「日本」
  何と言う不思議な国であろう。

歴史的結果としての日本は、世界のなかできわだった異国というべき国だった。
国際社会や一国が置かれた環境など、いっさい顧慮しない伝統をもち、さらには、

外国を顧慮しないということが正義であるというまでにいびつになっている。

 

外国を顧慮することは、腰抜けであり、ときには国を売った者としてしか見られない。その点、ロシアのほうが、まだしも物の常識とただの人情が政治の世界に通用

する社会であった。   司馬遼太郎 著『菜の花の沖<六>』

 ※ この国には何でもある。

        本当にいろいろなものが あります。

        だが、希望がない。
                  村上龍 著『希望の国のエクソダス』