ご相談:退院を迫られる恐怖

 

おはようございます。

ホリスティックケアナース「ありむらとしこ」です。

 

先日よりご相談いただいている内容を少しお話します。

 

ただいま、お義父様が入院中らしいです。

ですから、相談者はお嫁様

お義父様少し体調はよくなってきたようで、医師から「そろそろ退院を」と言われたそうです。

しかし、お義父様入院されるまでは、身の回りのことは自分でできていましたが、

入院されてからは車椅子生活、食事、排泄、入浴等は介助がいる状態になってしまわれているご様子。

「このような状態で家に帰ってこられてももう少し、病院においてもらえる方法はないでしょうか?」

というご相談。

 

 

私も病院で働いていた時はまさにこの「退院をせまる?」係りの看護師。

家族から非難あびっぱなしの立場でした。

昔はずっと入院できてたのに最近は「出て行け」って感じで。

家族にしたら、「こんなまだ治っていないのになんで退院しないといけないの?」

って思ってしまうのです。

そして、すごく家族は不安になる。

激怒するって事になりかねます。

 

「もう病院で治療することが無いから退院してください」

確かに病状は落ち着きましたが、なぜ歩けないのに退院しなくてはいけないのかという理由を病院は説明しません。

ですから「突然」になったり「納得」ができないのです。

そして、みなさんは現在の医療制度については知らない人がほとんどです。

特に高齢者の人々は全く知らないと思います。

 

現在に医療制度、診療報酬について簡単にお話すると、

各病名について、診療に頂く点数(お金)が決まっていて。

ある一定期間をすぎると、その点数(お金)が下がっていくという仕組みです。

 

ですから、病院にしてみれば、急性期一定期間過ぎて患者さんに入院されていると、

病院に入ってくる報酬が少なくなるのです。

病院も報酬少ないと、運営に困るということになりかねますので

治療を終えた患者さんは退院していただき、

急性期の治療目的の患者さんを受け入れたほうが、病院も運営上報酬的に助かるというわけです。

 

もう一点は、病院は「平均在院日数」というものを守らないと、報酬がもらえなくなる基準があります。

病院によってさまざまですが19日~21日だったと思います。

このような縛りから、病院側は退院を促すって感じなんですよ。

こういう説明ってされていないですよね。

急に退院の話されても納得できませんよね。

 

まあ、このような説明を、お世話されているお嫁さんにしてみました。

 

このブログを読んでもらっている方々も多分このような仕組みを知っておられる方は少ないと思われます。

ただ、これから先、

医療制度、診療報酬の改訂がどんどんなされ、

在宅医療中心になってくると思います。

今より早く退院して家で過ごすことが理想とされ、厚生労働省も力を入れています。

これはなぜかと言うと、日本は超高齢化社会となり、医療費がかなりかかるからなんですよね。

 

これまでは医療ってとっても身近なものであったように思っていたのですが、

これからの時代は、簡単に入院も出来なくなり、入院しても直ぐに退院しなければならない状況

どうしますか?

こんな将来やってくる事が私が、ホリスティックケアを考えるきっかけとなった事なんです。

 

 

少しでも今の医療制度のこと知っていただくこと。

これからやってくる、医療が身近にない将来、自分の健康どう考えますか?

自宅で元気に過ごすためにどうしたらいいですか?

超高齢化社会はどうすごしますか?

 

ちょっと頭の片隅においていただければありがたいと思ってかきました。

 

ありがとうございました。

 

※ このブログ内では「病院」と言うのは、主に急性期病院の事を現しています。

  療養型病院とかはまた報酬制度が違いますのでご注意ください。

  診療報酬や制度については、簡単にわかりやすくと思っていますので、表現が少しまずい場合もあります。

  何か質問ありましたら、ご連絡ください。