「年をとりたくない…」


付き添った定期検診の待合室で

そう言った母に、

言おうとした言葉を飲み込んだ。



数年前までは

口もききたくないと思っていた母


母のすべてを、受け入れることが

できるようになってからは

付き添いも負担に感じなくなってきたし、

わたしが言いたいことを言っても

母は大人しく聴いてくれるようにもなっていた。


いつもなら

もう十分に年を取っているし

誰でもあたりまえに年は取るもんでしょ

と言ってただろう。


でも、ふと母の人生を考えた…


そうだよね…

あたりまえに年は取るものだけど

年を取りたくない気持ちもあるものだ。


きっとどこかに年を取りたくない

こだわっていたい何かがあるのだろう。


仕方ないでは

終わらせなくない何かが…


若い頃の記憶や

後悔した記憶や

ずっと置き去りになっている思い


無意識層にある母の何かが

溶けていくことを思った。


今、できることは何かな…


「どうやったら快適になるのかを考えよう。」

と母に提案した。


今が、過去の何かを超えることができたら

"年を取ってもいいものだ"

そんな風に思えるのじゃないかな。


今を最高と思えるものにしたら

未来も変わっていくのだから。


年を取りたくないもあるけど、

年を取ることが楽しみでもいいのだから。


年にこだわらず

楽しい日々を過ごしてほしい。