好きなひとといると


そして言葉に詰まる。友達といるときみたいに、仕事中みたいにつらつらと出てくればいいのに、こんな話してもなぁ…とか考えてしまってぐるぐるぐずぐずしてるうちに沈黙に覆われてしまう。
わたしは一緒にいるだけで満足してしまうから沈黙が続いてもひとり幸せだなぁーとか思っているけれどきっとそんなわたしの目の前にいるひとは退屈しているんだろうなぁと思うと、あーあぁって


なにも考えずとも会話が盛り上がって普通に楽しくて一緒にいて落ち込んだりしないそこにもあそこにも色めきはなくて、どうしてここには恋があるんだろうと思い、所詮は思い込みの産物なんだろうと分かっていながらもわたしは君のことが好きらしいので、いくら友人の酷い恋愛の話を聴いたって「早く、ちゃんと別れなよ」と多数の声があがる中で「でも好きなんだもんね」としか言えない。



片思い中は誕生日もクリスマスも大嫌いで、緑と赤の街並みに半ば強制的に無駄に寂しい気分させられる上、なにか贈りたいけれど重たくなくて後腐れなくて実用的なものとか考えてしまい、結果もうなにも贈らないことにしようという可愛げのない結論に至ったところを二股男子にお前それは一番やってはいけないことだ!と叱咤され、浮気相手から誕生日に貰ったらしいキーホルダーが揺れる車内でその子がどんなに可愛いかったかを切々と語られた。最悪だ。
選ぶもの選ぶもの却下され、お前もっと本気だせよと怒るからそんなガチなものは無理だと逆ギレしながら最終的にいつも通り自分が可愛いと思う物を買ってしまうわたしは性別男子になにかを選ぶのが本当に苦手だ。


全部受け入れてあげたい気持ちと、いちばん大切なひとに誠実でいてあげてほしい気持ちと両方あって、シーソーみたいにギッコンバッタン。




ひとりでいたくないからクラスメイトと勉強して帰りました。仲良し。


これって意味あるのかな
頑張って、何かになるのかな

集中できなくて八つ当たりをしたわたしに

意味あるよ。
勉強が無駄になっても学校に来てなかったらお前と仲良くならなかっただろ。

そう言われて、救われた。



塩水がポロポロと零れ始めてなにより驚いた
哀しいとか嬉しいとかそういう感情を全く取り除いてただただ眼球を潤す役目を担った液体が溢れて零れて落ちて



見上げた空の澄んだ空気の上に零れたキラキラと光る金平糖
鱗雲の膜から透けて見えるお月様の淡い光

ふいにあのひとの文章が読みたくなった



開いた頁に誰かを想って書いた言葉の羅列がひどく心地良くて
あのひとの全てを知らないわたしが知っているうちのあのひとの全てのなかで
紡ぐ言葉がいちばん好きだと思った

そして同じくらい悔しくなった
きっとこの塩辛い水たまりはその所為だ



今日の空を見てやっぱりちゃんとしようと思い
あのひとの書いた文章を読んでそれが正しいと思ったのに


君の紡ぐ言葉が愛おしすぎて心がまた濁る