技法 II:【濁りの根絶】奏法と耳による「B♭ Majorのハーモニー矯正」

目的:奏法と耳による相対音程の矯正(チューナーは絶対に使用禁止)
技法IでB♭という絶対的な基準が定まったら、次は**「奏法による微調整能力」、すなわち「音楽的な耳(相対音感)」**を鍛えます。この段階では、チューナーは絶対に使用してはいけません

📌 練習の仕組み:「うなりを消す」ことで純正律の響きを目指す

私たちは、**うなりが消えた完璧な響き(純正律的な響き)**を身体に覚えさせたいのです。そのために、以下の方法で「ハーモニーの矯正」を行います。
  • 使用教材: 奏法による音程調整を徹底させるため、「これからのスクールバンド 指導編」(草思社)巻末の「Scales in B♭」などの、低音部と高音部が対になるシンプルな楽譜を用います。
  • 管の抜き差し禁止: B♭以外の音は、管の調整は行わず、アンブシュアや息のスピードといった奏法のみで合わせることを徹底します。

📌 手順:キーボードを活用したハモり訓練

この練習では、低音部1名と高音部1名をペアとしてランダムに選び、以下の手順で進めます。
  1. 音出しと判定: 2人組は楽譜の1小節分など、決まった音を同時に演奏します。他のメンバーは、うなりが聴こえるか静かに耳を澄ませます。
  2. キーボードによる補助:
    • 合っていなかった場合、まず低音部の音をキーボードで弾いて正確な平均律の音程を聴かせます。奏者(低音部)は、その音にピタリと合うまで奏法で調整します。
    • 低音部が合ったら、高音部も一緒に演奏し、2人でうなりが完全に消えるまで奏法で調整を繰り返します。
    • ポイント: キーボードはあくまで**「正確な音程へのヒント」**としてのみ使い、うなりを消す最終調整は奏者自身の耳と奏法に委ねます。キーボードはチューニング可能な一般的なもので十分です。
  3. 時間厳守の集中練習: この練習は非常に集中力を要します。例えば**「30分間だけ」**と時間を明確に宣言し、その時間内でランダムにペアを選び続けて終了します。

💡 バンド全体の音感が揃う仕組み

当たらなかったメンバーも含め、全員が**「音が合っていく過程」「うなりが消えていく瞬間」**を聴くことで、バンド全体の相対音感が無意識のうちに揃っていきます
この練習を辛抱強く繰り返していると、ある日突然、バンド全体でB♭ Majorの音階が合うようになります。それはまるで、楽器の集合ではなく、一つの大きな楽器になったかのような、濁りのない響きです。そうなるまでは、成果を信じて続けてください。