フォールコンセンサスとはなんぞや
皆様は「フォールスコンセンサス」という言葉をご存知でしょうか。
フォールスコンセンサスとは、
誤った共通認識や合意が形成される現象
を指します。
簡単に言えば、
自分の意見や考え、行動が常に多数派であり、正常だと思い込む認知バイアス
のことです。
まだ分かりにくいですね。
つまり、
《オレの意見は正しいよ、みんなも一緒の考えのはずだよ》
という考え方です。
ジャイアンの「オレのものはオレのもの、みんなのものもオレのもの」理論のようなものですね(少し違いますか笑)。
これは日本語では「偽の合意効果」とも呼ばれています。
例えば、
「仕事の休み連絡はメールではなく、電話でするべきだ」
という考え方があるとします。
これはマナーの問題で、確かに日本では「メールは非常識」という考えが根強く、「当然だ」と思う方も多いでしょう。しかし、相手が手が離せない状態や来客中、深夜の場合は、メールでの連絡も適切な選択肢となり得ます。
ところが、自分の考えが絶対に正しいと思い込むと、それを「非常識だ、常識はこうだ」と部下に強要してしまい、トラブルが発生するのです。
もう一つ、今度は夫婦関係の例を挙げましょう。
「夫婦関係において夜の営みは当然のことで、片方が求めたら応じるべきだ」
という考え方があるとします。
これは一見、身勝手な意見に思えますが、実際にこのように考えている人は少なくありません。
「今夜どう?」と誘って『今日は無理』と断られたとき、おそらく怒りや悲しみを感じるでしょう。
これは
《求めに応じるのが当然だと思い込んでいるから腹が立ったり悲しくなったりする》
のです。
これも一つのフォールスコンセンサスです。
「普通は応じるのが当然だ」「拒否は離婚の原因になる」「自分は間違っていない」と相手を追い詰めたり、態度に表したりすることで、トラブルが生じてしまうのです。
このようなトラブルは赤の他人との間ではあまり起きず、友人や家族、夫婦といった親しい関係で起こりやすいものです。
なぜでしょう。それは価値観や常識が似ているからです。
価値観や常識が似ているからこそ、自分の常識が皆の常識だと思い込み、それを押しつけ、強要しがちになるのです。
社内のグループや先輩後輩の関係でも同じことが言えます。
会社内では共通の労働意識があるため、グループ内で似た価値観や常識が形成されやすく、誰かの押しつけや強要が発生しやすい。
そうなると深刻なトラブルに発展してしまいます。
多角的な視野を持つ
現代はネット社会で、SNSや掲示板、YouTubeコメント欄、ブログなど、
忌憚なく自分の意見を述べる場
で溢れています。
言い換えれば、
自分の欲しい意見、共感できる意見を見つけることが容易な世界
でもあるのです。
そのため、自分の主張と同じ意見を見つけた時に、それが世の中の常識だと勘違いしてしまう傾向があります。これもフォールスコンセンサスの一例です。
ネット上でよく見られる議論や言い合いの多くが独りよがりで独善的なのは、手に入りやすい情報だけで判断してしまう心理的傾向(心理学では利用可能性ヒューリスティックと呼びます)が働くためです。
ネットの世界ではそれでも大きな問題にはなりません。
所詮は赤の他人だからです。
しかし、実際の人間関係では確実にトラブルに発展します。
では、どうすればよいのでしょうか。
答えはとてもシンプルです。
自分の意見が絶対に正しいと思い込まないこと
そのためには
相手の主張に耳を傾ける
ことが大切です。
そうすることで、異なる視点や情報に触れる機会が増え、物事を多角的に見られるようになり、偏見にとらわれるリスクを減らすことができるのです。
これはビジネスでも同じです。
フォールスコンセンサスの落とし穴に気をつけながら日常生活での注意点を意識することで、従業員やお客様とのより良い信頼関係を築いていきたいものですね。