iTune Music Storeでの音楽の売上高が
初めて全米のTOP10入りした。

CNETの記事 より

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全米レコード協会(RIAA)によれば、
2005年前半のデジタル音楽の売上は市場の4%をわずかに上回った。
2004年前半のシェアはおよそ1.5%であった。
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正直、売上高の比率はもう少し上かと思っていたけど、
意外にまだ小さいなあというのが実感。

ただわずか4%しか無い状態でiTunesは、
これだけの存在感を持っているのだから、
将来的に殆ど全ての音楽販売がオンラインを通じてなされることを考えると、
これから本格的なインパクトが出始めるのだろう。

という中で、
着うた配信独立系トップのエムティーアイの株価が急上昇中。
CNETの記事 より。

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業績が急速に回復している背景には、
携帯電話向けコンテンツ(情報の内容)の配信事業が順調に伸びていることがある。
とくに、第3世代携帯電話の本格的な普及に伴い
「着うた」市場が急拡大をみせていることが寄与している。
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今後の日本のケータイ公式コンテンツは
着うたが牽引するのは間違えないのだろうが、
これに関してはかなり疑問がある。

iTunesで購入した場合は、
家のラジカセでも聞くことができるし、
車の中でも聞くことができる。
もちろんi-Podで持ち運ぶことも、
PCで聞くこともできる。

ユーザーが自分のライフスタイルに合わせた形で選択することができる。

それと比べて、着うたはケータイでしか聞くことができない。

なんでユーザーは自分が購入した曲の聴き方を制限されなければいけないのか?


ケータイビジネスというのはキャリアの公式コンテンツという形で発展してきた。
インデックス、サイバード、ドワンゴ、エムティーアイなどのコンテンツCPは、
待ち受け画像、占い、着メロ、着うた、などのコンテンツを提供し、
携帯キャリアに料金の回収代行をしてもらう形で伸びてきた。

今まではこのビジネスモデルが非常に上手く回っていた。


ただ、もうこのビジネスモデルは終焉を迎えつつあるのではないか?

インターネットの世界ではWEB2.0という言葉が、
色々な場所で語られるようになっている。

この中で語られている生き残る会社の特徴とは、
①多くのデータを保有している。
②たくさんのユーザー達によってそのデータに付加価値(コメントや評価など)を加えていく
③ ②を高いレベルで行うためのユーザー参加型のコミュニティーの構築。
④上記の全てによってサイト自体が成長していく。

この事はインターネットのコンテンツ会社の成長性を語る上では当然の検討材料である。


というのも、ユーザーによるデータの付加やコミュニティー機能の伴わないコンテンツは、
差別化というものが全くできずに、
コンテンツ提供会社が市場にたくさん参加するに伴って、
最終的には価格勝負しかできない、コモデティーになってしまう。

着メロ、着うたというのは非常に差別化をしにくいコンテンツであり、
現状では著作権の許諾という障壁があるために、
楽曲を揃えるということで一応の差別化はできるが、
こんなものは長くは持たない。

着メロにおいては、
ヤマハのゴルゴンゾーラという無料で着メロを提供しているサイトが、
凄い勢いで会員数を伸ばしており、
口コミのみで開設してからわずか1年で、
100万人以上のユーザーを獲得した。

ゴルゴンゾーラの競争力は勝手サイトである為に、
サイトの構成において、公式サイトのように色々な制約を受けることがない。
その為ゴルゴンゾーラは非常にコミュニティー機能が強く、
「ゴンゾー」という着メロ職人を通して色々なコミュニケーションがユーザーとの間でなされている。

現在はまだユーザー通しが情報交換をしたり、
色々な評価を加えていったりという機能は充実していないようだが、
公式コンテンツの縛りを受けない彼らは
今後このような機能を追加していくのも自由にできる。

おそらくSNSと融合させて行くことで、
大きなコミュニティーメディアとして発展を遂げるのではないか。


今、後ゴルゴンゾーラに限らず様々な無料の広告ベースのサイトが
ケータイのコンテンツ市場を席巻していくと思われる。

(優位性)
①無料
②どの携帯キャリアからでも使える
③コミュニティー機能などが付けやすい(公式サイトの縛りを受けにくい)
④キャリアに気をつかわなくて良いのでスピーディー


以上、ケータイの勝手サイト市場の成長によって、
既存のケータイCPは大打撃を受けると思います。

ただ、ケータイのコンテンツ市場は今後も成長を続けていくだろうから、
公式に捕らわれない、
WEB2.0を意識した勝手サイトというところには
凄く大きなビジネスチャンスが隠れているのだろう。



ウチはどんなビジネスを仕掛けていこう?