辛くてしんどくて、どうしようもなくて、その場所を去る決意をしたのに、いざそうなってしまうと、途端にそこへ行って誰かに会いたくなったりする。

辛かったはずの日々が、思い出すと実は、たくさんの愛おしい瞬間で溢れてたり、

またその空間にいたいって、またあの人たちに会いたいって、思うようになってしまう。

どうしてなんだろう?

早く解放されたかったのに、いざ解放されると寂しい気がするなんて。

分かってたことなんだけど、それって結局、人のことはすごく好きだったってことなんだよね。

場所も素敵だった。人も温かかった。ただ、置かれてる状況が辛かっただけ。自分には背負いきれなかっただけ。

誰を責めるつもりも無いし、責める権利も無いと思ってる。

ただ、もう少し、状況が好転していたら。条件に恵まれていたら。わたしはもう少し、もしかしたらまだまだ、頑張れてたのかもしれない。

あのときああじゃなければ。もしこうしていたら。例えば、こんなことが起こっていたら。

可能性なんていくらもある。でも、そうやっていくらもある可能性たちの中で、あの瞬間、わたしに降りかかったのがあの結果だった、ということなら、それを受け入れるしかできない。「そういうタイミングだったんだ」って思うことしかできない。

後悔してるわけじゃない。わたしの選択は正しかったと思う。だってたくさん考えたから。

でも、今こんなに悲しい気持ちになってることを思うと、ああ、わたし、あの場所のこと、あの人たちのこと、好きだったんだなあって。

短かったようで、長かった気もしていて、でもやっぱり、振り返ると短かったのかもしれない。

それでも、ものすごく密度が濃かったのは確か。

ものすごくたくさんの言葉を掛けてもらった。優しい言葉も、励ましの言葉も、期待の言葉も、厳しい言葉も。

わたしはそれを全部残らず受け止め切れたかどうか分からないけど、でも、もらった言葉は絶対忘れないでいたい。

わたしを少しでも成長させてくれた言葉たちを無駄にだけはしたくない。

失敗だったなんて絶対に思わない。無駄になったとも思わない。だって間違いなく、わたしは成長できたと思うから。

大事なこと、気を付けなきゃいけないこと、忘れちゃいけないこと、捨てなきゃいけない考え方。

ものすごくものすごく丁寧に教えてもらったから、バカのわたしでも身になってるんじゃないかなって。

あんなにうんざりしてたのに、なんだか今は感謝の気持ちしか湧いてきません。

この経験は将来、絶対に役に立つ。そう確信してるんだから成功って呼ばせてください。

遠回りしたって寄り道したっていいよね、わたしの人生だもん。