部編)

慶應通信経済学部 68期秋組
2014年10月学士入学 2017年3月卒業(在籍期間2年半)

前置きが長くなりましたがいよいよ本題です。


「最短・早期卒業は凄いことなのか?」


「最短・早期卒業」については

様々な意見、考え方があると思います。


私個人的な考えとしましては


「最短・早期卒業が凄いかどうかは一概に言えない」


です。


理由は以下の3点。


1.慶應通信に求めるもの、優先順位の基準が人それぞれ

2.在籍年数と総学習量に相関は無い

3.在籍年数は能力や努力よりも

  環境や運によって大きく影響を受ける


まず、1点目の

「慶應通信に求めるもの、優先順位の基準が人それぞれ」。


これはつまり、そもそも全員が

「最短・早期卒業を目指してはいない」

ということです。


比較的お若い社会人の方の場合、

就職や転職、あるいは資格試験の受験資格の為等、

早期の卒業を目指されている方もいらっしゃいます。


学ぶ内容ももちろん大事ですが、

就職や転職、資格試験の為、

とにかく早期に学士資格が必要となった場合、

「もう一度学ぶ喜びを」

などとは言っていられないのです。←


その一方で、学士資格取得は二の次で、

あくまで「現役学生にこだわる方」もいらっしゃるのです


全力で単位修得を目指せば

早期に卒業できる環境、実力を持ちながらも、

「試験は毎回1科目ずつしか受験しない」

「今回は満足のいく勉強ができなかったから受験しない」

と、学生であること自体を楽しまれている方です。


慶友会の年配の方にいらっしゃるのですが、

実際にお会いして話をしてみますと

本当に勉強をされていて、博学の方たちばかりなのです。


おそらくは修得単位数よりも、

自らの知識が増えていくことに

学ぶことの楽しみや充実感を得られているのでしょう。


そのような方たちが5年、10年在籍されている、

ということを聞きますと、

「在籍年数が長いから凄くない」という印象は一切なく、

やはり「凄い」という印象を受けるのです。



次に2点目。

「在籍年数と総学習量に相関は無い」。


仮に卒業までに要する総学習量を固定とした場合、

最短在籍年数での卒業でも、

最長12年での卒業でも、

在籍中に学んだ学習量は等しくなります。


確かに最短・早期での卒業の場合、

「1期間に学習する量」は

在籍年数の長い方よりも相対的に多い傾向となるでしょう。


ですが、最短・早期卒業の場合、

逆に卒業までの「総学習期間が短い」のです。


言い換えますと、

「太く短く」か、「細く長く」か、ということです。


そして、ここでの前提として、

「卒業までにかかる総学習時間を固定」としましたが、

実際、現実的にはどうなのか?ということです。


在籍年数が長くなる方の中には

テキストの内容だけでなく、

それに関連する様々な文献を試験やレポに関係なく、

幅広く読み込まれた方もいらっしゃることでしょう。


逆にテキスト全てを勉強せずに、

ヤマが当たるまで挑戦し続け、

何度目かの挑戦で

単位修得された方もいらっしゃるかもしれません。


あるいは入学時点での、

在籍する学部の学問領域における予備知識の有無、

または履修科目の難度。

(楽勝科目厳選or必要な知識の修得優先)


これらによっても在籍期間中の学習量は変わってきます。


従いまして、

卒業までに要した学習量、学習時間を考えますと、

在籍年数とそれらには必ずしも相関があるとは言えないのです。


在籍年数の長短だけでは、

在籍期間中にどれほど学習したか、

これは測ることができないのですね。



そして3点目。

「在籍年数は能力よりも環境や運によって大きく影響される」


分かりやすい例として、ここに、

・鈴太A

・鈴太B

の2人がいたとします。

(注:特定個人ではなく、モデルケースです)


2人の能力や努力の度合いは全く同じで、

レポも試験も同様に履修を進めることができるものとします。


ただし、

鈴太Aは夏スクで2週間会社を休むことができ、

且つ、Eスク2科目の抽選に当選する。


それに対して、

鈴太Bは夏スクで会社を一切休むことができず、

且つ、Eスクも毎年抽選で外れるものとします。


さて、この場合、

卒業年数はどうなるでしょうか。


学士スク要件は「15単位以上」です。


この場合、

鈴太Aは学士最短2年半で卒業できる可能性があります。


それに対して鈴太Bは

毎年週スクでの2単位しかスク単位をとることができません。


放送英語の単位を振り替えても

最低で「在籍7年間」を要することになります。


このとき、前提条件から、

鈴太Aと鈴太Bとの間に「能力や努力に差は無い」わけです。


在籍年数「2年半」と「7年間」の差は何故生じたか、

と言えば、


「スクの為に会社を休むことができたか否か」

「Eスクの抽選に当選したか否か」


という2つの差だけです。


ここで、

「最低在籍年数の2年半で卒業した鈴太Aは凄い」

「だけど、卒業に7年間かかった鈴太Bは凄くない」

などということがあり得るのでしょうか?


鈴太Aと鈴太Bとの差は、

単に「会社を休むことができたか?Eスクに当選できたか?」

だけの差でしかありません。


本人の能力や努力とは一切関係ないところで、

平気で4年間半ほど在籍年数が伸びてしまうのです。


また「会社を休んでスクに出席」ということ自体についても、

視点を変えますとまた別の意見が出てくることになるのです。


「鈴太Aはスクの為に会社を2週間も休んだ」

「鈴太Bは会社の為にスクを我慢して仕事を頑張った」


このような視点から見ますと、

鈴太Aより会社を休まずに慶應通信を7年間続けた

鈴太Bの方が「凄い」となるのかもしれません。



経済学に「機会費用」というものがあります。


これは何か「1つの行動を選択」した際、

その裏で「他の行動の全てのを放棄している」という概念です。


現役学生でしたら、

「本業は学業」あるいは「文武両道」ということで、

途中、よほどの健康状態や環境・経済状況の変化が無い限り、

「学業・部活優先、規定在籍年数で卒業することが当然」

となるわけです。


ですが、通信制の学生にとっては、

必ずしもそうではないのです。


仕事や家庭、他の趣味や学習、

そして慶應通信。


限られた時間の中で何を選択し、

何を放棄するのか。


それは人それぞれであって、

それら全てがその人にとっての正解であると思います。


試験対策時間を犠牲にして、

休養をとったり、遊びに行くことも

否定されることではありません。


例えば、慶應通信は来年以降も頑張れますが、

息子さんがインハイに出場するのは今年だけです。(ぇ

であれば、息子さんの応援を優先することの方が

自然なことだと思います。


同様に休養や遊びに行くことを犠牲にして、

試験対策を行うことも個人の自由だったりします。


「最短・早期卒業は凄いことなのか?」


在籍年数は、

・学生本人が慶應通信に求めるもの、その価値観

・仕事や家庭や他の項目に対する慶應通信の優先順位

・学習環境や運など

様々な要素によって影響されます。


最短・早期卒業の場合、

必要最低限しか学んでいない可能性、

会社や家族に負担をかけている可能性もある一方、

休養や遊びを我慢して

学習に取り組んでいる可能性もあります。


逆に在籍年数が長い場合についても、

その逆の可能性が含まれているわけです。


このようにして、

在籍年数とは能力や努力以外の様々な要素が

それ以上に大きく影響しているのであり、

在籍年数の長短それだけでは一概に

凄いか、どうかとは言えないのです。


何をどれほどのペースで学ぶのか、

それは人それぞれです。


大事なことは自身のペースを守ること。


慶友会の大先輩のように、

真に学ぶことを優先とし目的とされている方は、

心に余裕があります。


ご自身、在籍年数を気にはしていませんし、

他の会員の進捗に動揺されることもありません。


マイペース。


すなわち自身の納得の行くペースで頑張ることが

何よりも大事なことだと思うのです。


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