enduringlove

七夕の日に、今秋公開の映画「Jの悲劇」の試写会に行った。一般的に「Jの悲劇」といえば、60年代後半から70年代初めを中心に、イニシャルにJのあるミュージシャンが次々と悲劇的な最後を遂げた事件を指します。有名なところでは、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ(水死)、ジャニス・ジョップリン(薬物中毒)、ジミ・ヘンドリックス(睡眠薬中毒)、ドアーズのジム・モリスン(心不全)ら。てっきりそれを描いた映画だと思って試写会に出かけたら、全然違うストーリーだった。前もって貰った資料を全然見ていなかった私(笑)。


で、映画の「Jの悲劇」は、ド・クレランボー症候群にかかってしまったジェッド(Jed)と彼に追いまわされる主人公ジョー(Joe)という2人のJの悲劇。まあ、結果的にはジョーの彼女・クレアも巻き込まれるからCの悲劇でもあるのだけど。原題は「Enduring Love」。「永続する愛」というタイトルの前に、「ド・クレランボー症候群」について説明しよう。これは「宗教的信念を妄想の中心とする男性に見られる症例。危険性および自殺的警句も顕在している」もので、別名「恋愛の精神病」「純粋色情症」とも言う。つまり「患者は、相手の男性が自分を愛していると言う強力な妄想を抱く。相手が患者を嫌いであると宣言しても、相手は「本当は」自分を愛しているのだという信念は揺るがない」。つまりストーカーみたいな行動に出て、時として心身を脅かす暴力的行動になって出るらしい。


映画中、ジェッドがこのド・クレランボー症候群患者であり、このジェッド役を演じるのが『ヒューマンネイチュア』で自分のことをサルと思っている野生の青年パフを演じたリス・エヴァンス。さすが、風変わりで奇怪な役どころが似合うリス。「Jの悲劇」でも、イっちゃってる目は健在!というかより薬物中毒並みのどろ~んとした目で「I Love you」とか呟いちゃうから怖いことこの上ない。それを受ける側、ジョーを演じるのは『ロード・トゥ・パーディション』のダニエル・クレイグ、『CODE:46』のサマンサ・モートン。この2人も演技派俳優としてとても知られているところ。お蔭で、思い切り映画に集中することができました。

あと、印象に残るシーンが多い映画だった。その中でも、ジェッドがジョーに恋に落ちるきっかけとなったある事件が起こるシーンが一番忘れられない。始めの方にでてきます。見逃さないでね!


原作:イアン・マキューアン『愛の続き』

監督:ロジャー・ミッチェル『ノッテイングヒルの恋人』

キャスト:ダニエル・グレイグ、サマンサ・モートン、リス・エヴァンス、ビル・ナイ、スーザン・リンチ


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