住むところを追い出されたA子さん
めくるめく相続劇場 第1話
『住むところを追い出されたA子さん』
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東京都内に住む65歳のA子さん。
息子と娘はすでに独立し、それぞれ所帯を持ち、
定年退職した旦那さんと二人暮らし。
これから夫婦二人で、第二の人生を謳歌しようとしていた矢先、
旦那さんが心臓疾患で急逝してしまいました。
夫婦二人の年金で、何とか不自由なく暮らしていたため
A子さんに残された財産は、自宅の土地・建物と少々の貯金。
「住むところさえあれば大丈夫」
とA子さんは思っていました。
そんなA子さんの思いとは裏腹に
旦那さんが亡くなってしばらくした、ある日、
二人の子供がA子さんを訪ねてきました。
「お母さん、私たちにも相続権はあるのよ。
この家を売って、私たちにお金分けてくれない?」
「マンションのローンが苦しかったから、助かるわぁ」
「お母さんは半分のお金でマンションでも買えば?」
「今ね、結構値頃な物件があるのよ!」
と、アッという間に、自宅売却の話になってしまいました。
どうやら、二人の子供は相談しあい、直談判に来たのです。
子供たちに太刀打ちできないA子さん。
売却の手続きは、非情にもトントン拍子で進んでいき、
ついには、住み慣れた我が家を追い出されてしまいました。
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悲しい親子の擦れ違い。
「親の心、子知らず」「この心、親知らず」
あなたの家族は大丈夫ですか?
このお話はフィクションです。