「倒れても男性の医者がいる」

静岡県掛川市の市長がこんな発言をしてひんしゅくを買ったらしい。
参考記事・「倒れても男性の医者がいる」発言で静岡県掛川市民から批判の声 市「特段の対応は考えていない」

記事では「市長みたいな人がそういう言葉を使うのは残念。」「人間の命に対して男とか女とか関係ないし、不適切な発言だと思う」といった市民の声が紹介されている。

しかし、これはちょっとおかしい。

このタイミングでのこの発言、明らかに舞鶴市で起こった「女性は土俵から降りてください」事件を受けてのことだろう。日本の伝統を見失った日本相撲協会

それを頭に入れておけば、これは日本相撲協会に向けた皮肉だと考えるのが妥当だろう。

つまり
「ここには男性の医者がいるので、土俵に上がってもうるさい相撲協会からがたがた言われませんよ」という意図を込められているのだろう。

これで非難が起こる理由がわからない。
「人間の命に男も女もない」なんて発言は、完全に意図を理解していない。この人はいったいどういう意味に受け取ったのだろう?

ネットではほかにも「人の命がかかった問題を笑いのネタにするなんて」という声も上がったが、読売新聞に掲載されている4コマ漫画「コボちゃん」でも同様に「笑いのネタ」にして、こっちはなぜか受けている。参考・やっぱりコボちゃんすこ

これはどう説明するのか?

「人の命がかかったものを笑いのネタにしてはいけない」などと言いだしたら、お笑いや漫画だけではなく、映画や小説も大きな制約を受けて、下手をすれば何もできなくなってしまいかねないのだが。

この件ついて市は「特段の対応は考えていない」ということだが当然だろう。皮肉が通じない人にいちいち対応していたらきりがない。

もう少し皮肉が通じる社会になってほしいものだ



と思っていたら

こんなニュースが飛び込んできた。

https://www.sankei.com/life/news/180409/lif1804090014-n1.html

曰く

「本当に緊張していて足が震えていた。全く舞鶴市のことは意識になかった。後から言われれば(不謹慎と)受け取られるかもしれない」

全く舞鶴市のことは意識になかった。

なかったのかよ!

だったらホントに訳の分からん発言をしただけやんけ!

これは単なる言い訳かもしれないが、火に油を注ぎそうな言い訳だ。

俺は皮肉だと思ったのだがそうではなかったようだ。
どうせ言い訳するなら「あれは皮肉だった」とでも言えばよかったものを。
実は俺の考え通りの皮肉で、それがクレームによって引っ込めなければならなくなったのならそれはそれで悲しい。

なんとも釈然としない間抜けな話であった。

下のバナーを1クリックお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村