「将棋舞玉」という詰将棋作品集をご存知だろうか?
九代大橋宗桂による江戸時代将棋家元最後の献上図式である。
ここで取り上げるのはその中の一作「第51番」
きっかけは作品鑑賞のため本作を解図ソフトにかけたことでした。
すると「この作品は詰上がりに駒が余る」と不機嫌な解答をしてくる。
ならばと持駒を減らして再度解図してみるを繰り返す。
結論が出た。
原図から持駒を5枚減らした下記左局面がどうやら詰将棋として成立しているようです。
下記右局面はその詰上がり図になります。
詰手順は最後に貼っておきますので腕に覚えのある方は考えてみてください。
1978年に初版発行されたものであるが製本がしっかりしており良好。
当時はまだ本作に関する余詰情報はなかったと思われます。
記事によると九代大橋宗桂は「将棋舞玉」を献上して3年後に八世名人を就位した人物。
きっと「将棋無双」「将棋図巧」のプレッシャーと闘いつつ、
凌駕すべく創作に励んだのでしょう。
インターネット上の情報では本作は余詰作品で、
北原義治氏より玉方8四の龍を飛に置き換える修正案が提案されているとのこと。
これにより作意265手詰が成立するようです。
興味のある方は以下のサイトを参照されたい。
詰将棋になった?局面の参考詰手順
▲7六龍 △6四玉 ▲6五龍 △5三玉 ▲6三龍 △4四玉
▲4三龍 △3五玉 ▲3六金 △同 と ▲4五龍 △2六玉
▲3六龍 △1七玉 ▲1八歩 △同 玉 ▲3八龍 △1七玉
▲1八龍 △2六玉 ▲2七龍 △3五玉 ▲3六龍 △4四玉
▲4五龍 △5三玉 ▲4三龍 △6四玉 ▲6三龍 △7五玉
▲6五龍 △8六玉 ▲7六龍 △9七玉 ▲9八歩 △同 玉
▲7八龍 △9七玉 ▲9八龍 △8六玉 ▲8七龍 △7五玉
▲7六龍 △6四玉 ▲6五龍 △5三玉 ▲6三龍 △4四玉
▲4三龍 △3五玉 ▲4五龍 △2六玉 ▲3六龍 △1七玉
▲1八歩 △同 玉 ▲3八龍 △1七玉 ▲1八龍 △2六玉
▲2七龍 △3五玉 ▲3六龍 △4四玉 ▲4五龍 △5三玉
▲4三龍 △6四玉 ▲6三龍 △7五玉 ▲6五龍 △8六玉
▲6六龍 △7六桂 ▲同 龍 △9七玉 ▲9八歩 △同 玉
▲7八龍 △9七玉 ▲9八龍 △8六玉 ▲8七龍 △7五玉
▲7六龍 △6四玉 ▲6五龍 △5三玉 ▲6三龍 △4四玉
▲4三龍 △3五玉 ▲4五龍 △2六玉 ▲3六龍 △1七玉
▲1八歩 △同 玉 ▲3八龍 △1七玉 ▲1八龍 △2六玉
▲2七龍 △3五玉 ▲3六龍 △4四玉 ▲4五龍 △5三玉
▲4三龍 △6四玉 ▲6三龍 △7五玉 ▲6五龍 △8六玉
▲6六龍 △7六桂 ▲同 龍 △9七玉 ▲7七龍 △9六玉
▲8八桂 △同 龍 ▲9七歩 △同 龍 ▲同 龍 △同 玉
▲8七飛 △9六玉 ▲8八桂 まで129手詰