百選105 最判H14.1.22


【事案】
①Y・A(請負人)店舗新築工事請負契約を締結
②X→A 家具等の商品(本件商品)を販売したとして、売買代金支払い請求(前訴)
③(前訴)A:本件商品を含む商品は、施主YがXから買い受けたもの
     X→Y訴訟告知
  Y訴訟参加せず。
④(前訴)請求棄却
     理由中:本件商品はYが買い受けたものと認められる。
⑤(後訴)X→Y 本件商品の売買代金支払い請求
⑥(後訴)原審:X請求認容。訴訟告知による判決の効力が被告知人Yに及ぶから、YはXに対し、本件商品を買い受けていないことを主張できない。



【判旨】破棄差戻し。

問題提起:前訴の訴訟物は売買契約の基づく代金支払請求権で、請求原因はX・A間の売買契約。買主がYであるという判断は判決理由中で間接事実として判断された。このような場合に、Yに参加的効力が及ぶか。

ポイントは2点。
⑴補助参加の利益の議論
⑵参加的効力の客観的範囲の議論


一般論として、【規範】
告知を受けて参加しなかった者に効力が及ぶのは、訴訟告知を受けた者が、訴訟の結果について法律上の利害関係を有する場合に限られる。
法律上の利害関係を有する場合とは、当該訴訟の判決が、参加人の私法上または公法上の法的地位または法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合をいう。(→訴訟物限定説か?)


【あてはめ】
前訴の結果によって、YのXに対する本件商品の売買代金支払義務の有無が決せられる関係にあるものではなく、前訴の判決はYの法的地位または法的利益に影響を及ぼすものではない。
すなわち、Yは、前訴の訴訟の結果につき法律上の利害関係を有していたとはいえない。
したがって、Yが前訴の訴訟告知を受けたからといって、Yに前訴の判決の効力が及ぶものではない。

(→判旨は、補助参加できる要件としての補助参加の利益と、参加的効力をもたらす訴訟告知の有効性の要件としての補助参加の利益とを区別していない…?)



一般論として、【規範】
参加的効力は判決主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけではなく、その前提として判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断などにも及ぶ。
この判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断とは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいうものであって、これに当たらない事実または論点について示された認定や法律関係を含むものではない。


【あてはめ】
前訴の判決理由中、Aが本件商品を買い受けたものとは認められない旨の記載は、主要事実に係る認定にあたるが、Yが本件商品を買い受けたことが認められる旨の記載は、前訴判決の主文を導き出すために必要な判断ではない傍論において示された事実の認定にすぎないものである。したがって、参加的効力が及ぶ事実ではない。

⭐︎この点について高橋反対説。もっとも、被告知者に、協同して訴訟追行する義務まで負わせるのは妥当でない。


民訴百選104 最判S45.10.22


【事案】
①XY1(賃借人) 賃貸借契約。 Y1→X保証金300万円支払
②A→Y1 所有権に基づく明渡請求・損害賠償請求(前訴)
 Y1主張:本件建物はX所有
 Y1→X訴訟告知 XはY1側に参加。X:X所有
③(前訴)A請求認容。本件建物はA所有。
④(前訴係属時)X→Y1・Y2(Y1の連帯保証人) 賃貸借契約に基づく未払い賃料支払請求・賃貸借契約解除後の損害金支払い請求。 (本訴)
 Yら抗弁:ⅰ要素の錯誤による賃貸借契約の無効。ⅱ前訴確定により、Xは、Yらに対しX所有を主張できない。
 Yら→X反訴:保証金相当額の支払請求
⑤1審
 46条=既判力の主観的範囲拡張。
 →参加人は訴訟物である権利または法律関係の存否の前提となる理由中の判断の拘束力は受けない。Xは前訴確定判決の理由中でなされたAの本件貸室に対する所有権の存否についての判断の拘束力を受けないから、Yらの主張ⅱは失当。Yらの主張ⅰを認め、請求棄却。反訴認容。
⑥控訴審
 46条の趣旨=共同で訴訟を追行した者の間での公平。訴訟の結果についての共同責任を負担させるもの。判決によって公権的に解決された紛争の蒸し返しを禁ずる趣旨の既判力とは異なる。→その効力の及ぶ客観的範囲も訴訟物だけでなく、その前提となった認定事実や判断にも及ぶ。Yらの主張ⅰ及びⅱを認める。控訴棄却。


【判旨】上告棄却
46条参加的効力は既判力ではない。
すなわち、判決の確定後補助参加人が被参加人に対してその判決が不当であると主張することを禁ずる効力であって、判決の主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否の理由中でなされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断などにも及ぶものと解するのが相当。

理由)参加的効力の根拠は、公平の見地から、敗訴責任の分担。
   単に訴訟告知を受けたにすぎない者にも参加的効力が及ぶから、既判力とは別に解すべきである。


【あてはめ】
別件訴訟の確定判決の効力は、その訴訟の被参加人Y1と補助参加人Xとの間においては、その判決の理由中でなされた判断である本件建物の所有権が右賃貸当時Xには属していなかったとの判断にも及ぶ。したがって、Xは、右判決の効力により、本訴においても、Y1に対し、本件建物の所有権が右賃貸当時Xに属していたと主張することはゆるされない。


※補助参加人に対する効力の限度で、大審院判決S15.7.16変更


⭐︎客観的範囲につき、既判力説にたったとしても、遮断効によってXの主張を封じることは可能。
⭐︎参加的効力が相手方にも及ぶか、は本判決の射程外である。
⭐︎連帯保証人は、主債務者の債権者に対する参加的効力の抗弁を援用することができる。

「嫌われる勇気」(岸見一郎・古賀史健 著)

・原因論(フロイト)ではなく、目的論(アドラー)で思考する。
・世界はシンプルであり、人生もまた同じである。

アドラー心理学の掲げる目標

ー行動面の目標ー
①自立すること
②社会と調和して暮らせること

ーこの行動を支える心理面の目標ー
①わたしには能力がある、という意識
②人々はわたしの仲間である、という意識



出発点:課題の分離…結末を引き受けるのは誰か、を基準に考える。他人は、「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を呑ませることはできない」。他人の課題を切り捨てる。「自分の信じる最善の道を選ぶこと」
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
↓  トラウマは、存在しない。
↓  主観はライフスタイルのあり方(=交換可能)である。
↓   変わるためには勇気が必要。
↓ 「対人関係」の悩み:対人関係のカードはわたしが持っている。
↓  まずは自分
↓  行為ではなく存在
↓  承認欲求に囚われている人は自己中心的である
↓  自己への執着から他者への関心へ
↓  縦の関係ではなく、横の関係を構築する。
↓  他者を評価しない。横の関係に基づく援助は「勇気づけ」
ゴール:共同体感覚:自己受容・他者信頼・他者貢献
行き詰まったときは、より大きな共同体の意見を聴け。存在レベルで価値がある。
肯定的なあきらめ:「神よ、願わくばわたしに、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ」→足りないのは能力ではなく勇気。
他者貢献は「わたし」の価値を実感するためになされるもの。

幸福とは何か?…自己肯定ではなく、自己受容である。貢献感。


「人はいま、この瞬間から幸せになることができる」
「安直な優越性の追求」をやめる。=普通であることの勇気

人生は、線ではなく連続する刹那である。
→ダンスするように生きるにひひ音譜
「いま、ここ」未来・過去について考える必要はない。
人生は、常に完結している。


「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わなければ、迷うことはないし、なにをしてもよい。
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わり得ない。