トーマは、あるビルの屋上に来ました。
「ばーん!」
 トーマは、さくをいきおいよくたたきました。
 雪がどさっとおちて、ぱらぱらちって、ふわっとまって。
「うわあ、きれい」
 
雲のすきまから、月と星がてらします。

金の光、銀の光。

きらり きらり

おちていく雪も、つもっている雪も宝石のようです。
「おきてよかったあ」
 トーマは雪の上にねころがりました。


(つづく)