お正月に次男と映画を観てきました。
ちょうど2人とも見ていなかった、
新海誠監督の「すずめの戸締まり」
封切りから時間も経っているので観に
いかれた方、ご存知の方も多いと思います。
以下ネタバレ含む感想です。
冒頭からすずめと草太の出会い、なぜすずめは
彼を追って廃墟に行ったのか(気になるほどの
イケメンだったと言う理由だけなのか?)など
細かな描写は少なく、とんとん拍子にストー
リーが展開していく。自分が扉を開けた事と、
地上の変化が関係しているのかもと思い、
すずめは再び廃墟に戻り草太と出会う。
怪我をした草太を自宅で手当てするうち、
ダイジン(猫)に椅子に変えられてしまった
草太と、すずめのロードムービーとして
物語は展開していく。
すずめの繰り返す記憶が何によるものなのかは
はじめは明かされず徐々にひもとかれて行く。
途中様々な危険に遭うたび、閉じ師としての
家業を継ぐ運命にある草太は、自分のせいで
すずめを命の危険にさらしたくないと言うが、
すずめは「死ぬのは怖くない」と扉を閉じる
旅を続ける。
すずめが死に対して恐れないのは、幼い頃ふい
にやってきた災害と身近な人の死のトラウマ。
「生きるか死ぬかなんて運だ」といい、
ある意味真理だが、どこか捨て鉢な考え方。
そして「自分が誰かにとって大切な存在」
なのだと言う自覚の足りなさだろうか、と思う。
草太は、要石(かなめいし)にされて、災いを
封じることになり、改めて、「死にたくない、
生きたい」と思う。幼い頃から閉じ師として
家業を手伝いながらも、大学に行き、教職を
とり、教員試験を受験しようとしていた草太
には、明確な未来のビジョンがあり生に対する
無意識な執着はあったのだと思う。
震災で大きく運命を変えられた人たちが、
その後生き抜いていくために、たくさんの
人の運命をさらに変えてきた、自分も変わら
ざるを得なかった。
育ての親である叔母の環さんのような人が
抑えてきた感情を爆発させることと、それ
まで与え続けてきた愛情が本物である事は
全く別物だけど、物語途中までのすずめには
理解が足りなかったのだろうと思う。
すずめ自身も、幼かった頃の自分の感情を
昇華させたことで本当の意味で、運命を
受け入れる事ができたのかなと思いました。
「君の名は」は観ましたが、「天気の子」は
見ておらず、久しぶりの新海映画でした。
今回はちょっと泣いてしまいました。
話の展開は結構スピーディーで分かりやすい
と思います。おスス度は⭐️4つ。