母の遺言で、他人が相続する?
めくるめく午後の相続劇場 第8話
『母の遺言で、他人が相続できるのか?』
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関西に一人で住んでいたお母さんを亡くした美津子さん。
葬儀を済ませ、お母さんの部屋を片付けていると、
仏壇の引き出しから、遺言書を見つけました。
公正証書遺言 だったので、すぐに中身を確認すると
「友人の典子に、○○マンションを相続させる」と
書いてありました。
確かに、お母さんと典子さんが、旧友であることは
美津子さんも知っており、典子さんに会ったこともあります。
が、自分の知らないところで、このような約束があったとは・・・
とりあえず、典子さんへ連絡を取ってみると
ナント、典子さんは、1年前に他界していたことが発覚しました。
2度びっくりの美津子さんは、相手の娘さんに説明しました。
すると、事情を知った娘さんの京子さんは、
「母の相続人は、私です」
「私が母の代わりに、○○マンションを相続します」
と言います。
確かに、典子さんの相続人は、娘の京子さんです。
が、遺言でのマンションの受遺者 は、典子さんです。
京子さんの名前は、遺言書のどこにも書かれていません。
「マンションは、京子さんのものになっちゃうのかしら?」と
途方に暮れる、美津子さんでした。
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さて、典子さんが亡くなったら、
○○マンションを所有する権利が
娘の京子さんへ、移るのでしょうか?
研究員 ひさこ