嫁が気に入らない父と相続を期待する息子
めくるめく午後の相続劇場 第7話(続編)
『嫁が気に入らない父と相続を期待する息子』
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息子の智也さんのお嫁さんが
気に入らなかった、父、哲也さん。
ついに、息子夫婦に相続されるハズの土地を
他人である、友人・木下さんへ売り飛ばしました。
それも、安~い値段で。
将来の相続人である、智也さんは納得いきません。
父親の暴挙といえる、売買契約を白紙へ戻そうと
自分の将来の権利を主張しました。
この、哲也さんの将来の権利とは、
「推定相続人の地位の期待権」と呼ばれますが、
ごく弱~い権利とされ、亡くなった方の財産処分を
阻止することはできません。
今回のケースについて、裁判所は、
・単なる期待権しかない智也さんには、無効確認の利益はない
・不動産登記を白紙にする主張する前に、
そもそも、不動産を引き継ぐ立場を守る権利もない
と判断しました。(=智也さんの負け)
お嫁さんが気に入らない父 対 将来の相続を期待する息子
どちらも、大人の対応が欲しかった。
最近は、相続人である「権利」を主張する、傾向があります。
「これだけもらえる??」との皮算用も、空振りになることもあり
将来の相続を期待しすぎては、いけませんよ。
研究員 ひさこ