それは、実物を誰の目にも映るように示されることだ。

例えば、幽霊を、何か神秘なものでなく、新種の動物とでも考えてみて欲しい。

新種の動物を新種と認定されるには、写真だけではだめだ。
実物が無くてはいけない。

ちなみに、もしもあなたが新種を見つけたらスミソニアン博物館に送ると認定してくれるらしい。標本でもいいらしいので、見つけた方は送ってみるといい。

生物の新種と認定するためには、実物を見て、その体のつくりや組織、なんなら遺伝子を調べて、それがかつて存在しなかったことが証明されなければならない。

それは、写真を見ただけでは分からない。
というよりは、写真を見ただけでは分からないところがあるかもしれないから、実物を見て確認する必要がある、と言った方が良いだろう。

新種の生物の写真を見せたところで、新種を発見したとは認めてもらえない。

別にそれは、意地悪をしているわけでも疑っているわけでもない。必要な手順を踏むというだけのことだ。

それは、幽霊についても変わらない。
実際のものを見て、確認しなければならないことがたくさんある。
写真だけでは、ただ、「何か人間の手のようなものが人の肩に乗っている」とか「人の顔に見えるものが人の体にかぶさっている」というだけのことに過ぎない。
ちなみに、写真でなく、動画であっても同じことだ。

大事なのは実物だ。

まず何よりもそれが最優先される。

はっきり言えば、写真を何万枚持ってきても無駄、何万時間分の動画があってもやはり無駄だ。

ここまで話したことで、ひょっとして、「いや、実物の存在は証明されている。実際に目撃証言がいっぱいあるじゃないか!」

と思った方もいるかもしれない。

残念ながら、それも駄目だ。

(続く)

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