彼岸花

 庭にたくさんの彼岸花が咲く。

何もないところから、一週間で一気に茎が伸び、花をつける。

私はこの花が咲くと、毎年、「そろそろ布団を用意しなくちゃ」と思う。

最近テレビの番組で知ったのだが、気温が25度Cになると咲くのだそうだ。

また、この花には「マンジュシヤゲ」など1000個もの異名があるそうだ。


子どものたとえは

娘 「花火みたい」

二男 「噴水だよ」


私の彼岸花の思い出------

中1になる長男を産んだのが、丁度9月の初旬で、

病院から帰って、はじめての子育てに追われながらも

秋雨に打たれる庭の草花を見ながら、静かにすごしていた。

第一子のときは、本当に静かな子育てだったと思う。

(第二子、三子に比べて、上の子がいないので)

その中で彼岸花はあっという間に出てきて、咲くのに驚いた。

そして、急に寒くなり、赤ちゃんの靴下が必要になって、あわてたことを思い出す。

あのゆっくりとした時の流れは、忘れることができない。


長男にその話しをしてみた。

「ふーん」と言っていたが、静かに聞いていたので、きっと残っていくと思う。


私はそれぞれの子どもが生まれたときの話しをよくする。

みんな自分の生まれたときの話が大好き。

病院にいくときのバタバタぶりが、すごくうける。

「お腹の中ではどんな子だった」とか「よく寝る赤ちゃんだった」とかも。

彼岸花は長男出産の思い出の花。一生忘れることはないだろう。

                                                hanako