石油ストーブなど、新品・中古品の(PSCマークのない石油燃焼機器)販売禁止に反対します。


2008年3月1日

北海道古物商業協同組合 理事長 高橋侑佶

札幌市東区北48条東5丁目221
TEL 011752-8655 FAX 011—752-8656
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2008年7月1日法施行、2011年1月1日より実施が予定されている、石油燃焼機器の法的規制は(消費生活用製品安全法・法令改正)新品・中古製品でPSCマークのない石油ストーブは、販売が全面的に禁止となります。しかも、この制度は「点検・整備・修理の製品も販売を全面的に禁止する」など、信じられない、怒り心頭の改正(改悪)となっています。                     

組合では昨年10月より対策委員会を設置し、お客様に、より安心・安全な商品のご提供をするために、新しいシステムの構築を検討して来ました。

 冬季間が長く(札幌の地域集中暖房は10月15日より翌年5月15日まで)特に低温が続く北海道では、多くの世帯は固定式・移動式の石油ストーブを複数利用しています。二台目からは中古品を利用するお客さまが多くいます。

 経済産業省は、法令改正を広く告知せずに、12月25日より1月23日までにパブリックコメントの募集を行いました。多くの国民に知せずに.実施したため、消費者・業者・関係業界は、石油燃焼機器の「販売禁止」を知らされず、コメントを出来ない状況を、生み出しました。さらに、製品の安全の適合基準が今だに、明らかにされず、販売禁止だけが先走りしています。


経済産業省の強引な進め方は、一昨年の PSE(電気用品安全法)実施の失敗に学ばず、まさにその「二の舞い」を呈しています。1月24日に行われた経済産業省・製品安全課とJRCA(日本リサイクル協議会)代表・北海道古物商業協同組合代表との2時間にわたる交渉でも、一方的な見解を述べて議論に成りませんでした。   

また私たち業者は、消費者と業者の立場に立ち、中古製品の販売をみとめるよう要求していますが、担当課長は「ようは、業者の売り上げが落ちるから認めるよう言っているだけでしょう。危険性があるものを禁止するのが当たり前。」「告知の不足はあるが、業界が、反対ではなくもっと協力し、新制度の理解をしてもらうようにして頂きたい。」など、自分たちの責任を棚上げし、さらに、私たちが業者だけの立場で要求していると決めつけをしました。 経済産業省の販売禁止方針では「現行の石油ストーブの全てが危険と見なす」ことになり、論理的矛盾をおこしています。


中古の石油ストーブはその「特殊性」から地域社会で、大きく循環をしています。また専門業者による点検・整備した製品は安全です。固定式のFF式・煙突式ストーブは殆どが不完全燃焼時には「立ち消え装置」が付いています。また移動式ポータブルストーブでも、既に一定の製品に、タンクの交換時の消火機能が設置されています。一部の製品はタンク蓋の開閉が固いため・斜めに蓋が閉まるなど、女性や高齢者などにとって、取り扱いが大変です。そのために取り付けが悪く、油漏れを起し、火災の原因ともなっています。これは、製品の構造上の欠陥であり、製造メーカが責任もって改良し、無料で交換すべきものです。 タンクの取り外し時に、立ち消え装置があった場合でも、一定の時間は高温を保っています。.時間をおかないで、行うタンク交換時の油漏れは、火災の原因となり、.危険度は同じような状態です。(予備タンクの交換は、より短時間です) 安全な製品の改良は必要な事です。しかし理由もなく現行のストーブを危険視して、販売を禁止することは、本末転倒です。また新製品は、販売価格が大幅に値上げされることが予想されています。「現行品の新品・中古製品の販売禁止は、」まさに、製造メーカ寄りの行政と考えています。

同じ中古製品でも「レンタル・リースの場合は認める」とのこと。「現行のストーブは危険なので販売禁止にするが、貸し出しはOK」とは私たち国民には、全く理解ができない制度です。当局の説明は正に詭弁です。「販売と違い、レンタルなどの貸し出はその後の責任を持っている。また災害事故の補償があるので認める」とのことですが、それであれば、販売品の点検・整備をし、製品を保証し、事故時にはお客さまの補償をさせていただくなど、責任を持つ業者との、違いはありません。            

PSE問題の最大の矛盾であった、妥協案「レンタル方式」の再来です。そのPSEの中古品の適用も昨年12月で廃止となりました。一つの法律が、たった2年足らずで適用が除外された、前代未聞の事柄でした。テレビ・新聞など、マスコミで大きく報道され大問題になりながら最後は「泰山鳴動して鼠一匹」でした。


石油ストーブによる火災事故は、統計上、利用者の取扱の不慣れや、ミスが多いのですが、消費者責任だけでは問題が解決しません。製造メーカと販売店がもっと親切に対応して、必ず「口頭説明と危険行為を防止するための取扱説明書を別に添付をする」こと、販売後も使用方法・点検・整備の助言をするなどの、アフターサービスが必要です。 

FF式ストーブなどの、取り付け工事は専門家に依頼するなどの改善で多くの事故は防げます。(事故が多い事例・洗濯物の落下・器具の周りに燃焼物の近づけ過ぎ・ガソリンの誤給油・古い灯油の使用・積雪などによる排気ガスの室内流入・          換気不足《移動式ストーブの3時間自動消火装置は安全な機能と使用方法なのか、検証が必要です》・積雪などによる排気ガスの室内流入など)            


同じ経済産業省が、家電リサイクル法では、製品取扱の見直しで、年数が経っていない製品がリサイクル(資源化)されている現状から、リサイクルをする前にリユースを(再使用)優先する区分の検討をしているなかで、PSCマークのない中古石油ストーブ製品の「一律販売禁止は」それに逆行する内容となっています。さらに「環境型社会形成推進基本法」からも逸脱するものとなっています。                       

中古のストーブ・出物の新品ストーブを必要とする消費者の多くは、低所得者・社会的弱者が多く、(北海道では季節労働者も多い)私たち業者は社会的役割としても、必要とするお客様に安心・安全で、安い価格の製品のご提供を果たす責任があります。家電製品を販売するリサイクル(リユース)店にとって、石油ストーブの売り上げ比率は高く、また整備料金も含むため利益率も高い商材です。販売禁止は、経営を大きく圧迫します。また整備従事者の解雇・勤務時間の短縮につながります。

      

北海道では、金物店・自転車販売店・電器店・自動車整備業者・各種の整備事業者の一部も取扱をし、整備・販売をしています。従ってその影響は大きものが、あります。 消費者と業者の生活を守るためにも、製造メーカ寄りの販売禁止は絶対反対です。

経済産業省は、強引で拙速な実施方針を改め、消費者・業者が理解し、納得のいく論義が必要です。そのため時間をかけて話し合い、より安心・安全な制度に改善をする事が重要です。


  当組合におけるお客様に安心・安全な製品のを販売するための改善について


1 お客様に安心・安全な商品のご提供の(販売)ために、業界の自主的な点検・整備・分解掃除・修理の基準を(消防法を順守し)作成します。


2 販売した商品が、販売店の責任に起因する事故の場合、(製造責任は別)

お客様の補償は、災害保険などに加入して、責任をもちます。

      

3 点検・整備・分解掃除・修理は、公的な資格を有する者が行い、点検は組合等で理論と実技の講習を受けた者が行います。整備・分解掃除・修理する者は「消防法による資格」を有するものとし、「資格」と技術水準は別ものですので、組合は、実技を中心とした講習会を実施します。また組合では、希望する組合員より委託を受け、点検・整備・分解掃除・修理の事業を(直営・下請け・紹介などを検討し、)実施します。資格を取るための補助制度も活用します。

 

4 早期に点検資格の講習会を実施します。北海道における点検・整備は、就職・転勤・就学などの関係で、暖房器具は春先に大量に排出され、社会的に大きく循環されています。従って、専門店では3月~5月が、引き取り・整備の忙繁期になっています。


5 お客さまに販売するときには、次の改善をいたします ①使用説明書と禁止項目表を、おつけします。 ②点検シール・保証書を、おつけします。③口頭による安全の取扱をご説明いたします。(既に実施している業者も多くいます)


6 販売後も(保証期間が終了後)お客様のご要望に応え、①点検・整備を行います。(また整備業者を紹介いたします)②お客様に定期的に、点検・整備を、お勧めいたします。その為に点検・整備時期の、基準を作成します。


7 3R政策を積極的に推進する立場から、①製造メーカに対して、安全で丈夫で長持ちする製品の製造を要望します。(価格の引下げを理由として、商品の短命化を図っていると言われています)②リユース・リサイクルを想定した製品の製造、(整備・修理と・資源化しやすい構造と資材の使用)を強く求めます。 ③ 販売・点検・修理をする業者は、製品の「良し悪し」が分かる業種です、欠陥製品や改善が必要な製品を積極的に消費者・行政に、お知らせします。また、製造メーカに通告して、改善を求めます。④ 製造メーカに対して修理部品の速やかな提供と、メーカによる点検・整備・修理は、常識的な、料金設定を求めます。


経済産業省に回答を求めます 


1 2008年1月23日貴省に提出しました、反対意見書に(パプリックコメント)今日まで回答がありません。全国から寄せられた意見書と、それに対する回答も合わせて速急に連絡ください。

              

2 北海道の消費者・業者・業界の声を聞く場を、早期に札幌で開催して

   ください。

 

3 石油燃焼機器の「製造技術基準」及び「保守基準」について具体的な内容と数値を公開して下さい。                   


    註釈

① PSCマークの意味 消費生活用製品安全法で規定されているマークで.消費者の生命・身体に特に.危険が大きいと認められる製品に.付けられます。 P=Product/製造物・製品 S=Safety/安全・C=Consumer Products=消費者使用の製品 現在PSCに特定された製品は.ジェツト噴流バス/乳児用ベット/レーザーポインター/車用ヘルメット/圧力鍋・釜/登山用ロープ。

 JRCA  当協同組合が加盟をしている業者団体。リサイクル・ショップ・オークションの会主・ルサイクルの団体・リサイクル事業などの全国組織です。(PSE問題を期に06年発足した団体)JRCA(日本リサイクル協議会)・J=ジャパン・RC=リサイクル A=アソシエーション 

③ 3R(スリーアール)政策 大量生産・大量消費・大量破棄型の経済活動からの脱却を目指し循環型社会構築の為に。3R政策の強化が重要となっています。 Reduce(リデュース・廃棄物の発生抑制)省資源化や長寿命化といった取組みを通じて製品の製造、流通、使用などに.係る資源利用効率を高め、廃棄物とならざるを得ない形での資源の利用を極力少なくする。 Reuse(リユース:再使用) 一旦使用された製品を回収し、必要に応じて適切な処置を施しつつ製品として再利用を図る。または、再使用可能な部品の利用を図る。 Recycle(リサイクル:再資源化) 一旦使用された製品や製品の製造に伴い発生した副産物を回収し、原材料としての利用(マテリアルリサイクル)または焼却熱のエネルギーとしての利用(サーマルリサイクル)を図る。