沖縄県の上水道に発がん性物質のPFASが含まれていた問題を扱った、表題の映画。

 

 

『なぜ君は総理大臣になれないのか』の大島新氏推薦とのことなのでぜひ見なければ!と、『非常戒厳前夜』に続き、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルに連日参戦してきた。

 

感想としては、とにかく監督の熱量が感じられる大変良い作品だった。

沖縄テレビ放送(OTV)のアナウンサーだった平良いずみ監督。OTV時代は複数のドキュメンタリー番組を制作し、数々の賞を獲得している。

沖縄のPFAS問題についてデイリーニュースやドキュメンタリー番組の形で伝えてきたものの、「より広く全国に伝えたい」との思いから上層部に映画化を提案。しかし反対に遭い、作らせてもらえなかったという。

それでも平良氏は映画化を諦めず、なんと会社を辞めてフリーの映像制作者となり、映画を作り上げた。

作品内にも「私は執念深い」という平良氏の語りが入るが、まさに"執念"の作品と言えるだろう。

 

PFASについて、北海道内のニュースでは去年初めて聞いたと記憶しているが、沖縄では10年ほど前から報じられてきた問題なのだそうだ。

映画では、沖縄の母親たちが、米軍基地からPFASを含む泡消火剤が漏れ出して上水道に入り込んでいる問題に声をあげ、国を動かしていく様子が描かれている。環境省が去年PFASの指針値を設定したが、これも沖縄の母親たちの頑張りがあってのことだったのだ。

 

海外の事例も複数取り上げている。しかもそれぞれしっかり現地取材をしているので、これがPFASへの理解を深めるうえで非常に効果的だと感じた。

 

この問題を追いかけ続けてきた平良監督は、上映後のトークイベントで、「テレビでやってもなかなか裾野が広がらない」と映画化に踏み切った思いを語っていた。

大島氏はこの作品を推薦したことについて、その内容はもちろん、「東京で上映する機会を作りたかった」という趣旨のことを話していた。せっかくの作品が、なかなか都内での上映機会に恵まれていない環境はもどかしい。

一方できょうの座・高円寺の会場も、正直空席が目立った。硬派なドキュメンタリーに人々の関心を引き付けるためには、どうしたらよいのか。今後は配信なども含めて、ぜひ多くの人に見てもらいたい。

座・高円寺で開催されているドキュメンタリーフェスティバル。

今年で17回目だというこのイベントに、初めて参加した。

 

 

今回鑑賞したのは、韓国のドキュメンタリー映画『非常戒厳前夜』。

監督のキム・ヨンジン氏は、動画ニュースサイト「ニュースタパ(打破)」の代表を務め、現在は記者として活動する、還暦越えのベテランジャーナリストだ。

 

 

おととし12月に当時の尹錫悦大統領が非常戒厳を宣言したのは日本でも大きく扱われたが、この映画を見ればその背景がよくわかる。

 

ネタバレになるため詳しくは書かないが、ニュースタパは検察のトップだった尹氏の不正疑惑などを報じて大統領候補としての適格性に問題があると、以前から批判を展開してきた。

その後、大統領に就任した尹氏はニュースタパへの"報復"を開始。

検察を操り、事務所や記者宅への家宅捜索を行った。

ニュースタパはこれに屈せず、粘り強い法廷闘争などで、尹氏と妻の金建希氏の不正を報じ続けた。

野党からも追及され、追い詰められた尹氏がとった最後の手段が、国会の機能を一時的に停止させメディアを統制できる「非常戒厳」だったのだ。

 

初めて知ることばかりだったので、日本ではこのあたりのことはあまり触れられてこなかったのかもしれない。

 

上映後、来日したキム・ヨンジン監督が会場に登壇した。

日本の記者やジャーナリストも参考になる話ばかりだったので、以下、できるだけ詳しくその内容を記す。

 

 

【キム・ヨンジン監督】

今回の映画は、民主主義やジャーナリズムへの共感を引き出すために作りました。

この尹氏の一件でも明らかですが、民主主義は与えられるものではなく守り通さなければならないものです。国民が注視していかないと、一瞬にして崩れかねません。

私の記者としてのモットーは、"権力は腐敗する"ということです。その防腐剤が探査報道だと考えます。

ジャーナリズムがなくなれば民主主義がなくなりますが、逆もまた然りで、民主主義がなくなればジャーナリズムも消えてしまいます。

 

タパの事務所や貴社の自宅が家宅捜索を受けたことは、今でもトラウマです。当該の記者は家のチャイムが鳴ると、未だにびくびくしてしまうと言います。

私は携帯電話を押収されましたが、今も戻ってきていません。個人情報を権力者がどう悪用するのか、今回の件で新たな視点を持ちました。

 

ニュースタパは、李明博政権時代の言論弾圧により大手メディアを解雇されたジャーナリストたちが作った、映像探査メディアです。私も元々は公共放送KBSの記者でした。

ニュース広告をとらない"非営利"の、また政治勢力の代弁者にならない"非党派"のメディアです。6500人の後援者の寄付により支えられています。

コンテンツは全て、後援者以外の人にも無料で公開しています。後援者の皆さんも、自分たちだけがニュースに触れるのではなく、より多くの人に見てもらえることを願っているのです。

 

尹氏が大統領罷免となった日には、公邸前や憲法裁判所前など数百万人の市民が集まりました。

これだけ多くの市民が参加するのは、韓国人のDNAに過去に経験した民主主義の勝利が息づいているからだと思います。

2期目の米トランプ政権は、権威主義が強く混乱をきたしています。そんな中、「韓国人に学ぼう」という声が我々のもとに届いています。

民主主義を汚す指導者を民主主義が打ち負かす事例が増えていけば良いと思います。

 

「尹アゲイン」を唱える極右はいますが、国民全体を代弁しているわけではありません。

現在の韓国は、尹氏が壊したものの精算をしている状態です。検察改革の動きが進み、検察自体を廃止することが国会で可決されました。

 

我々ジャーナリストが大事にすべきことは、国民のために正確な情報を取得して、タイムリーに提供することです。

我々は尹氏は大統領にふさわしくないと報じてきましたが、大手メディアは尹氏を大統領にすべく持ち上げ、就任後は妻の金氏の服装がオシャレなどと面白おかしく取り上げてきました。

メジャーなメディアが本当に報じなくてはいけないことに触れず、偏った報道をすることがいかに危険なことか、我々は理解しなければなりません。

大手メディアに任せておけないので、我々は3年前から独立系メディアを育成するプロジェクトを手掛けています。

 

最近の話ですが、我々は旧統一教会の内部文書について報じ、この文書を日本の2つの独立系メディアと共有しています。

今回の衆院選に出馬している複数の候補者の名前も登場しており、文書を共有した日本のメディアが報じていますが、大手メディアはまったく触れず知らん顔です。

この文書には、日本の大手メディアを買収したという話も載っています。また、高市総理の名前も出てきます。

日本の皆さんが正しい選択をすることを願ってやみません。

 

記者が権力になびいてしまう背景に、様々な機関の取材をする際にその機関から交付される、許可証の問題があると思います。

許可証があるということは、その機関に従属するということになります。

取材させてもらっているという意識から、記者はその機関が言ったことをそのまま記事にする、ただのメッセンジャー役になってしまうのです。

それが国民の支持を失うことにもつながっていると思います。

 

検察が事務所などで家宅捜索を行うところをそのまま撮って流しています。韓国の刑事訴訟法では撮ってはいけないということは書いていません。担当検事などによっては撮らせてくれないこともありましたが、我々は記者なのでできるだけ記録しようという姿勢でやっています。

 

この映画について、検察は上映禁止の処分申し立てがされましたが、裁判所はスルーしています。

むしろこの申し立ては、我々の映画の宣伝に役立ちました。

 

アメリカは民主主義が発展していると思ってきましたが、その国でさえ、ワシントンポストの記者が家宅捜索を受けたり、ミネアポリスで記者2人が逮捕されたりしています。

油断すると民主主義は後退してしまうのです。

ジャーナリズムと民主主義を守るのは、我々国民の使命です。

門脇翔平(かどわき・しょうへい)
昭和60年1月11日生まれ
東京都板橋区出身
早稲田大本庄高⇒早稲田大理工学部機械工学科⇒塾講師⇒タクシー運転手⇒レフサイエンス主宰⇒衆議院議員秘書⇒葛飾区議

 

【選挙結果】
衆院選比例北海道ブロック
令和8年2月8日投開票
定数8 政党獲得議席0
名簿順位1位 門脇翔平(新・減税日本ゆうこく連合・41歳)
⇒落選

 

・葛飾区議選
令和3年11月7日投開票
定数40 候補者数65
43位 門脇翔平(現・立憲民主党・40歳) 2,016票
⇒落選

 

・葛飾区議選
令和3年11月7日投開票
定数40 候補者数60
35位 門脇しょうへい(新・立憲民主党・36歳) 2,613票
⇒初当選

工藤愛紗(くどう・あいさ)
昭和55年5月28日生まれ
宮崎県都城市出身
玉川学園高⇒玉川学園女子短大⇒衆議院議員大築紅葉秘書

妹:大築紅葉

 

【選挙結果】
衆院選比例北海道ブロック
令和8年2月8日投開票
定数8 政党獲得議席3
名簿順位15位 工藤愛紗(新・中道改革連合・45歳)
⇒落選

吉田有理(よしだ・ゆうり)

昭和61年10月29日生まれ

江別市出身

北星学園大短大⇒ヨガインストラクター⇒衆議院議員和田義明秘書⇒誠和工業役員秘書⇒衆議

 

【選挙結果】
衆院選比例北海道ブロック
令和8年2月8日投開票
定数8 政党獲得議席4
名簿順位15位 吉田有理(新・自民党・39歳)
⇒初当選