先日、仕事がお休みだったので映画に行って
きました。ゴールデンウィーク中には見たい、
まだ見ていない映画が、
コーダあいのうた
ドライヴ・マイ・カー
シング2
で、コーダは来週早々終わってしまう予定
だったので、まず行くことにしました。
以下、感想なのでネタバレや情報入れたくない
方はここまででさようなら
17歳のルビーは両親、兄がろう者の高校生。
そのため両親の仕事を手伝い、必要なところは
全て健常者との通訳等をしてきた。
ちょっと気になる男子が合唱クラブの選択を
していたので自分も。普段から歌は好きで
歌っていたが、おそらく家族以外の前では
歌ったことがなく、はじめての授業では
声を出せず脱走してしまう。
音楽教師のミスターVは彼女の才能に目をつけ
授業時間以外に特別にレッスンを申し出る。
しかしルビー抜きでは成り立たない家族の
仕事で、自分の時間がなかなか取れず、結局
家族優先になり、自分の人生を振り回されて
しまう。大学も行かない決意をするが、秋の
コンサートで歌う彼女の姿を目にした両親は…。
冴えない子たちをイケてるグループが嘲笑っ
たり、いじめの対象にする描写は、よくある
アメリカの学園ものに出てきますが、ルビーは
両親がろう者で(しかも貧困)不幸を嘆く訳では
無いが、年齢より早く大人にならされ、とに
かくタフに生きることを余儀なくされてきた。
コンサートに来た家族には、彼女の歌のうまさ
は聞こえはしないが、周りの反応や笑顔、歌声
に涙する人を見て、その才能が埋もれさせる
べきものではないと心を決める。彼女が好きな
道を生きる事は、決して家族をぞんざいにする
ことではないけれど、ずっとバランスをとって
きた形を崩す事は、全員にとって試練なんだ
とは思う。
ろう者の映画でありながら音楽もテーマの1つ。
良い出会いは、人生に良い変化をもたらす。
ルビーの場合はミスターV。全体に明るい
感触で映画は進んでいくが、ルビーが先生の
家にレッスンに行き、
「抑えるな」(声を?感情を?)
と指導され手押し相撲のように力を込めて
先生を押したときに、心から声を出している
様子を見て、同じように感情が噴き出し、
涙があふれました。
CODAとは=Children of deaf adult
耳の聞こえにくい、あるいは聞こえない大人の
子ども、と言う意味だそうです。これまでずっと
ルビーはこれが運命だと受け入れ、家族も、
ルビーの人生を家族の中で完結させることを
望んでいた。「私には違う世界がある」と
いうルビーと、「彼女には違う世界がある」と
家族が認め、受け入れるまでの葛藤の時間を
描いた爽やかな良作でした。