06-07シーズン、Buffaloセイバーズ&NYレンジャースが使っていたパワープレー・ブレークアウトです。

pp-breakout1pp-breakout2「ヨーロピアンはダンプインが嫌い」というわけじゃないけど、できるだけキャリーインを試みダメだったらダンプインするというのがヨーロピアンのスタイル。とにかくダンプインが当たり前のカナダホッケーとはちょっと違うね。昨季、多くのヨーロピアン選手を擁するBuffaloとNYRでは斬新なパワープレーブレークアウトを使っていたので紹介します。まず左上写真、DF1がゴール裏セット、FW1とDF2のダブルスウィングは誰もが使う形。ここで違うのはFW1とDF2はスピードを80%程度に抑え、DF1はトップスピードでミドルレーンを持ち上がること。その後左右どちらかのサイドにXF1を引きつけながらキャリー、十分に引きつけたところでFW1(もしくはDF2)にドロップパス。この時守りのディフェンス(XD1とXD2)はこのプレーに対応する為右サイドに寄り気味になり、左サイドが手薄になる。次に右上写真、ドロップパスを受けたFW1はミドルレーンに移動、敵は右サイドに寄っている為狙いは左サイドを走るDF2へのパス。大切なのはDF2のタイミング。横パスもしくは15°程度のパスが望ましい。それ以上急角度のパスはXF2にカットされる恐れがあるから。この時FW1はパックをミドルにキャリーしながらXF2を十分に引きつけると更に効果的。DF2は誰もいない左レーンからキャリーインできる。またFW2&FW3へのパスはよっぼど相手DFが無警戒でなければ通らないので、フォアチェック要員として素早い反応ができるよう用意しておく。pp-breakout3pp-breakout
次に左上写真、左サイドDF2へのパスに素早く相手ディフェンスが対応してきてキャリーインが難しい場合。今度はファーサイドに届くようにダンプもしくはクロスダンプ(※1)を使う。FW2&FW3は素早く右コーナーに反応しパックをキープする。この時FWは2人でパックを取り合い、3人目は2mから3m後でルーズパック処理のため待機。決して3人でパックを取り合いしない。またパックを取れても不用意なロングパスは絶対にしない(超重要!!)このパックの取り合い状況では相手がパックをクリアすることは難しいが、パスカットされた場合は簡単にクリアされてしまう。ボディをうまく使い、パックを守り、F2とF3間でのショートパスを使い、相手DFが徐々に引くまで不用意なパスをせずとにかくコーナーで我慢すること。これがセットアップするコツです。最後に右上写真、FW1からDF2にパスしようとした時に、もしもXF2が左サイドをロックしていた場合DF2へのパスは難しい。その時はFW1が自分で左サイドまでパックを運び敵を十分に左サイドに引きつけた上でDF2へのドロップパス。手薄になった右サイドに向かってパックを持ち上がる。ただこの時には守り4人が低い位置まで下がってきているので、キャリーインはおそらく難しい。よってダンプインしてその後のパックの取り合いを頑張ろう。このように、相手を両サイドに振りながら、手薄になったサイドからキャリーインしようとする名付けてダンプ嫌いなヨーロピアンブレークアウトは昨季私なかじが注目した新しいPPブレークアウトの一つです。試してみてね。用語解説※1 クロスダンプ(cross dump)~逆サイドのコーナー目がけてダンプインすること。ただ放り込むだけのダンプと違い逆サイドを走る味方へのパスを意図とする。