彼は聞いているのかいないのか、よく分からなかったけどただ吐露する私のなかの淀みを受け止めてくれているように感じた。
それはずいぶん前から仲がいい友達にでも話しているかのような、または道端で見つけた野良猫に話しているようなそんな気分。
晴れていくでもなく、ただただ自分と向き合うためだけの時間だった。
いつからだろう、こんなふうに思っていることも何も考えないよう仕事に逃げ込み、彼氏という近いはずの存在が遠く、遠くにいってしまったのは。
私はそこでただ海の前に等しくあるちっぽけな人間なのだ。
心なしか迷いが消えた。
カチッと自分の何かがはまった気がした。