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松尾芸能賞の授賞式

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松尾芸能賞の授賞式の模様です。
松尾芸能振興財団が、日本の伝統ある劇場芸能を助成し、
文化・芸能の保存、向上に寄与した人に贈る賞です。

邦楽や古典芸能関係では
優秀賞 太鼓集団の「鼓童」さん(太鼓)
優秀賞 国本武春さん(浪曲)
新人賞 清元栄吉さん(作曲・三味線)
新人賞 中村勘九郎さん(歌舞伎俳優)

大賞は三谷幸喜さん(脚本家)
そのほかの受賞者も一堂に

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写真左から
清元栄吉さん(作曲・三味線)
国本武春さん(浪曲)
千昌夫さん(歌手)
白石加代子さん(俳優)
財団の理事長 松尾日出子さん
三谷幸喜さん(脚本家)
安奈淳さん(俳優)
「鼓童」を代表して 見留知弘さん(太鼓)
中村勘九郎さん(歌舞伎俳優)

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鈴木京香さんも三谷さんへのお祝いにかけつけました。

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国本武春さん

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弾き語りを披露

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「鼓童」見留知弘さん

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大太鼓の演奏を披露

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清元栄吉さん

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国本武春さんと、母上で同じく浪曲師の国本晴美さん
国本さんのお祝いにかけつけた曲師の沢村豊子さん

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鼓童の見留知弘さんと洲崎純子さん

みなさん おめでとうございます! (州)

被災地ツアー?

4月号の特集として、3月11日、福島県いわき市豊間中学校を取材した。
いまはがれき置場になっている中学校の周りは、コンクリートの基礎だけ残した住宅跡が広がっている。
中学校を撮影していると、観光バスが通り過ぎた。
そして、2軒残っている家の前で停まった。
写真右手に映っているのがそれだ。
乗客がゾロゾロ降りて来て、その家の土地に入り、みな一斉にその家の写真を撮り始めた。
家を一周する者もいる。
ほんの数分で、バスは再び乗客を乗せて走り去った。

これ、どうなのだろう。
すぐそばでは、法要を営んでいるところもある。
もし、自分がその土地の者だったら、見知らぬ人が土足で庭に入られることをよしとしないだろう。
いくら、被災地に思いを寄せることが大事、とはいえ、礼儀というものはあるだろう。
こちらも、取材の仕方には慎重になった。

六段最中

こんなお菓子を頂きました。

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福島県いわき出身の箏の名手、八橋検校にちなみ、箏をデザインした六段最中です。
白い皮は白餡、茶色い皮は黒餡。程よい甘みで美味しくいただきました。

箏の名曲『六段(六段の調)』は「箏曲大意抄」(1779)以来、八橋検校作曲と伝えられてきましたが
「六段」はキリシタンの音楽だった!?
という説も発表されました。

特集「六段の調」はキリシタンの音楽だった!
「邦楽ジャーナル」Vol.285(10年10月号)
http://hj-mag.com/SHOP/hj-285.html
(バックナンバーとしてお求めいただけます)

耳でも確かめてみたい方はぜひこちらを
箏曲「六段」とグレゴリオ聖歌「クレド」[1467]
http://hj-how.com/SHOP/1467.html
(CD好評発売中)

邦楽にまつわる、名物やグッズなどの情報、ほかにもたくさんあるかと思います。
「私の地元にはこんなのがあるよ」
「旅行先でこんなの見つけた」
という方はぜひ編集部 info@hogaku.com へお知らせ下さい(州)

「白なめし」の森本さん亡くなる

この時期、黄泉の国の扉が開放されるのでしょうか、
毎年旅立たれる方が多くなります。
「津軽三味線まんだら」の著者・松木宏泰さんの葬儀に出席して
青森から関西に行き、昨日事務所に戻るなりまた訃報が…。

姫路で「白なめし」一筋に生きてこられた森本正彦さんです。
化学薬品を使わず天然塩と菜種油だけで皮をなめされていた唯一の方でした。
「日本の音フェスティバル」(JASRAC主催)というイベントを
制作させていただいたとき、
その作業実演をしていただく予定だったのですが、
肺ガンでドクターストップになり、
作業工程のパネルや革の展示などでご紹介したことがあります。

そのとき、森本さんのことを佐々木幹郎さんが詞にしてくださり、
伊藤多喜雄さんが唄ってくださいました。
その後、森本さんの作業場を多喜雄さんと訪ね、
おふたりに対談していただき特集にしたことがあります。
9年ほど前のことでしょうか。
差別との戦いの人生でもあった森本さんですが、
「何も恥じることはない。
 僕を取材してもらえると川のためにもいいので嬉しい。
 川を汚してはいけないと周りの人も思ってくれますから」
と話してくださっていたことを思い出します。(お)

映画「PRAY FOR JAPAN 心を一つに」3/11からロードショー

去る3月6日に、東日本大震災を題材にした、非営利のドキュメンタリー映画「PRAY FOR JAPAN 心を一つに」のワールドプレミアが新宿で行われました。チケットが早々に完売したことからも、多くの人々の関心の高さと被災地への思いが伝わってきます。私(州)も拝見して参りました。

監督のスチュウ・リービー氏は災害ボランティアとして現地を訪れ、そこで出会った人々の姿、辛抱強さや、自分を犠牲にしてまで他人を思いやる精神に感銘を受け、この人達のことを世界に伝えなくては!との思いからこの映画をつくったそうです。

監督曰く「この作品はニュース映像ではありません。反核を訴えるものでもありません。普通の人々が自分の家や命を救うため、たくさんのものを失いながらも前向きに生きる物語です。誰にも知られていない、ヒーローたちの物語です」

そのヒーローたちの中には3Dファクトリー千葉秀さんや青い鯉のぼりプロジェクトの伊藤健人さんも登場。そして映画の中に閃雷(せんらい)の音楽も流れます。

映画は淡々と、しかし温かく人々をとらえ描いています。ヘンにドラマチックに盛り上げようといった演出をされていない分、かえって観る者の心に染み込んできます。            

上映後、監督はじめ関係者のご挨拶があり、そのあと21:15から閃雷による約30分間のライブ演奏、その後に懇親会と盛り沢山のプログラムで、お開きは23時近くなっていました。

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会場にはもちろん「希望の鼓」

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$邦楽ジャーナル 編集部のときどき日記-千葉秀さん三浦公規さん
奥の白いシャツ姿が閃雷の三浦公規さん、眼鏡をかけているのが千葉秀さん

上映予定 シネマート六本木にてロードショー
3月11日(日)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)限定公開
詳細は
http://prayforjapan-film.org/

音を見る23 ひなまつり

毎回、音色にかかわる言葉を書いていますこのコーナー、今回のテーマは「雛祭」です。

あかりをつけましょぼんぼりに・・・ではじまる、サトウハチロー作詞、河村光陽作曲の「うれしいひなまつり」を書いてみました。

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ひな壇の写真を2点ご紹介します。微妙にメンバーチェンジしているひな壇は妖怪食堂-雛祭り-というイベントで飾られたもの。もうひとつは、某信用金庫の店頭に飾られた行員さん手作りと思われる、貯金箱改造型ひな人形。女子にはちゃんと口紅とまつげが加えられていました。
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書&文章
心に届く手書き毛筆 田坂州代

松木宏泰さん亡くなる!

邦楽ジャーナルで2007年10月号から
42回にわたって津軽三味線の歴史を連載執筆、
昨年それを単行本「津軽三味線まんだら」に
まとめていただきました松木宏泰さんが、
今日(3月1日)午後6時に亡くなられました。

津軽三味線だけでなく、津軽民謡や南部民謡の面白さ
津軽という土地柄のことなど
さまざまなことをお教えいただきました。
まだまだお教えいただきたいことがあったのですが…。(お)

「変絃自在」福井公演終了しました!

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         コンサート前日に開催した講習会風景

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                 ↑
           コンサート開場前のロビーです。
      茶の湯同好会のみなさんによってお茶が振る舞われました。   

野坂操壽×沢井一恵「変絃自在」福井公演が
2月19日(日)に無事に終了しました。
ご来場いただきましたみなさん、お世話になりましたみなさん
ありがとうございました。

コンサート前日に開催しました講習会にも
遠くからもご参加いただきました。
ありがとうございます。
講習曲は「瀬音」と「五段砧」。
講習会が進むにしたがって、
みなさんのお顔も音もイキイキと変化していかれました。
「古典も楽しいものだと知りました」と感想を述べられる方もあり、
私たち制作サイドも嬉しかったです。

福井は寒波にスッポリと覆われていましたが、
コンサートの開場時と終演時は“横に走っていた”雪がピタリと止み、
真っ青な空が広がり、雪山を背にした真っ白な世界がキラキラ輝き、
やわらいだ光に春の到来を感じました。(お)

映画『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』

映画『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』
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  岩手県北上市の岩崎という農村地域に古くから伝わる郷土芸能「岩崎鬼剣舞」を受け継ぎ守ってゆく地元の人々の姿を丁寧に追ったドキュメンタリー映画『究竟の地 岩崎鬼剣舞の一年』。三宅流(みやけ ながる)監督が現地に拠点を置いて一年間にわたり撮影した作品です。
  2/2の試写会に伺いました。岩崎に住む人々が大人から子供まで、みながこの芸能を大切に思い世代から世代へ熱い思いとともに伝え続けている姿に感銘を受けます。保存会の人はもちろん、その地域で育った人全員が囃子が鳴れば舞えてしまうことのすごさ。ご当人達は「あたりまえ」と思っているかもしれないけれど。こんな素敵なコミュニティの中で育った子供達は、心に豊かな財産を抱き、きっと幸せな生き方ができるに違いありません。(州)

2012年2月25日よりロードショー!
ポレポレ東中野
東京都中野区東中野4-4-1/ポレポレ坐ビル地下/TEL 03-3371-0088
http://www.mmjp.or.jp/pole2/

公開にともない様々なイベントも行われます。
詳細は三宅流氏のサイトでご確認下さい。
http://www.nagaru-miyake.com/

音を見る22「雪」

毎回、音色にかかわる言葉を書いていますこのコーナー、今回のテーマは「雪」です。
先日、東京でも初雪が降りました。今も庭の日陰に氷りついて残っています。

地歌の名曲数あれど、「最も地歌らしいというか、いかにも地歌という作品を挙げるとなりますと、どなたもまず『雪』を推されることでありましょう。地歌から『雪』をとると、地歌が半分なくなったような気がすることと思ひます」と地歌箏曲研究家の中井猛氏もおっしゃるとおり、故・武原はん氏や、現在では歌舞伎俳優の坂東玉三郎丈の美しい舞姿でも知られる地歌の名曲『雪』。地歌の世界では、関西風に「ゆき」の「ゆ」にアクセントを置く言い方で呼び習わされています。

お稽古に便利なカセットテープもあります。
「古典教材ライブラリー2 雪」
A面は箏・三絃・尺八の三曲合奏、B面は箏・三絃・胡弓の三曲合奏です。

また、歌舞伎のお芝居を盛り上げる大切な効果音、黒御簾(くろみす)音楽には「雪音(ゆきおと)」がありますね。雪の降るさまを太鼓で表現するという昔の人の知恵です。雪に音があるわけではないけれど、あの、低く柔らかく響く大太鼓の音を耳にすると、雪が降っている気分になるから不思議です。さらには、木や屋根に積もった雪がドサッと落ちる情景だって太鼓で表現してしまう技もあるのですからすごいです。

地歌『雪』の魅力的なフレーズは、「雪の合方」としてお芝居や小唄など他のジャンルの中にも取り入れられています。そうそう、柳家喬太郎さんの新作落語「布哇(ハワイ)の雪」のラストでも「雪の合方」の三味線が流れます。かつて恋人同士だった二人が老いて死を間近に迎えた今、再会をはたすという、心温まる素敵なお話です。

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書&文章
心に届く手書き毛筆 田坂州代