1991年にフジテレビ系で放送された名作ドラマ『101回目のプロポーズ』。武田鉄矢さん演じる冴えない中年男と、浅野温子さん演じるチェロ奏者の恋物語は、当時「僕は死にましぇん!」の名ゼリフとともに社会現象になりました。その伝説のドラマに、続編の企画が浮上していると報じられています。ところが早くもキャスティング面で暗雲が立ち込めているようです。
まず注目されたのは、主演級として名前が挙がった江口洋介さん。90年代から2000年代にかけて多くのヒット作を持ち、今も第一線で活躍する江口さんですが、どうやら出演を辞退した模様。さらに、ヒロイン候補として噂された石田ゆり子さんも「スケジュールの都合」などを理由に難しいとの情報が出ています。浅野温子さんも出演が確定しておらず、作品の軸が見えない状態。ファンの間では「往年の名作を無理に続編化する必要はあるのか?」と疑問の声もあがっています。
ただし、リメイクや続編は近年のドラマ界でトレンド。懐かしさで注目を集め、若い世代には新鮮に映るため、視聴率を狙いやすい戦略ではあります。『東京ラブストーリー』や『白い巨塔』のリメイクも話題を呼びました。とはいえ、『101回目のプロポーズ』は当時の時代背景と武田鉄矢さんの存在感あってこそ。現代版に置き換えたとき、どこまで心に響くかが課題でしょう。
個人的には、無理に豪華俳優を揃えるよりも、あえて新世代キャストで挑戦するほうが作品としては意味がある気がします。「令和の冴えない男」と「キャリア女性」のラブストーリーとして再解釈すれば、新たな名ゼリフが生まれるかもしれません。懐かしさに寄りかかるのではなく、過去の名作を今の時代にどう翻訳するのか――その挑戦を見たいと思います。