1-2-2Nzトラップの続編です
システムを考えるとき、考えられる相手の攻め出しパターンを全て洗い出し、それぞれの攻め出しパターンについて5人それぞれがどう動くのかの対策をしておかなければなりません。

ここでは相手が1-2-2に対しての攻め出し方(ダブルスイングやストレッチ等)をとくにしてこない、つまりオーソドックスに攻めだしてきたときのトラップ側の動き方を考えてみます。

パックを放り込む
1-2-2の形が完成
相手DFがパックを取りすぐに攻め出す





まず一番気をつけなければならないのは、やはりFW1が突っ込むことですね。
パックを持ち上がってくるDFに対してチェックに向かって行ってしまうと簡単に抜かれてしまうことは前回も言いました。

このケースでは更に逆サイドにDFがいるため、なんなく1パスで中央分離帯クリアされ、続けて誰もいなくなったセンターレーンにもう1つパスをつながれた時点でゴールまでの一直線ラインができてしまいます。

FW1はあくまでも中央分離帯です。トラップ使用時には相手に突っかからないよう気をつけましょう。それなら初めからフォアチェックに行くべきだ!ということになっちゃいます。中途半端はダメですよ!

じゃあ考えられる相手のパスパターンを考えてみましょう。


一番可能性の高いのは1番
ここは相手DFのパックの置き位置、体の向きをよく見ておき読みと反応で積極的に潰しに行きましょう。XF3の位置を事前に確認し、距離を合わせておき、XD1がパス出す瞬間に詰められれば良いチェックになるでしょう。
ただし事前準備に失敗し、距離が空いてしまった場合などは無理をせず下がりましょう。相手がダンプで終われば合格点だということを忘れずに!

2番のパス
これもよくあるでしょう。ここにはチェックは行けません。FW3から距離がありすぎます。その後パス5に発展した場合は1番のパス同様、積極的に潰しに行きましょう。ただしこれも事前準備に失敗した場合は下がりましょう。

3番のパス
1-2-2トラップにおいて最もチャンスを作れるとしたらこの3番のパスへの対応ですね。
「クロスアイスパスは見逃すな!」これはトラップの最も重要な定義の1つですね!
ここは読みと反応で最も積極的にパスカットを狙って行ってください。万が一失敗に終わってもDF1、そのカバーにDF2、FW2のバックチェックでサポート可能です。
ローリスク&ローリターンが大切ですが、ここだけはリスクを背負う価値有りです。

4番のパス
実は1-2-2トラップの一番の弱点がここです。5角形の中央が弱点なのです。よってFW1が相手の攻め出しに合わせてセンターレーンをしっかり戻って来ないと、このパスを使われてピンチになる可能性ができます。FW1は相手攻め出しに対しNzで棒立ちしてしまうと、相手の攻め出しスピードに遅れを取りこのパスを使われてしまいます。相手攻め出しに合わせて一度フォワで前に詰め、その後そのスピードをバックに切り替えて下がり始めると、それほど苦労なく下がりながら守れます。

1番、5番、そして3番のパスが出た場合は積極的に!
2番は5角形を維持
4番には最深の注意を払う

カットができればラッキー
相手がダンプで合格点
欲張らず無理をせず、いつか来るチャンスを我慢して待つ!


相手がゴール裏にセット後、相手チームのエースがパックを持ち上がるケース
これもおそらくよくある形でしょう。



ここでも同じです。FW1が慌てて詰めて中央分離帯の役目を放棄しないこと!

でも相手エース格がトップスピードに対して自分たちが止まったままでは確実に全員抜かれてしまいます。



この攻め出しに対して最も重要な役割を担っているのがFW1です。

FW1の最高のファインプレーはずばり!「相手XF1を6分の1に追い込む」です。
1/6は図中では黄色のエリアです。ここまで追い込めればFW3のトラップ(罠)にしっかりとはまってくれるはずです。

さてそのFW1の追い方を考えてみましょう。

相手XF1がゆっくりパックを取りに行く場合
あえて1/6に追い込まなくてもパスラインはそれほど無いはずだし、自分でパックを持ち運んで来ればゆくゆくは混雑したNzに自ら苦労してくれることでしょう。よって追い方はあえて5角形を崩さない1番

相手が超トップスピードの場合
この場合相手XF1はスピードがつき過ぎて外に膨らむことがわかっているので、それに合わせて自分もフォワスケーティングで1/6に追い込んで行く。くれぐれも無理しすぎてインサイドに交わされることの無いように!よってこの場合の追い方は3番ですね。

相手がそこそこスピードの場合
1番と3番の間を取って2番でしょうか。5角形の頂点として中央分離帯の役目もしつつ、ある程度パックキャリアのプレー範囲を限定することによって、Nzに近づくにつれてFW1とFW3の罠(トラップ)に徐々に追い込まれていくことになります。


さてそこそこスピードの場合、次はこんなプレーも考えられるでしょう。



そうです。ドロップパスです。
XF1にとって、このまま進んでもFW1に追い詰められ、FW3のところではまる!
そう思わせられれば、追い方としては満点ですね!
そう思わせられればおそらく次のプレーはドロップパスになる可能性が高いはず。

じゃあドロップパス後の守り方は?!



まずドロップパスをされた場合のFW1の動きですが、
ここはシステム&戦術によって2通り動き方があります。

1,そのままXF1についていく
2,XF1はそのまま行かせて、パックを受け取った相手DF(XD1)に対して正対しながら5角形を保つ(中央分離帯の役目継続)

ここではあくまでも相手は格上と想定しているため、XF1にスケーティングでついて行くのは難しい。よって5角形維持を続けます

FW1は現時点でパックキャリアになったXD1に正対しつつ5角形を維持しながら下がる。何度も言いますが決して突っ込まないこと!!!

その後の展開ですが・・・
まず一番多いのはもう一人のDF(XD2)がサイドに開きパスをもらう形
これはとりあえず放っておきましょう。FW2からは距離がありすぎます。相手がNzまで持ち上がり、混み合ったNzでプレーするように仕向けるためにも下がりましょう。

相手XD1がハイリスクプレイヤーならば必ず狙って来るであろうXF3へのパス。
さっきも言いました!トラップ使いにとって見逃してはならないのが
「クロスアイスパス」
これだけは思いっきり積極的に狙っちゃいましょう!
でもそのためにはFW2はXD1に「このパスは通る!」と思わせる、XF3との微妙な距離感を保つ必要があるんです。そこにプラス読みと反応が加わって、最高のパスカッターになれるんです。何度も失敗して最高のタイミングを手に入れてください!

もう一つ考えられるのはXD1がそのまま持ち上がる場合ですね。これはそれほど怖くありません。FW1が正対しながら下がっていれば5角形は綺麗に整ったままです。相手がNzに到達する頃にはNz内には相手味方がうようよ。パスもよく引っかかってくれるでしょう。相手がダンプなら合格点ですから、くれぐれも無理はせずに!


次回はこの1-2-2トラップ攻略も解説しちゃいましょう。
システムを完成させるためにはその長所と弱点を知る必要がありますので。