先日のYahooニュースより。
市民の暴言で窓口職員PTSD、公務災害認定
兵庫県内の自治体で窓口業務を担当していた女性職員が、市民からの暴言を受け、
心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、地方公務員災害補償基金兵庫県支部から
1月に公務災害として認定されたことがわかった。
自治体の窓口業務を巡るトラブルで、職員の精神疾患が公務災害に認められるのは珍しいという。
女性から相談を受けたNPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神戸市)や同支部によると、
女性は2008年8月、窓口を訪れた市民に「インターネットに名前を載せる」「はよ死ね」などと言われた。
その後、女性は窓口でのやり取りを思い出しておびえる「フラッシュバック」や、
勤務先に近づくと鼓動が速くなるなどの症状を訴え、PTSDと診断された。
私が驚いたのはこのニュースに対しての意見に
『この女性はどれだけかわいがられて育ったんだ』とか
『公務員はこれだから』とか
『市民の暴言だけで労務災害なんて認定が甘すぎる』などの
批判が多かったこと。
そもそも日本でPTSDが認められるようになったのは
1995年1月阪神淡路大震災、そして同年3月の地下鉄サリン事件からなので
歴史的にまだなじみが浅く、理解度も低いのではないかと思います。
天災や、大事件のみが原因で発症するものと思っている方もいるかもしれない。
そうではなく、ある医師の定義では
「過剰な刺激により、人間の心が持っているある種の防護壁
(「刺激障壁」)が壊れてしまうこと」
でもあるので例えば「ネットに名前を載せる」なんて言われたら
現代のネット社会を考えたら不安を刺激する材料の1つと考えるのは
当然のことなんじゃないかな。
同じような出来事に遭遇したとしてもPTSDを発症する人とそうでない人がいること、
性格傾向や精神障害の家族歴など様々な要因が発症に影響すること、
を考えると捉え方はいろいろだろうけど。
少なくとも公務員だって人間。
見ず知らずの人から、いや、知ってる人からでも
上記のようなことを言われたら少なからず動揺して不安感に襲われると思う。
この記事だけでは職員がどのくらいの期間言われていたか書いていないけど
PTSDはその症状が1ヶ月以上続く時に認められるから、
その期間苦しんでいたことは確かで。
そんな想いの中仕事に行かなければと思うことが
どれだけ辛かったことか。
まぁ、こんな状況になる前にこんな市民が来た時に
全面に出てかばうことができなかった職場の態勢を疑うけどね