私は毎日5歳の娘にお米を研いでもらう。(研ぐといっても洗う感じ)

もう随分前から続いていて、ほとんど一粒もこぼさずにきれいにしてくれる。


ある日、娘は水に浸す前のお米を、「食べてみていい?」と言って口の中に入れた。

娘 「カタッ。」 と言って、口から出した。


そして、水に浸しながら研ぎ始める。しばらくして、また

娘 「食べてみる」

  「あ、軟らかいくなった」

炊いたわけではないので、硬い米ではあるが、水を含んでしばらく時間がたったので口の中で簡単に砕けたようだ。

水による作用を体感できた面白い経験だと思い、

「お水で洗ってたらなんで軟らかくなったんだろう、面白いねえ、なんでだろうねえ」

と、言っておいた。

娘は、さすがに何も言わなかったが「う~~ん」とゆっくりうなずいていた。



娘は私によく三角おにぎりをせがむ。

私の母が子どものころとてもきれいに三角形のおにぎりを結んでくれたので

その手つきを真似て、私もこれだけは結構得意。


きれいな正三角形の小さなおにぎりに娘は憧れのような気持ちも重なって

作っている最中、待ちきれなさそう。必ず残さず食べる。


ある日ついに、「ちーちゃんもやる~」と言ってきた。


私「じゃあ、よーく手を洗って。」

娘は牛乳パックで作った踏み台を二つ自分で重ねて流しの前に立ち、手を洗う。


私「ご飯熱いかもよ。気をつけてね」

と言いながら、娘の手のひらに塩をかるく振ってご飯をのせた」

そして、

私「下の手でしっかりご飯を持って、もう一つの手をお屋根にして、キュッて力入れて、一回まわして、、、、」

とやって見せながら説明していった。

娘も同じようにやってみようと、ご飯の塊を一生懸命コネコネしてる。

が、三角形はさすがに難しい。

娘「ちーちゃん、丸にする。」

と言って、お団子つくるように丸めた。

私は「今日は丸でもいいよね」と言いながら、娘の作った丸おにぎりを置くお皿を出してあげた。

「昔ね、ママが子どもだったころ、中野のバアバがいつも三角形のおにぎり作ってくれたんだ。

すごく上手でね、ママもバアバのまねしながら一生懸命練習したら、いつの間にかできるようになったんだよ。中野のバアバは上手だったなあ、美味しかったんだあ。」

と、ゆっくり言い聞かせた。

丸しかできやしないと、ちょっと口をへの字にしていた娘は、ふとあごを上げ目をキラキラさせてこっちを見上げてきた。

娘「ええ、いつ?」

私「ママがこどものころだよ。」

娘「中野のバアバはちーちゃんが赤ちゃんのとき、チーちゃんのホッペさわってたんでしょ」


私の母(中野のバアバ)は娘が1歳2ヶ月のとき他界した。

初孫の娘が生まれた時のはしゃぎ様を、バアバの記憶がない娘に伝えようと時あるごとに話していた」

その、バアバが三角おにぎりが上手でママも練習したと知り、感無量だったみたいです。


後日、娘はやはりいつものように三角おにぎりを私にせがんだので

私「ちーちゃんもやってみる?」 と聞く。

娘「ん~、丸作ろうかなあ~。」

三角形はまだ自信がなく、誘うとモジモジする。


その度に中野のバアバの話をする。話を聞いてるときは凄く嬉しそうな娘。

でも、自分で作るのは丸おにぎりが精一杯。


今もそんな感じが続いている。しばらく、三角おにぎり挑戦への道を私も楽しもうと思う。

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