holic-comic -9ページ目

holic-comic

艶がについていろいろ。
基本、翔太くん推しです。

初読の作家さん。表紙で借りました。笑
しかしなぜ表紙で借りたのかはちょっともう覚えてない(笑。もっとアカン)。

そんなわけで特に構えずに
「無理やったら途中退室もあり」
くらいで読んだ。
ゆっくり読んだけど、不思議な本やなァ。笑

とんでもミステリではないけれど、緻密に組み立てられたロジックをちまちま解きほぐしていくのとは全然違う。
だって、そもそものきっかけとなった大根さんとごぼうさんについては、ゲンミツにはどうやって殺されたのかとかまったく触れてないよね?
いやそれをいうたらゴーヤさんもか。

「天才は自殺に追い込む心理作戦もチョロいもの」
ぐらいの書き方でサラッと流されてるけど、それでいいのか! もう、いいのか。

大根さんやらごぼうさんやらが殺される理由は(ゲンミツには理由すらないけどな)よくわかったけど・・・。
それでいうたら、クラーク博士のくだりとか掘り下げるのかと思ったのに・・・。
案外掘り下げなかったね。
いやー・・・。掘り下げてるのか・・・。関係性はよっくわかった。面白いと思ったし、でも、すんごいアッサリやねんな。
それもそれでええよ。ここでコッテリ掘り下げたらそれこそ桑原水菜氏くらいの重さになりそうやし、そもそもキャラはとても魅力的。

「数世代前の記憶も保持している」とか「見たものをすべて記憶できる」と、いうような超人的な力がある(可愛い)子が猟奇的な事件を解決しようとするんやから、キャラが相当立ってないと面白さはないよね。
そういう意味では大変面白かった。

よくわからないが超人的な力という点では日暮旅人シリーズも同じなんやけど、あちらにはない陽性さがこちらにはあるな。
旅人と春のキャラの違いかしら。笑


あとは坂城教授ももっと掘り下げるのかと・・・(とりあえず坂城教授も男色家なのかとか、秘密はそれなのかとか)。

そういう意味で言うたら至るところにBL好きが食いついていいですよね的な要素がてんこもり・・・。
春くんが「可愛い」のとか、それを上回るキュウちゃんの可愛らしさとか・・・。
見た目は春くんや根来さんのほうが整ってるんやけど、キュウちゃんの総受けっぷりはすごいよね。
「康平ちゃんが手放さない」
とか、
「いいからいつものように了解しろ」
とか、深読みする必要は全くないのに、したくなるような表現をポンと置いていくのはヤメテ・・・。いや嬉しいけども・・・。

いつものように了解って、どこでいつも了解してはるんやろうね・・・とかいいたくなる。
こういう行間、大好き。大好物。

会話をするときの表情で「ギャッ」ともえたくなるのはまんがやけれど、小説やとこういうふうに
「えっ、それどういう意味?」
と、目を留めてしまうのがいいよね。

「どういう意味?」と、前かがみになるためには、事細かに書いてくれなくてもええねん。ある程度読者の想像力を信頼してほしい。
それはそれぞれの好みやろうけど、でも押しなべて本好きは行間が大好きでしょうよ。

ほんで、行間を残してくれはる作家さんがたまに行間をうめるほど書き込んでくれたら
「くーーっ!!」
と、それはそれでもえ転がってしまうので、まあ結局踊らされてる。笑

春くんがいうように、私らBL好きは「BL脳」になってるからね。
ちょっとのことでもえようと必死か(笑)。


具体的に殺人の(?)動機や手法を解く本ではなかったけれど、作中ではいろんなことが書かれている。
たとえば、「犯罪」につながる「不安」だとか。

誰しもが抱える「不安」を、どう打ち消すか。それができるかできないかが、その人の心を砕くことにつながるらしい。
「不安」に追い込まれる圧迫も「洗脳」なら、それを解消するためにはどうしたらいいかを説くのも「洗脳」。
ほんで、春のような天才には先が見えているので、どうしたら人を「不安」にできるか、また「不安」になった人をどう操縦するか、なんてことは簡単にわかるらしいよ。

それをどう表現するかで、春と山森の生きざまが分かれるというやつやね。
なんとかおたくのシャーロックとかいうてたけど、春も十分なんとかおたくで、山森との関係はまさにモリアーティとのそれだよね。
(えっ、まさかなんらかをもじってるの?)

タイトル通り、札幌が舞台の話です。札幌ってなかなか興味深い土地なのね。
当方西日本在住のため、日本史として有名どころが近所のゴロゴロあるせいか、札幌の近代史は身近すぎるのか、私らのそれよりも
「自分たちが歴史の一員」
と、いう気により強くなってしまいそう。

札幌駅の秘密は、地元の人には周知の話なのかな。

きれいなソフトハードカバー本やった・・・。硬めの紙とか、すっごい好き・・・。
読んで楽しい、触れて楽しい、嗅いで楽しい。それが読書。

(最後のはアカン)

しかしなんやろうねこの種まき感は。著者の作風はこういう感じなのか、もう少し知りたいので別タイトルもリクエストしてみます。


■■■■


■フリーメイソン

16世紀後半から17世紀初頭に、判然としない起源から起きた友愛結社。

(2017.04.28)