経済界倶楽部９月東京例会。

講師は、コメ兵ホールディングス代表取締役社長執行役員の石原卓児さん、テーマは「変革し続ける経営」でした。

コメ兵は、業態で言えば中古品売買、一般的には「リサイクル流通業」や「中古品販売業」といわれている会社になります。

しかしながら、その呼称では「中古品」のマイナスイメージは拭いきれないという思いから、1995年に「リレーユース」という言葉を提唱したそうです。

「リレーユース」とは単なるリサイクルではなく「所有」と「レンタル」の中間を意味し、「永久所有」ではなく「一時所有」。ひとつの商品が人から人へ繋がれ、有効活用されていくということ。そして、その中間期としてコメ兵があるという考え方です。

これによって、一つの商品はその役目を終えるまで、箪笥などで眠ることなく使われ続けます。

この考え方が時代にマッチしていたことが追い風になったこともあって、コメ兵は日本最大級のリユースデパートとして圧倒的な存在感を誇るほど躍進しました。

この考え方の素晴らしさはいうまでもありませんが、企業として特筆すべきは、二代目の社長がこれを提唱したことにあると思います。

これについてはまた後に触れます。

そんなコメ兵ですが、これまでに３度の経営危機があったそうです。

リーマンショック、チャイナショック、そしてコロナ。

中でも、コロナは、ご承知の通り一定の地域や業界だけでなく世界や社会全体が停滞してしまうという未曽有の危機になりました。

当然、コメ兵もその波に完全に飲み込まれます。

特に中古品は一品限りの現物商売。

そのために対面販売が基本であり、これまでの常識でした。

それができなくなれば、店舗は休業を余儀なくされます。

結果、創業以来初の最終赤字に陥ってしまったそうです。

それが23年3月期には、２期連続の過去最高益を更新するほどＶ字回復をしました。

これについて、石原さんは、「守るべきものはしっかり守り、攻める気持ちはそのままに、先を見据えてもがいた」という言葉とともに、実行した対策をいくつか話してくれました。

社長からの情報発信、ＯＭＯの強化、各社の自律した経営を目指しホールディングス化…

一つ一つの対策の説明は省略しますが、これらによって、時代にあったビジネススタイルへ前倒して変革できたことが、Ｖ字回復に繋がった。

これは確かです。

それだけでも為になる話でした。

しかし私が感銘を受けたのは、それだけでなくそれを可能にした背景、企業の土壌です。

「リレーユース」

二代目社長が提唱したこの思想を文化にする。

４代目の社長である石原さんのミッションであり、コメ兵の目的、いまでいうパーパスです。

企業を経営していると必ず不調の波があります。

しかし、その企業に与えられたミッションがブレない限り、その波は乗り越えられ、むしろ、その後のさらなる飛躍へとつながります。

石原さんの話はまさにその実例でした。

そして、企業が継続して成長していくために二代目がいかに重要なポジションにいるのか。

二代目の重要さをあらためて認識しました。

石原家には家訓があるそうです。

それがいまのコメ兵のクレド（行動指針）に受け継がれています。

時代によって形は変わっても行動指針は変わらない。

それが「リレーユース」の提唱を生み、さらなる飛躍の翼になっています。

いま問題になっている企業は二代目が実権を握るようになってから変わったと聞きます。

先代を守る、超える…選択はひとつではありません。

ただ、その選択いかんで企業はいかようにもなるということは間違いありません。

素晴らしい講演でした。

感謝。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。

良かったら、いいねとランキングのポチをお願いします。

ハッピー日記ランキング

ありがとうございます。

感謝とともに利他の精神を持つ素敵なあなたの幸せを

心よりお祝いします。

感謝。

経済界俱楽部2023年9月東京例会雑感 なぜ経営危機を乗り越えただけでなくV字復活できたのか

経済界俱楽部2023年9月東京例会雑感　なぜ経営危機を乗り越えただけでなくV字復活できたのか