超能力の話になるが、以前テレビで、超能力者が本物かどうか、検証をする番組をやっていた。

その中で、あるアイドルが自ら被験者(?)になって超能力の実験に臨んだ。
その時、実験はまあ成功したのだが、更なる検証をしようということで、スタジオで別の実験を行った。

その実験も、俺から見れば成功とは言えない、そもそも実験の内容自体が子供だましのようなものだった。
事実、スタジオ内では比較的疑問視する声の方が多かったように思えた。

しかし、そのアイドルは、「実際に目の当たりにしてるから疑わない!」などと高らかに宣言していた。

しかし、これはこれで問題だ。

まあ、信じる信じないなら好きにしてくれていいのだが、正直言って、「自分が見たのなら信じる」という思考回路は「信じる前に、ちょっと俺の話を聞いてくれ」と言いたくなる。

このアイドルのように、幽霊でもUFOでも「自分が見たら信じる」という人は時々いる。

だが、少し考えてみてほしいが、たとえ目撃者が自分であろうと、それは、数ある目撃証言のうちの1つに過ぎない。

自分の目撃証言だけを特別扱いするのは、合理性に欠ける。

何か特別な体験をしたような気になるのはわからなくもないが、それで目の前で起こったことの証明になるわけでもなんでもない。

超常現象に出くわした、そんなときに最も重要なことは、

「その現象は本当に心霊現象なのか?」ということ。

「奇妙なことが起こった」というだけではだめだ。
「それは、幽霊が引き起こしたのか?」という点をはっきりさせなければそれを「心霊現象」とは断定できない。

はっきりさせられなかったらどうなるか、と言ったらそれは、「原因の分からない何らかの現象」ということになるだけだ。

「不思議な現象」=「心霊現象」ではないのである。

(続く)

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