そう気付いたのは、鈍い衝撃を何発も左肩に受けた後だった
「撃たれた」
薄々はわかっていた
これは夢の世界なんだと
だが意識よ戻れと強く念じてみても一向に現実世界と繋がる様子がない
撃たれた衝撃はあっても、痛みはない
リアルで体験した事がないからだ
童貞の時分見る下世話な夢に、その快楽がないのもうなずける
紙袋を片手に突如目の前に現れた眼鏡をかけた目のちょっとイっちゃってる
ナイスデブはヘラヘラと笑っていた
あいつが俗にいう通り魔という存在なんだろう
痺れた肩を気にしながらも心に思い浮かべた思いは
「逃げろ!生きろ!」
そしてそしてメガネデブ、お前に殺される理由がわからないまま死んでいくのは
本気で納得いかねー!悔しい、悔しい!悔しい!
恨みにも似た強い念
こりゃ絶対呪いの類や怨念なんかは存在しそうだわ
驚くべきは、土壇場になると現れる心だ
細胞1つ1つにきっと刻まれているんだろう
あれほど強く「生きたい」と思ったのは何時振りなんだろうか
疲れがかなり溜まっていたりすると見る夢
境界線の薄れた世界
現実で呻く自分自身を感じながら、狭間の世界で叫ぶ
ありったけの力を振り絞って元の世界へ戻ろうともがく
もがき苦しみながら戻ろうとする世界は自分の望む世界ではないだろう?
でもきっとそうでなくても、また足掻くんだろう
生きている限りは

