昨年来、個人で映画制作のために動いてきましたが、支援をいただく等、
個人での動きには限界を感じており、いずれにしてもKansha Prescoolへの
文化的サポート活動や日系人の歴史等を日本で広報して行くためにも
NPOを設立する必要性は感じていたため、その準備には入っていました。


ただ、映画制作と併行するつもりだったのですが、あまりにも支援がいただけないため、
先にNPOを設立することにしました。


会の名称は、NAC-Jで、ナックジェイと読みます。


これは、Nisei veterans Action Center of Japanの略で、
二世の功労をリスペクトし、日本で二世を含めた日系民の歴史や現在を広報啓発、
Kansha Preschoolをサポートし、
そして日本とハワイの間のマーケティング活動をするために、設立されます。


定款などはあらためて掲載しますが、3月9日に申請を済ませ、2ヶ月間の縦覧の後、
法務局に申請登録されます。


HPの開設やロなどのVI、他沢山やらなければならないことはありますが、
少なくとも、今後は、支援を頂くにしてもNPOとして企業と対等にやり合って
行けることになります。



皆さんのご参加、ご支援もお願いします。



先週28日、Hawaiiより帰国しました。

今回の渡ハは、大変忙しく、そして充実した日々でした。
着いたその足でパールハーバーに行き、アリゾナメモリアルと戦艦ミズーリを初めて見学しました。
アリゾナでのフィルムは、一方的なオピニオンの感もしないでもないのですが、それでも実際に多くの人々が亡くなっている事実に、やはり頭を垂れずにはおられません。

オアフやマウイでは、合計9名のヴェテランの方々にお会いしました。

若い方でもすでに85歳、お会いした中で高齢の方は、92歳の年齢を重ねていましたが、それでも彼らは矍鑠とし、頭はシャキッとしておられ、多くの出来事を語ってくれました。

もちろん事前のアポイントメントはあったのですが、どこの馬の骨ともわからない、風体の怪しい日本の男が訪ねてきたことに、少なからず訪ねた本当の目的を探ろうと、警戒されていた部分もありましたが、時間がたつと思い思いの意見や体験を教えてくださいました。
 
例えば、通称「Lost Battalion」 と呼ばれたテキサス37大隊を救出するために、442連隊が駆り出されましたが、およそ270名の「Lost Battalion」

を救出するのに442連隊では800名以上の死傷者を出しました。
その攻撃部隊の一つ、I Company(中隊)は、200名のうち生き残ったのが8名という、未だに語り継がれるほどの壮絶なものでした。
その8人の生き残りの一人、Joseph Oshiroさん(沖縄県系の方でした)が生き残ることができた事実とは、突撃前に先に撃たれて怪我をし、治療のために後方へ下がっていたからだというのです。もし、先に撃たれることなく同じ中隊の仲間と突撃していたら、もしかしたら彼も生き残ることは出来なかったかもしれません。

アジアやマイクロネシアなどでは、日本の若い兵士が「天皇陛下万歳!」を叫び特攻して行くのと同じ時期に、欧州では日系二世の若者が、「Banzai!」と叫びながら突撃しているという、何とも複雑で皮肉な話です。

また、日本での修学経験もあるBob Satoさんは、日本語の読み書きもできますから、戦地の同僚に届いた母からの手紙を代読してあげた(二世の多くは日本語を喋ることはできるのですが、読み書きはほぼ出来ません)のは良いのですが、Bobさんは早くに母を亡くしているため、仲間の母からの手紙に胸が詰まり、まともに読んであげられなかった、と言います。もちろん、本人も涙を流していました。

この歴史は“もう一つの日本史”と言って良いのかもしれませんが、あまりにも現代の日本人が知らなさすぎることに、悲しくなってしまいます。

たかだか100年と少し前に同じ日本の地で同じ時間を過ごしていた同胞の歴史を<キチンと>知らないということは、悲劇でしかありません。

また、Mitsuo Hondaさんは、「私は日本が嫌いだ」と仰いました。その理由は、戦前の日本は男尊女卑で、母の苦労を目の当たりにしたからだ、とのことでした。
これについては、「現代の日本では女性の方が圧倒的に強い。それは世界中どこでも共通しているでしょう?」と申し上げたら、一同大いに笑ってくださいました。

しかし、こういったように二世の方の中には、日本が嫌いだ、という意見をお持ちの方が少なくないと聞いています。その原因はどこにあるのでしょう。

もちろん、真珠湾攻撃により、一世より祖国と教えられた日本から直接攻撃を受けた、ということもあるでしょう。しかし、二世の多くは、自分の意識やものの考え方などが、一世と同じ「日本人」だということを理解しています。その人々が日本を嫌う理由、それは、日本人は日系人のことを、あまりにも知らない、という事実にあるようです。彼らが「自分たちは棄民だ」と思う所以です。

これも、前述したように、とても悲しい現実だと言わざるを得ません。

しかし、マウイ島にあるハワイで唯一、Nisei Veteransを記念して建てられたケアセンター Nisei Veterans Memorial Centerで取り入れられている「Kansha-Preschool」は、日系人の未来への希望でした。
 
3世以後のジェネレーションは日系人としての意識を失くしているため、小さな子供たちに日系人としての意識を持ってもらおうという願いを込めて「Kansha Preschool」を行うために、ケアセンターの形式を取り入れてNVMCが設立されました。

ハワイの日系のお年寄りたちは、Nisei Veteransの功労に感謝し、それを忘れさせてはならないと考えています。
今回の渡ハでは、NVMCのディレクターのBarbara Watanabeさんともお会いし、「Kansha Preschool」への支援を、日本から出来たら素敵だと言うことを前提に、どういったことができるだろうか、と少し詳細を話し合いました。

また、日本語ラジオ放送局K-ZOOの知り合いのDJからお声が掛かり、情報番組内での紹介や、沖縄かりゆしアワーなど2度出演し、紹介などもしていただきました。

ニセイヴェテランズをリスペクトし、あらためてもう一つの日本史に<キチンと>目を向けさせるためにも、なんとか映画を完成させ、日本の皆さんに観てもらいたいと考えます。

日本人が<キチンと目を向け><キチンと知る>。これがとても大切だと感じます。もちろんそこに、誣いや公利といったものがあってはなりません。

年間120万人以上もの日本人観光客が、日本語の必要もなく安心してハワイに滞在でき、そして日本の企業が経済活動を行っていられるのも、彼らの功労が無関係ではないと考えます。
そのお返しの意味も込めて、今作らなければ、今残さなければ、と考えました。

しかし、決して彼らの話し方は暗くありません。
ハワイの素敵な景観の中、彼らのインタビューを撮影するのは、大変面白そうです。

と、取り留めもなく一気に捲し立てるようなご報告で申し訳ありません。

最後に。

今回は、とても不思議で、そして大切なご縁がありました。
かり、情報番組内での紹介や、沖縄かりゆしアワーなど2度出演し、紹介などもしていただきました。

ニセイヴェテランズをリスペクトし、あらためてもう一つの日本史に<キチンと>目を向けさせるためにも、なんとか映画を完成させ、日本の皆さんに観てもらいたいと考えます。

日本人が<キチンと目を向け><キチンと知る>。これがとても大切だと感じます。もちろんそこに、誣いや公利といったものがあってはなりません。

年間120万人以上もの日本人観光客が、日本語の必要もなく安心してハワイに滞在でき、そして日本の企業が経済活動を行っていられるのも、彼らの功労が無関係ではないと考えます。
そのお返しの意味も込めて、今作らなければ、今残さなければ、と考えました。

しかし、決して彼らの話し方は暗くありません。
ハワイの素敵な景観の中、彼らのインタビューを撮影するのは、大変面白そうです。

と、取り留めもなく一気に捲し立てるようなご報告で申し訳ありません。

最後に。

今回は、とても不思議で、そして大切なご縁がありました。

暑熱の赤子と、宙の神々しさと。-In Makawao

暑熱の赤子と、宙の神々しさと。-NVMC in Maui

暑熱の赤子と、宙の神々しさと。-Go for Broke!

急ですが、20日からハワイイに行くことにしました。


企画している映画の中にある、戦没者メモリアルデーと灯篭流しが5月25日にあり、やはり必要なシーンなので撮影しておかなければならないと考えました。


あと、ホノルルの442nd.Veterans Clubを訪ね、まだお元気な二世退役軍人方々の取材もしてきます。


それと併せて、映画を制作する最終的な目的である、マウイ島のNisei Veterans Memorial Centerで行われている「Kansha Preschool」プログラムに対し、日本からどんな支援が出来るかを、ディレクターのBarbara Watanabeさんと会い、打ち合わせてきます。

http://www.nvmc.org/center_plans/preschool.htm


予算がまだまったく集まっていないため、全額持ち出しを覚悟していたのですが、ハーツレンタカーさんとユナイテッド航空さんから協力を受けられそうで、少しは負担が軽くなりそうです。


感謝です!


いや~、Amebloに来たのはいつぶりなんだろう?

時間はあるのだけれど、なかなか精神的な余裕もなく、そしてなかなか物事をやる気が起こらず。

やはり仕事をしないと、人は本人の自覚のないところで「呆けて」ゆくのだなぁ。

昨年の10月に会社を辞めてから、いきなりの経済不況。

今年に入り、映像プロデューサー、企画演出としてフリーランスを始めたとはいえ、まともな仕事をしていない。

それでもダラダラと時を過ごすのも馬鹿らしいので、仕事がないなら自分で作るしかない!

ということで

映画の企画を始めています。

内容は、ハワイイの日系二世兵士のドキュメンタリーです。

聡明な皆さんは、日系二世兵士部隊がWWⅡ(第二次世界大戦)で活躍したおかげで、アメリカ社会での日系人の立場が飛躍的に向上した、という歴史はご存じでしょう。

でも、企画段階で友人・知人に話をしていると、日系人が移民し収容所に入れられた歴史は知っていても、その日系人部隊の多くはハワイイからの志願兵だったという事実を意外と知らないことを知り、この企画は社会的に意義のあるモチーフだと意識しました。

たかだか100年ほど前に同じ日本で時を過ごした同胞の歴史を、


「キチンと知る」。


この「キチンと」が今大切だと思います。「キチンと知る」「キチンとやる」。これは、ごく当り前なことで、ボク達の社会の方向性としても大切だと思うのです

現在、日本から年間150万人(08年度は大きく減ったようです)もの観光客が日本語の心配も殆どなく安心してハワイイに滞在出来ているのは、日系二世兵の活躍によるところも大きくあるわけです。

大好きなハワイイに、安心し愉しく旅行できるお礼として、また、昨年3月にマウイ島で開催した友人の個展の際にお世話になった日系人の方々へのお礼として、この日系二世兵のことを映画にし、広く日本で知らせたいと思って企画を進めています。

現在、企画書はある程度書きあがり、実際に配給会社や協力・協賛企業、後援団体などに相談を始めています。
ハワイ旅行業に携わる企業の知り合いからは、「是非とも仕上げてください」と応援の言葉をいただきました。


さらに、ハワイ州観光局の方からも、良い印象をいただいています。
ただし、配給が決まらないと協賛を求める数字が計算できないので、まだまだスタートラインに立っていない、といったところでしょうか。

配給会社に前段階の企画を相談したら、どうやら大手の配給会社ではドキュメンタリー映画は扱うことは厳しいようなので、一からストーリーを書き上げた方が良いのかもしれません。

いずれにしても、これからはキチンとここにも来て、随時皆さんにご報告をして行こうと考えています。


TRANSIT(トランジット)4号~ハワイ特集 美しきハワイ~楽園のイブを探して (講談社MOOK)

¥1,600
Amazon.co.jp

ハワイの歴史と文化―悲劇と誇りのモザイクの中で (中公新書)/矢口 祐人

¥882
Amazon.co.jp

ハワイ・マレー沖海戦

¥4,252


ハワイの神秘

¥5,481


アロハ・ヘヴン・プレゼンツ・アイ・ミス・ユー・マイ・ハワイ-ヴァーチャル・ヴァケーションDVD/ナレオ

¥2,399
Amazon.co.jp

アロハ・ヘヴン~マイ・ハワイ/オムニバス

¥2,277
Amazon.co.jp

アイ・ミス・ユー・マイ・ハワイ/ナレオ

¥2,255
Amazon.co.jp

自然へのリスペクトを抱き、そして沖縄を愛する皆様


昨日のブログの「チムグリサン」な出来事を紹介しなくてはならなくなりました。


拙共著にも記している通り、沖縄島東海岸・中城湾に広がる琉球列島最大の干潟


『泡瀬干潟』


の埋め立て工事が止まりません。


そればかりか、昨年末、那覇地裁において「合理的ではない公共事業への公金の支出を即時中止しなさい」という判決が出たにも拘らず、沖縄県は控訴期間中を良いことに、浚渫土砂の埋め立てを明日から本格化する、とのことです。


この前時代的な公共事業の内容について、ここでは多くを述べませんが、いずれにしてもこの公共事業は、埋め立て後の土地利用計画に理論性も見られず、多くの希少な生命を喪失させる愚行(蛮行と言い替えても良いけれど)以外の何ものでもありません。


本来なら、事業主体は内閣府ですから、国民のすべての人たちに愚行への異議・反論を言う権利があります。
しかし、ことはそう簡単にはゆきません。

何故なら、この事業を地元の行政が求めているからです。

つまり、コザ市(沖縄市)の市長である東門美津子さんは、国政に参加していた際の意見を翻し、事業の受け入れを表明しました。


市のHP上に掲載されている市長の挨拶によると、


・市の活性化や財政負担について

・干潟等の自然環境への影響

・保安水域における共同使用の件


の三つの視点を重視したと述べているのですが、
結果として、市長は事業の受け入れ理由として、


・工事の進捗状況からみて、今はむしろ沖縄市の経済活性化へつなげる

・第二区域については、新たな基地の提供になり土地利用に制約が生じることや、環境へのさらなる配慮が求められることから、推進は困難と判断。しかし、第一区域へのアクセスや干潟の保全など、国・県と協力して解決しなければならない課題があることから、第二区域については、具体的な計画の見直しが必要と述べています。


ただし、これはいかにも理論的ではありません。


まず、活性化にはその科学的根拠が必要です。

もちろん、計画と言うものは過去の経験の堆積ですから、ある意味「水もの」であるのは致しかたありません。
しかし、現在の杜撰な計画をそのままに事業を進めると言うのは、何度も言いますが前時代的な愚行に他なりません。

また、財政負担ですが、コザ市の住民で頭割りにすると、一人当たり25万円の負担になります。もちろんこの数字は、赤ちゃんからお年寄りまで、すべての市民への負担としてです。


そして市長の意見の中で、特に専門的な視点を欠いているのが、環境についてです。

今の時代に、環境が複合的な要素によって成り立っているというのは、専門家でなくとも周知の事実です。

泡瀬干潟には、現在でも「クビレミドロ」や「ニライカナイゴウナ」など、その生態が明らかにされておらず、また新種の可能性のある生命体が発見されています。

これを科学的に解明せず、その生息地域に掛からなければ良いだろう、という考えは、環境をまったく理解していないことに他なりません。


泡瀬通信施設に掛かる保安水域の問題については、論ずる以前の問題です。

こんなことは、基地に市面積の36%を取られ、戦後からズッと基地に依存してきたコザ市なら、計画の段階で判りそうなものです。
まったく論ずる気にもなりません。


以上、簡単に泡瀬干潟の埋め立ての事業を紹介しましたが(それでも長くなってしまいました。


先ほどは、地元の行政が求めているからしょうがないと書きました。


しかし、まだ第一区域は完成していません。

つまり、元に戻すことが出来る段階であるということです。

今なら、この貴重で生命群に溢れ、地域に根ざしてきた干潟を残せます。


どうか沖縄にいる方、近いうちに沖縄を訪れる方は、ぜひ現場を見に行ってみてください。
干潟の広大さ、そして沖で水平線を消してしまう埋立地の醜さが目にできます。


また、明日15日朝8時から、土砂を運び出す沖縄本島中城湾東埠頭前にて、抗議行動を行っています。
そちらに顔を出し、特別何をするわけでもなく、ただ意思を示すために集まってあげてください。


どうぞ、宜しくお願いいたします。




癒しの島、沖縄の真実 [ソフトバンク新書]/野里 洋
¥735
Amazon.co.jp

もっと知りたい!本当の沖縄 (岩波ブックレット)/前泊 博盛
¥609
Amazon.co.jp

観光コースでない沖縄―戦跡・基地・産業・自然・先島/新崎 盛暉
¥1,995
Amazon.co.jp

大自然ライブラリー 沖縄・珊瑚礁の海 長田勇
¥3,969

ゆったりそらとぶ沖縄 サンゴ礁の大空へ [DVD]
¥1,890
Amazon.co.jp