北海道公立高校入試分析

北海道公立高校入試分析

平成21~26年度の北海道公立高校入試分析をします

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《平成21年度北海道高校入試国語裁量問題》の分析

平均点は、全受検者平均点34.5点、そのうち合格者平均点が35.3点ということです。裁量問題が導入されて注目された難易度ですが、いずれも1点以上の差はつきませんでした。

問題数は、通し番号で27番までの20題。合計点は60点です。記述系の問題が多いようです。

それでは、各問題の分析を行います。


大問1-詩(成本和子『ねむねむのひつじ』)

問題になった詩は、成本和子『ねむねむのひつじ』。優しい語感の目立つ口語自由詩です。

問1(通し1)
体言止めが用いられている連を答える問題。この詩で使われている体言はいずれも漢字による熟語でしたので、答えやすかったものと思われます。

問2(通し2)
詩中で描かれているアゲハ蝶の羽化のようすを比喩を用いて表している部分を書き抜く問題。第一連に書かれていると気づかなければいけませんから、どちらかといえば問題演習をこなしている塾生徒などの正答率が高かったものと思います。

問3(通し3)
詩について説明した文として適当なものを、ア~エの4択から選ぶ問題。勘でも25%の確率で当たります。敬体、常体、文語体、口語体などのキーワードを適切に汲み取ることができたなら、3行もある選択肢をわざわざ読まなくても答えられたと思います。

各問題3点です。


大問2-小説(井上靖「しろばんば」)

問題になった小説は、井上靖「しろばんば」の部分抜粋で、ライトノベルであったり、柔らかい文体の文章に読みなれている生徒は読み砕くのが難しい反面、塾などで演習を重ねている生徒は容易に特典できたのではないでしょうか。

問1(通し4、5、6)
線の引いてある部分3箇所について、「ひたい」を漢字で書き、「透いて」「粗末」の読みを書く問題です。各2点3題でしたが、完全回答があったわけでもないので、正答率は高かったものと思われます。

問2(通し7)
主人公がしていた想像の内容を75字程度で書く問題です。かなり難しかったものと思われます。

問3(通し8)
主人公の祖父のようすをア~エから選ぶ4択問題。難しくはなかったと思われます。

問4(通し9、10)
主人公の祖父の業績を2つ、それぞれ1文で書く問題。あまり創作せずに、本文からの引用・抜粋で賄えますから、易問であったといっていいでしょう。

問5(通し11)
隠喩的表現から読み取る問題で、ア~エの4択。祖父の業績を聞いて祖父への見方が変わり始めている、と気づけば、それほど難しい問題ではありませんでした。

問1の3題は各2点、問2は6点、問3は2点、問4はひとつ2点の2つで計4点、問5は3点です。


大問3-古文(李瀚「蒙求」)

問題になった古文は李瀚「蒙求」で、問題部分の最初に状況が説明されているので、読み取りもそれほど難しくなかったのではないでしょうか。

問1(通し19)
「読書」と同じ構成の熟語を選ぶ問題。熟語の構成を理解していないとできない問題です。「書を読む」なので、「読←書」ということになります。となれば、「難を避ける」で「避難」が当てはまることがわかるはずです。

問2(通し20)
「人従ひ学ぶ者有るも」と読むことができる漢文をア~エの中から選ぶ問題です。一二点、レ点の使い方がわかっていれば、難しくありません。

問3(通し21、22)
本文の内容に合うものをア~オから2つ選ぶ問題。完全回答ではありませんから、簡単だと思います。

記号問題で、問1は2点、問2は3点、問3は各2点です。


大問4-論説文(外山滋比古「日本語の論理」)

問題になった論説文は外山滋比古「日本語の論理」で、難しい文体から苦手意識を感じてしまった人は多かったのではないでしょうか。

問1(通し23)
「ほしょう」という語を漢字に直し、それを用いて「この食堂のカレーはおいしいでしょうか。」という問に答える、という問題。日本語的問題でしたが、母言語に日本語を用いていれば、難しい問題ではなかったはずです。

問2(通し24)
脱文を戻す問題。選択肢はAからHまでの8択ですので、文章を理解できていなければ解けない問題でしょう。

問3(通し25)
文章を読み取り、それを説明する文章で、その空欄を補充する問題。5字、書き抜きという基準が示されていますから、問題演習を重ねていればそれほど難しい問題ではなかったでしょう。

問4(通し26)
文章中の作者の言いたいことを70字程度でまとめる問題。かなり難しかったと考えられます。

問5(通し27)
文中の例えている文を「解釈の余地」「言語的創造」という文字を使って五十五字程度で各問題。前問に時間をかけていると、これを解くのはむずかしいかもしれません。


総括

記号問題で17点、記述で25点、書き抜きで6点、漢字で6点になっています。
大問4の分量が多く、記述が2題あるため、大問1から大問3、また、選択問題での得点が重要です。

《平成21年度北海道高校入試国語標準問題》の分析

平均点は、全受検者平均点34.2点、そのうち合格者平均点が34.9点ということで、1点を争う問題になったようです。

問題数は、通し番号で22番まで。合計点は60点です。中には、記述で6点程度の出題が目立ちました。

それでは、各問題の分析を行います。


大問1-詩(成本和子『ねむねむのひつじ』)

問題になった詩は、成本和子『ねむねむのひつじ』。優しい語感の目立つ口語自由詩です。

問1(通し1)
体言止めが用いられている連を答える問題。この詩で使われている体言はいずれも漢字による熟語でしたので、答えやすかったものと思われます。

問2(通し2)
詩中で描かれているアゲハ蝶の羽化のようすを比喩を用いて表している部分を書き抜く問題。第一連に書かれていると気づかなければいけませんから、どちらかといえば問題演習をこなしている塾生徒などの正答率が高かったものと思います。

問3(通し3)
詩について説明した文として適当なものを、ア~エの4択から選ぶ問題。勘でも25%の確率で当たります。敬体、常体、文語体、口語体などのキーワードを適切に汲み取ることができたなら、3行もある選択肢をわざわざ読まなくても答えられたと思います。

各問題3点です。


大問2-小説(井上靖「しろばんば」)

問題になった小説は、井上靖「しろばんば」の部分抜粋で、ライトノベルであったり、柔らかい文体の文章に読みなれている生徒は読み砕くのが難しい反面、塾などで演習を重ねている生徒は容易に特典できたのではないでしょうか。

問1(通し4、5、6)
線の引いてある部分3箇所について、「ひたい」を漢字で書き、「透いて」「粗末」の読みを書く問題です。各2点3題でしたが、完全回答があったわけでもないので、正答率は高かったものと思われます。

問2(通し7)
主人公がしていた想像の内容を75字程度で書く問題です。かなり難しかったものと思われます。

問3(通し8)
主人公の祖父のようすをア~エから選ぶ4択問題。難しくはなかったと思われます。

問4(通し9、10)
主人公の祖父の業績を2つ、それぞれ1文で書く問題。あまり創作せずに、本文からの引用・抜粋で賄えますから、易問であったといっていいでしょう。

問5(通し11)
隠喩的表現から読み取る問題で、ア~エの4択。祖父の業績を聞いて祖父への見方が変わり始めている、と気づけば、それほど難しい問題ではありませんでした。

問1の3題は各2点、問2は6点、問3は2点、問4はひとつ2点の2つで計4点、問5は3点です。


大問3-論説文(中川元「世界遺産・知床がわかる本」)

問1(通し12、13、14)
「しょうひ」「かんさつ会」を漢字で、「循環」の読みを答える問題です。それほど難しくはないでしょう。

問2(通し15)
「恩恵に浴している」の意味をア~エの中から選ぶ問題で、「恩恵」という意味と「浴している」という隠喩的表現が理解できれば、簡単に選べます。

問3(通し16)
深海の栄養分が浅いところまで上がってくる理由を、深海の海のメカニズムを絡めて75字程度で説明する問題です。その後数行後にまとまってその答えが書かれているので、これも難易度は普通程度でしょう。

問4(通し17)
筆者の考えをまとめた文章の空白部分を本文から書き抜く問題です。文字数が多く警戒してしまうかもしれませんが、書き抜きですからそれほど難易度は高くありません。

問5(通し18)
段落同士のつながりを答える問題。順接、逆説、例示などをきちんと分析できればわかるはずです。ア~エの4択ですから、答えられると思います。

問1の漢字はそれぞれ2点の3題6点、問2は3点、問3は記述で6点、問4は完全回答3点、問5は3点です。


大問4-古文(李瀚「蒙求」)

問題になった古文は李瀚「蒙求」で、問題部分の最初に状況が説明されているので、読み取りもそれほど難しくなかったのではないでしょうか。

問1(通し19)
「読書」と同じ構成の熟語を選ぶ問題。熟語の構成を理解していないとできない問題です。「書を読む」なので、「読←書」ということになります。となれば、「難を避ける」で「避難」が当てはまることがわかるはずです。

問2(通し20)
「人従ひ学ぶ者有るも」と読むことができる漢文をア~エの中から選ぶ問題です。一二点、レ点の使い方がわかっていれば、難しくありません。

問3(通し21、22)
本文の内容に合うものをア~オから2つ選ぶ問題。完全回答ではありませんから、簡単だと思います。

記号問題で、問1は2点、問2は3点、問3は各2点です。



総括

記号問題で23点、記述で16点、書き抜きで6点、漢字で12点になっています。