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艶がについていろいろ。
基本、翔太くん推しです。

先日読んだ白石一文氏の話をしていると、叔母が
「この本もなんとも言えない本」
と、言って貸してくれた。

短い話なのでイッキ読みしたけれど、あー、確かに、この本も
「読んでて疲れる本」
やったなー、と、思った。

特に「社会不適合者」の、あたりね。

一口で言うと、36才で未婚、コンビニのバイトを18年も続けている女性の話。
それを見る限りでは
「あー、さすがに私もそこまで徹底してへんわー」
と、思うし、白羽を住まわせるあたりは
「ないわ。ないない」
と、思ったけれど、最後に白羽の義妹に
「社会不適合者」
と、はっきりいわれるあたりに

「えっ、私も大丈夫これ!?」

と、ぞっとしたっていうね。

41才、パート勤務、将来の展望なし。
辛うじて子どもはいるけど、仕事がこの状態ではちょっとアカンやろう・・・。もっと働かないとあかんよね・・・。

(結局私は仕事でいろんなことを判断するきらいがあるな)

恵子さんはコンビニのバイトやけど、それでも自分の生計は自分でたててるもんね。
どんな仕事であっても、自分が食べていくだけの稼ぎができてるなら私は立派やと思う・・・。

今私は仮住まい状態なので、そこらへんをつかれると
「ウッ」
と、なるな・・・。(;^ω^)

子どもたちが中学生になるまであと3年か・・・。お金、貯めないと・・・!

コンビニにやたらこだわるところにこの本の妙があるんやろね。
こうやって見ると、コンビニの店員さんも大変そうやなー、と、思った。恵子はめんどくさいところがあるけれど、ようは、何かに所属して、何かを作るものの一部分になりたい、と、いうのは、日本人ならわりと誰でもが持ってる根底の部分ちゃうやろか。

だってそもそも、義妹があんなに吠えた、ちゃんとした仕事をしろ、だの、保険に入るべきだ、とか、そういうのもつきつめると
「どこかの団体に所属する」
ってことやと思うねん。

この「どこかの団体に所属すると落ち着く」と、いう習性は、ひじょうによくわかる。
会社に入っていれば落ち着く、結婚していれば落ち着く。人と違ったことをすると何のかのと言われるから、私はそんな人と変わったことはやってませんよー、みんなといっしょ、その他大勢ですよーって思えると落ち着くのは非常によくわかるよ。

(ここまで振り切れた表現はせんでもええと思うけど。笑)

みんなといっしょという前提で、
「私は実はこんなことをしている」
とか
「私は実はこういう性格」
とか、ちょっとだけ人と違う部分もあるよとにおわせたくなる、ちゅう小心者具合も、さらに持ち合わせております。

本当に人と違う道なんて行くだけの勇気はないからね・・・。

(とかいいつつ、現在はマイノリティな家庭環境にいるけどね・・・) とほほ


読了後は確かに、しんどい。
救いがあるような、ないような。いうてることも、わかるような、わからんような。
これが「現代の若者」っていえば、そうなんだか、そうでないような。

白羽のいうことも一理あるし、義妹なんて一番正論を唱えてるような気がする。
みんな当たり前に、社会の一部として生活しているけれども、みんなそれなりに苦労もして、嫌な思いもしながら生きてるんですよってところかな。

結局、白羽は文句ばっかり言って何一つ行動が伴っていないところがあかんねやろう。
その点、恵子はちゃんと働いてるんやからえらいと思うけどな・・・。

とにかく読了後にインパクトは確かにあった。とはいえ著者のほかのタイトルを読む体力はやっぱりないし、日常で疲れてるなら(もっとファンタジックでハッピーエンドな)違う本を読みたいと思うけど、
「あー・・・、読んだわ・・・」
とは、思える本。

芥川賞の受賞作と、聞いて、さらに納得。
芥川賞な・・・。
納得・・・(笑)。

ちなみに「火花」は途中で挫折しているので、あちらよりは読みやすいかもしれへん。(個人的には)

(2017.05.06)