毎年思うの
今の時期の昼間の暑さと夜の冷え込みのかけ離れは初めての経験じゃないかしらって

一昨年、今年、何年先

ちょっとした初めてなんだから当たり前じゃない
ぶどうの房は住宅街にも垂れてるのよ

もうあんまり時間がないから、よおく耳を凝らしてきいてね。

ごめんごめん、あるけど差し迫ってるっていうのかな。

刺してないよ、迫ってる、うん、追われてるんだ。

誰かは知ってるよ。

何なのかはわからない。

耳は凝らせられるの。

目は凝らせるでしょう。凝らしてみようと思わずただ、せられる。

あやふやな線を凍らせて蜘蛛の糸みたいに透明にしてしまえばうまくいかないこともない。

からだだったものは、いかようにも変わるからね。

追われてるんだ、急がないと大変な目に遭う。

大変に出会ったらひとまず舌を隠すんだ。

速度は任せるよ。好きな速度ってのはいつだって丁度いい、気がする。

飢餓はしない!なんでも食べればいいよ。

というのはなんでも食べるな。

口を凝らして。

耳を凝らして。

目は凝らさずにいられない。

凝らしながら鼻もついてきて。

置いていくのは透明の糸だけだから、見えないはずだ。

見ようとすれば、必ず余分な糸に絡め取られる。

ないくせに余ってやがる。

凍ってた糸は瞬時に燃える。

名前は呼ぶんじゃない!

聞かれるのは困るんだ。

そのためにはよおく