先日、気になっていてまだ行っていなかった
映画「バビロン」を観に行ってきました。他に
「エゴイスト」も気になっているのですが、
3時間越えの洋画「バビロン」は上映終了が
早い気がして先に行こうと思いました。案の定
土曜日なのに数人しかいなかった…。
感想、ネタバレを一切入れずに作品を
ご覧になりたい方は、ここでさようなら
舞台は1926年のハリウッドから数年間の
出来事を描きます。この数年間に無声映画
からトーキーへの大きな転換期がやってきて
激動の時代を描いています。
主人公はメキシコ移民のマニーなのですが、
ブラピ演じる大俳優や、パーティーに潜り込む
野心丸出しの駆け出し女優のネリー、トラン
ペッターのシドニーなど、それぞれが関わり
ながら、群像劇のようにそれぞれを描きます。
まず主演の1人、メキシコ人の俳優、
ディエゴ・カルバの顔がいい。イケメンって
言う意味だけじゃなくて、誠実そうな部下顔
なんですよね、そしてこういう人って、なぜか
こんな女にハマっちゃうよね、と思うような
マーゴット・ロビーのCrazyぶり。日本の男
にはとても制御しきれません(メキシコ出身の
マニーも制御しきれてなかったけど)
こういう女性って結構メンタル的に不安定に
描かれることも多くて、フランス映画の
「ベティー・ブルー」を思い出しました。
魅力と危うさが表裏一体というか、手を出し
たら最後、一緒に落ちるしかない感じ。
ブラピも、だんだんくたびれていく往年の
大俳優の役なので、当然年齢を感じさせる演出
なのですが、俳優のウィリアム・H・メイシーに
めちゃくちゃ似てきたなと思って…
ブラピの恩人であり、メンタルに難ありの
ジョージ役にルーカスハース(子役の時は、
「目撃者」懐かしい) 。出番は短めですが、
プロデューサーも兼ねたトビー・マグワイアの
ヤバいやつぶりがすごいです。昔は可愛かった
のに。中国系の「レディー・フェイ」が、
社交ダンスしてる時のキンタローに見えて
しょうがなかった。
映画のエンディングには(ストーリーとは
関係のない)様々な映画の一場面を織り込んで
いくのですが、歴史に埋もれていった、夢
破れた人たちの悲哀の積み重ねが今の技術力に
到達するまでの途方もない時間を感じました。
冒頭の、毎夜繰り広げられるノーモラル、
ノールールなパーティーの様子や、事故も
物故も有りきな撮影風景、横柄で不条理な
制作側 対使われるだけの演者側。
いろいろな法整備が整えられる環境になる
まで、多くの犠牲が払われてきたのは、
どの業界にも言えるのでしょう。
「セッション」「ラ・ラ・ランド」の監督の
作品ということで、結末はご想像ください。
私は、ほろ苦いな…、と思いました。
「好き嫌いは分かれそう。ちょっと長いし。」
と言う前置きをつけておスス。