みなさんこんにちは。ヨッシーです。

現在「待機児童解消」の名のもとに保育所の民営化が進み、
企業運営の保育所が増えてきました。

かつて、認可保育所は公立か社会福祉法人の運営に限られ、1法人1施設の展開が主流でした。
しかし、待機児童問題が深刻になり現在の体制では運営が追い付かないと考え、
2000年に厚生労働省が営利企業である株式会社などの参入を認める通知を出して、
規制緩和を行ったことが背景にあります。

そのため、現在保育求人では、大手グループ経営、大企業が運営する…といった言葉を付けて
待遇の安心感をアピールする求人も多くあります。

企業の保育所運営参入には、企業側にそれなりのメットがなければ成立しません。
それが、「委託費の弾力運用」です。

私立の認可保育所には、運営費として市区町村から「委託費」が毎月支払われ、
制度開始当初は委託費をどのように使用するかは指定がありました。
しかしながらそれでは企業側にメリットがないとし、
委託費をどのように使用するかは企業が設定できる、
「委託費の弾力運用」を認めるようになりました。

本来であれば、保育士の処遇改善の目的に支払われている「委託費」が別の用途
例えば、他園の展開のための資金などに使用されるなどし、
企業運営の保育士の人件費比率は国の想定よりもずっと低いものになっているのが現状です。

※参照：AERA　2018年8月13－20日合併号より

このような実態を受け、国会でも再度弾力運用についての規制について再度議題に上げられています。

保育士の処遇改善に対し内閣府より施策が開始されていますが、
保育士の待遇に関しての問題が改善されないのは、このようなことが背景にあります。

現在求職中の保育士の方は、運営企業がメジャー、大企業だからという言葉だけでなく、
処遇改善金や手当、待遇などについてはしっかり確認しておくようにしましょう。

大企業の運営だから安心？